1日40錠の下剤乱用だった私が、下剤依存症を克服した治し方

前回の記事で、過去に私が下剤&利尿剤を乱用していたと書いた。

そこでラシックス依存症を克服した方法を書いたが、この記事では、下剤乱用に至った経緯・下剤依存による副作用、そして、私が下剤依存症を克服した方法を、詳しく書いてみる。

同じような境遇にいる人には、参考になるかもしれない。

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初めて下剤乱用に手を染めたのは高校生のとき

私が、ダイエットを初めてしたのは、高校一年生のときだ。

もともと痩せ型として生きてきて、特にダイエットが必要な体型だったわけではない。

でも、私は高校デビューしたかった。

残酷な「ミニスカート」

現在30代の私が高校生だった頃は、制服をうんとミニにして、ルーズソックスを履くのが流行っていた。

ミニスカートは、残酷なほど、脚の良し悪しの差を露わにする。脚の形、長さ、そして細さ。

全身が映るガラスの前を通る度に、気付かれないように、自分と友だちの脚をチェックしていた。

—— 負けてる。勝ってる。

そして、

  • 脚が細くないとイケてない
  • 認められるためには細い脚が必要

という価値観にとらわれた私は、脚を細くするために、過酷なダイエットに取り組む。

最初はまじめに運動+食事制限でダイエット

最初はまじめに運動+食事制限でダイエットをしていた。

人生で初めてのダイエットだから、ダイエット慣れしていない体は、おもしろいように痩せていった。

ただ、段々と、食べ物を食べるのが怖くなっていった

その頃は実家暮らしで、食べ物のコントロールが自分でできない。

夕飯のメニューが高カロリーだと、反抗期も相まって、すごくイライラしたり。

今でも覚えているのは、友だちが教室で配った1本のポッキーが食べられなくて、それを「ありがとう!」と受け取ったままトイレへ行き、トイレへ流したこと。

あの頃から、何かがゆがみ始めていたように思う。

「痩せてかわいくなったね」の称賛の声

1カ月ほどで美容体重からモデル体重への減量に成功した私は、周囲に、

  • 「痩せてかわいくなった」

とよく褒められた。

その「承認」がやけにうれしくて、どんどん、ドツボにハマっていく。

逆行するようにダイエットはうまくいかなくなっていく

しかし、ダイエットは、やればやるほど、今度は体が慣れてしまい、思うような結果が出なくなっていく

栄養不足が続いた体は、今度は反撃しだした。

食欲が暴れ出して、「もっと食べろ」「栄養クレクレ」という。

ポッキー1本さえ自分に禁じていたのに、暴れる食欲に耐えきれず、夕食の後にチョコレートのエンゼルパイを食べてしまう。

狂うほどの罪悪感に襲われた

エンゼルパイをむさぼるように食べた直後、狂うほどの罪悪感に襲われた。

ものすごくムシャクシャして、自分に腹が立って、膨らんだお腹をグーパンチで殴った。

そのとき、ひらめく。

  • 食べても出せばいいんじゃない

急いで実家の薬箱をあさる。

「麻子仁丸」というラベルが貼ってある、小さい粒が大量に入った瓶を見つけた。それは、漢方系の便秘薬だった。

つかんで、適当な量を口に放り込んだ。

その日の夜中、脂汗とともに…

便意が来たのは、その日の夜中。

ものすごい激痛、血が薄くなって倒れそうな感じ、脂汗……

それとともに、ドバッと便が出た。

へこんだお腹をなでながら、心底安堵感に浸った

このとき、その後長年に渡って私を苦しめる、

  •  「お腹が膨らんでいると発狂しそうになる」
    ↓ ↓ ↓
  • 「下剤を飲んでペタンコにして安心する」

という思考回路が形成されたのだろう。

センナをお茶代わりに飲むようになる

今思えば、なんて危険なことをしていたのだろう、と思うのだけれど、下剤で出すことに味を占めた私は、薬局で売っていたセンナ茶を買ってきて、お茶代わりに飲むようになった。

しかも、ドロドロになるまで煮出して、ものすごく苦いのを飲む。

常に、下痢していた。そして、ガリガリに痩せていた。

《補足》摂食障害を患っていない人から見れば、「なんでそこまで?」と思うかもしれないけれど、単に「かわいくなりたい」というファッション的な理由の他に、私はかなり深い家族の事情を抱えていた。多くの摂食障害患者がそうであるように。

過食嘔吐ができなくてますます下剤依存に

その後、大学に入り実家を出て一人暮らしを始めた。

食生活、自由。ダイエット、し放題。

体重の上下はありながら、激しいダイエットをしたり、休んだりを繰り返しながら、20代を過ごしていた。

そんな中、ある時期、激しくダイエットをしたい時期がやってきた。

ネットでほかの摂食障害患者の情報を入手

それまでと違っていたのは、「ネット環境が整っている」ということ。

2chの「不健康で過激なダイエット」「骸骨になるスレ」などの情報を見るようになった(今検索してみたらまだ続いているようだ)。

そこで、多くの人が「過食嘔吐」をしていることを知った。

「わかめを底にして」「パスタは鬼門」「バナナを食べるとマー」「カショオ」

そんな、あの世界に足を踏み入れていない人には、到底理解できない内容。

幸か不幸か、まったく吐けず

  • 「私もみんなみたいに吐けるようになれば、痩せられるはず」

そう思った私は、過食嘔吐にチャレンジした。かなり情報をかき集めて、徹底的にやったと思う。

しかし、まったく吐けなかった。まったく。

下剤依存で生きていくことを決意

過食嘔吐をマスターできなかった私は、下剤に生きることを決意した。

私の長年の下剤依存症が始まっていた。

※ちなみにその後「チューブ吐き」という、非常に危険な吐き方にチャレンジし、あっけなく習得できてしまう。これはこれで卒業に時間がかかったので、また次回以降書く(→追記:こちらに書いた)。

あらゆる下剤を試した結果「ツウカイ」を愛用

徹底的に下剤を使おうと思っていたので、あらゆる下剤を試した。

覚えているだけでも、次の通り。

  • コーラック
  • コーラックハーブ
  • ビューラック
  • ツウカイ
  • サトラックス
  • スイマグ
  • ミルマグ
  • 武田漢方便秘薬
  • 百草丸
  • 百毒下し
  • ウィズワン
  • エバシェリーン

他にもまだあったと思うけれど、思い出せない。

この中で、相性が良く愛用していたのが「ツウカイ」という、富士薬局グループのドラッグストアでしか買えない下剤。

ピンクの小粒系なのだけれど、微妙な配合が自分に合っていたんだろう。

食前1時間前に飲むと、食後4時間後にほぼ固形のまま、食べたものが出てくる状態だった。

その頃、よく、

  • 「下剤を飲んでも痩せる効果はない。
    大腸を通るスピードを速めるだけで、小腸ですでにカロリー吸収されている」

という意見を見掛けた。

論理的にはその通りなのだと思うけれど、私の体だと、未消化の状態で出てくるので、明らかにカロリーカットになっていた。

食べたカロリーに対して、明らかに太らなかった。

異常食欲を止めたい一心で下剤卒業を決心

しかし当たり前のことなのだけれど、下剤なんて飲んでいて良いことがあるわけない。

「痩せた!」と喜んでも、何年もその状態を続けられるわけではない。

程なくして、下剤によって「食べているのに栄養不足」という状態に陥った私の体は、必死に、生きるための抵抗を始めた。

異常な、あり得ない過剰食欲が大暴れしだしたのだ。

思い出したくない地獄の日々

この頃のことは、今思い出しても恐ろしく、もう二度と戻りたくない、と思う。

一時的に、160cm弱の身長で、体重が30kg前半まで減ったことがあった。

ここまで行くと、もう体は必死。そこからの生きるためのエネルギーって、個人のエゴが抑制できるような尋常なものじゃない。

いつもいつも食べたくて、しかも、変なものをガツンガツン食べるようになった。

塩1袋、砂糖1袋、はちみつ1瓶……みたいな食べ方。明らかに、体に悪い。明らかに、誤作動を起こしている。

下剤の量が増えていく

誤作動を起こして大量摂取した食べ物に比例して、必要な下剤の量も増えていった。

規定量は2錠。

それに対して、最初は4錠で十分に効いていたのに、最後は一度に40錠もの下剤を飲んでいた。

当時通っていたクリニックの主治医が、「私はそういうのに慣れているから驚かないから言ってごらん」というので言ってみたら、驚いていた。

でも、ネットでは「コーラック100錠」なんて人もいて、40錠で抑えられているのはツウカイのおかげだと、当時は思っていた(十分、体に悪いのに)。

下剤を飲むと異常食欲が増すことに気付く

いくら下剤を飲んでいるとはいえ、異常な食欲っぷりに、排出が間に合わない。

今度は、「太る恐怖」が私を支配しだした。

異常食欲をなんとか抑えようと試行錯誤する中で、異常食欲の原因の一つが、「下剤」にあることに気付く。

下剤を飲んでいる限り、食欲は過剰になり続けるのだ。

下剤によって強制的にスッカラカンにされた胃腸は、猛烈な勢いで食を求める。

だから、この暴れ狂っているおかしな食欲を抑えるためには、まず下剤をやめる必要があった。

  • 「絶対に太りたくない。このままだと、太ってしまう」

そう思った私は、下剤をやめることを決意した。

下剤を飲まないとまったく出ない地獄

ところが、下剤を飲まないとまったく出ない。

お腹が膨れていくのを耐えて耐えて、自分のみっともない姿に怒り狂いそうになりながらも抑えて、下剤をやめているのに、うんともすんともいわない。

そりゃ、そうだ。

私は10代の頃からの下剤乱用で、さんざん腸をいじめてきてしまったのだから。

恐らく、ネットで見掛けた写真のように、大腸メラノーシスで腸の中が真っ黒になっているだろう。

あらゆる方法を試した結果、
辿り着いたのは、昭和レトロなある薬

下剤を飲んで異常食欲で太るのは嫌だが、腸に便が居座ってお腹が膨らむのも許せない私は、便秘解消のあらゆる方法を模索し始めた。

おそらく、ネットでヒットするようなことは全部やったと思う。

食べ物、飲み物、サプリメントなどの一般的な方法から、ソルトウォーターフラッシュ、コーヒーエネマ(腸内洗浄)などのマニアックな方法まで。

で、結論から書いてしまうのだけれど、私を救ってくれたのは、どこの薬局にも置いてある、昭和レトロな整腸剤だった。

この、「強力わかもと」という薬。ビール酵母・乳酸菌・消化酵素が入っていて、下剤ではなく「整腸剤」の類いの薬。

最初は、

  • 「整腸剤なんかで私の下剤依存が治るわけなんて、ぜっっったいにない」

と思っていた。

それが、どういうきっかけでこれを飲んだのか忘れたけれど(恐らく便秘以外の目的だったと思う)、なんと飲み始めて3日目に、ものすごく大きな立派な固形の便が出たのだ。

これは、非常に感動した。

だって、ウン十年も、下剤のピーピー下痢便しかできなかったのに、いわゆる「いいうんち」が出てきたのだから。

  • 「ああ、私の腸、まだ大丈夫なんだ。ごめんね、これからは大事にするから」

と思ったのを覚えている。

それからさらに信じられないことに、4日目、5日目、6日目——と連続して、自力で排便できた。

さくっと書いてしまったけれど、下剤卒業を決心してからここに辿り着くまで、長い期間を費やして、お金をかけてさまざまなことを試しては気落ちして……の繰り返しだった。

だからこそ、喜びもひとしおだったのだ。

大げさかもしれないけれど、奇跡かと思った。

失った普通を取り戻すことを諦めなくて良いと思う

私に合った方法が他の人にも合うかどうかは分からない。

ただ、こんなにも健康的で、何の害もない(むしろ体にすごくいい)方法で下剤依存を解消できたら最高だと思う。

もし、現在をやめたいけれども、

  • 「下剤やめたら、太る」

と、思い込んでいるとしたら。

私の体験を話せば、下剤やめて、強力わかもとの生活になったけれど、太らなかった。むしろ、少し痩せた。

しっかり排便して、普通の食欲で普通の女子と同じ量を食べる。

そんな、失った普通を取り戻すことを、諦めなくて良いと思う。

整腸剤を試す場合は14日以上継続を

もし強力わかもとなどの整腸剤を試すのであれば、最低14日間以上は継続すると良いらしい。

私は最初の3日目でドンと出てラッキーだったのだけれど、腸内環境が変わるためには、最低14日以上かかるらしいのだ。

だから、14日間、下剤がまんして、強力わかもと(または自分の気に入った整腸剤)にチャレンジしてみて欲しいな、と思う。

最後に

私は、すでに摂食障害を卒業して、非常に健康的な生活をしている。

今回の記事は、当時書いていたブログを、何年かぶりに読み返して、記憶を辿りながら書いた。

読み返しながら、苦しくて胸が痛くなった(つらかったな、と思って)。

摂食障害は、理解されにくい。けれど、ただのダイエットではなく、いろいろな要素が重なると深刻に発症する。一度、あの穴に落ちると、なかなか戻ってこられない。

でも、それでも戻ってきたいと、今もがいている人に、ふと自分の経験をシェアしたくなってこの記事を書いた。

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