加齢臭のメカニズム(3種類の原因物質ノネナール・ペラルゴン酸・ジアセチルの違いとニオイの種類)

「加齢臭」という言葉を作ったのは資生堂で、「ミドル脂臭」という言葉を作ったのはマンダム。ライオンも「30代男性特有のニオイ」の原因とされる物質を発表している。それぞれのメカニズムが異なるので、3種類に分けて説明する。

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資生堂発「中高年の加齢臭」

加齢臭は「ノネナール」を原因物質としている。加齢とともに皮脂腺の中に「パルミトオレイン酸」という脂肪酸が増加する。また、「過酸化脂質」も増加する。この「パルミトオレイン酸」と「過酸化脂質」が結びついて、酸化してできあがるのが「ノネナール」。

加齢臭とは、中高年に特有の「脂臭くて、青臭いニオイ」のこと。1999年に、資生堂が加齢にともなって発生するニオイの原因物質「ノネナール」を発見。今では一般的に使われている「加齢臭」という名前も、資生堂が命名しました。
ノネナールは、年を重ねると増加するパルミトオレイン酸(脂肪酸)が、過酸化脂質や皮膚常在菌によって酸化したり分解されることで発生します。
ノネナールは男女問わず、40歳を過ぎたころから増えてくるので、男性に比べ皮脂量の少ない女性でも、安心はできません。特に、皮脂量が増える暑い季節は、要注意です。
どう防ぐ?加齢臭対策

つまり、予防のポイントは、

  •  パルミトオレイン酸を減らす
  • 過酸化脂質を減らす

の2つ。パルミトオレイン酸は脂肪酸なので、減らすためには口に入れる脂肪分を減らすことが重要。特に動物性脂肪はパルミトオレイン酸を増やす原因になるため、肉類・バター・チーズなどは加齢臭を促進しやすい食べ物。

「過酸化脂質」は、活性酸素が体内で増えたときに大量に発生するという特性がある。活性酸素は、体を酸化させる(サビさせる)成分。抑えるためには「抗酸化作用のある食べ物を摂る」ことが重要だ。

「ビタミンC」「ビタミンE」は抗酸化作用の強い食べ物。ビタミンCは、レモン、オレンジなどの柑橘系やリンゴなどの果物に豊富に含まれているし、ビタミンEはアーモンドやアボカドに含まれている。

お酒、タバコ、運動不足、ストレスは、体内の活性酸素を増やす原因となるため、避けた方が良い。

ライオン発「30代男性特有のニオイ」

2008年にライオンが発表したのが「ペラルゴン酸」を原因とするニオイ。この5年後に「ミドル脂臭」を発表したマンダムがマーケティング的に大成功を収めているのに対し、「ペラルゴン酸」はそれほど認知されることなく収束してしまった感はある。

この記事を書くにあたって一通りネット検索してみたが、ライオンの公式ホームページに詳細の説明が見当たらない。専門サイトを作っている資生堂やマンダムとは対照的。

発表当時のニュース記事から抜粋する。

30代の男性には特有の臭いがあるらしい。ライオン株式会社・ビューティケア研究所の発表によると、男性も30代にもなれば「体臭が変化した」と感じ始めるとのこと。ちなみにこの臭いは加齢により発生するものの、いわゆる「加齢臭」(2000年に資生堂の研究所が発見・命名)とは異なる。
ライオンが着目、「加齢臭」とは違う30代男性特有の体臭とは

30代男性は「使い古した油のニオイ」がする「ペラルゴン酸」のニオイを発しているらしい。

「30代男性特有の臭い」を特徴づける物質が「ペラルゴン酸」であることを解明した。ベラルゴン酸とは「使い古した食用油臭に似た独特のアブラっぽいニオイを発する」という。
ライオンが着目、「加齢臭」とは違う30代男性特有の体臭とは

原因は「皮脂の酸化」とのこと。

皮脂が酸化し、一部がペラルゴン酸に変化して、独特の臭いを発する
ライオンが着目、「加齢臭」とは違う30代男性特有の体臭とは

当時のリリース原本は見つけられなかったが、リリースをコピペしているブログ記事を見つけたので貼っておく。

=日経プレスリリースから 2008.11.13= プレスリリース一覧掲載サービスの代表的存在「日経プレスリリース 」から、気になるリリースを1つピックアップし…

上記URLよりリリースの趣旨をまとめると、

  • 30代男性は10代男性のニオイとも加齢臭とも違う独特のニオイがすることが分かった。
  • その独特のニオイを発しているのはペラルゴン酸だと突き止めた。
  • 30代は皮脂の分泌量がピークなので、一部の皮脂が酸化してペラルゴン酸に変化したのではないか(仮説)
  • メマツヨイグサ抽出液には酸化抑制効果があって、30代男性に使わせてみたら消臭効果も確認できた。
  • これからメマツヨイグサ抽出液の商品を開発して販売する予定

ということで、メマツヨイグサ抽出液配合商品のマーケティングサポートとしてのリリースになっているのだが、肝心のメマツヨイグサ抽出液配合商品はその後どうなったのだろうか。

この記事の話は、各種アフィリエイトサイトやSEO狙いのブログなどで拡散されているが、情報元のライオンがなかったことのようにしているのが気になる。

マンダム発「ミドル脂臭」

資生堂が1999年に発表した「加齢臭」に対抗するかのように、マンダムが2013年に発表したのが「ミドル脂臭」。

「ミドル脂臭」は、30代半ば~50代半ばで最も強くなります。「ミドル脂臭」の原因成分は「ジアセチル」で、これは汗の中の乳酸が、皮膚上の常在細菌(ブドウ球菌)に代謝・分解されることによって発生します。「ジアセチル」と「皮脂臭(中鎖脂肪酸)」が混ざることで、不快な「ミドル脂臭」となります。後頭部・頭頂部・うなじを中心に発生し、使い古した油のようなニオイが特徴です。
「ミドル脂臭」の特徴

「加齢臭」は50代以降の全身のニオイを指しているのに対し、「ミドル脂臭」はより若い30代から始まる頭皮のニオイを指しているのが特徴。

ジアセチル」が原因物質とされている。「ジアセチル」自体にも「使い古した油」のようなニオイがあるのだが、これが頭皮に存在する「中鎖脂肪酸」と混ざると、さらに強い異臭を放つというもの。

「ジアセチル」は、汗に含まれる「乳酸」を皮膚にいる「ブドウ球菌」が分解することで発生する。ということは、「乳酸」と「ブドウ球菌」を減らすことができれば、ミドル脂臭も収まるというわけだ。

「ブドウ球菌」を減らすためには、とにかく清潔に保つしかない。汗に含まれる「乳酸」については、疲労の少ない暮らしを心掛けることだろうか。「乳酸」というのは疲労物質なので、疲れれば疲れただけ発生してしまう。特に、短距離走や筋トレなどの「無酸素運動」は乳酸を発生させやすいので、注意が必要。

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