私立恵比寿中学(エビ中)の松野莉奈さんが18歳という若さで亡くなった。その病名が「致死性不整脈」らしい。
どんな病気なのだろうと思っていたら、〈週刊女性 2017年02月28日号〉に医師のコメントが掲載されていた。
致死性不整脈とはいったいどんなものなのか
心臓マッサージなどの心肺蘇生術の普及に取り組む、早田台史医師のコメントから抜粋。
「心室細動(あるいは無脈性心室頻拍)という不整脈が出たと考えられますが、心室細動とは心臓が小刻みに震えて全身に血液を送ることができない状態です。
心室細動が起きる原因はいくつかあり、過度のダイエットなどで低カリウム血症になった場合も考えられますが、松野さんがもともと心臓に持病を抱えていなかったとすればウイルス性の心筋炎の可能性が大きいですね。つまり風邪です。
風邪のウイルスが心臓に入って炎症を起こしてしまうんですね。めったにないですがまれに起こりうる病気で、死に至る怖い病気です」
週刊女性 2017年02月28日号
松野さんは、風邪が原因で致死性不整脈を発症したのでは?と示唆されている。
それ以上に私が引っかかったのが、
- 「過度のダイエットなどで低カリウム血症になった場合も考えられますが」
という一文。
低カリウム血症は、無理なダイエットや、摂食障害、拒食症・過食症で、利尿剤(ラシックス等)や下剤を乱用している人に多い症状。
致死性不整脈で命を落とす可能性もあるのだから、低カリウム血症には注意が必要だ。
過労・ストレスも、致死性不整脈の原因になる
調べてみると、2007年に致死性不整脈で亡くなった看護師さんが、過労死認定を受けている。
以下、当時の新聞記事を転載されているブログから引用させていただく。
東京都済生会中央病院(東京都港区、高木誠院長)に勤務していた看護師の高橋愛依さん(当時24歳)が亡くなったのは、長時間の過重労働が原因だとして、東京・三田労働基準監督署は過労死の労災認定をした。(中略)
代理人などによると高橋さんは06年4月に同病院に就職、手術室勤務になった。07年5月28日の当直明けの朝に手術室のストレッチャーで意識不明になっているのが見つかり、致死性不整脈で同日亡くなった
看護師に過労死認定(東京都済生会中央病院)/ナースのおばちゃん的ブログ
松野莉奈さんの状況は分からないけれど、上記の看護師さんは24歳女性、松野さんは18歳女性。
若い女性でも、突如発症してしまうことがある致死性不整脈。
ダイエット・ストレス・過労、軽く見てがんばってしまいがち。けれど、命を奪うリスクがあることを考慮すれば、私たちはもっともっと、「ゆるく」「力を抜いて」過ごした方が良い気がする。
体を休める、無理なストレスをかけない、それが致死性不整脈の予防につながる。
致死性不整脈にかかってしまったらどうする?
予防していても、致死性不整脈を発症してしまったら、助かる可能性はあるのだろうか。
前述の〈週刊女性 2017年02月28日号〉の記事内では、下記のように記載されている。
「早い時期に心筋炎に気づくか、発作が起きたときすぐに心臓マッサージを行いAEDを使って心肺蘇生をすれば助かる可能性はゼロではありません」(前出・早田医師)
週刊女性 2017年02月28日号
とにかく、「早期発見」があれば、可能性があるということ。とっさの判断、対応が明暗を分けることになる。