エゾウコギとは?効果や副作用の情報と具体的な実感

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寒くなり、季節的なものなのか体調のせいなのか、気持ちが不安定になりやすくなっています。管理者様が記事で取り上げていたエゾウコギのサプリメントに興味があります。具体的に実感された効果などについて教えていただけますでしょうか。

この記事では、エゾウコギの基本情報から体験談まで、書いていきたいと思う。

目次

エゾウコギとは?

まず、エゾウコギの基本情報から。

エゾウコギは、ウコギ科の落葉低木で、別名「シベリア人参」「エレウテロ」ともいう。中国では「刺五加(しごか)」と呼ばれ、約2,000年前から漢方の生薬として使われてきた歴史がある。

エゾウコギのイメージ
エゾウコギのイメージ

「五加皮(ごかひ)」といえば聞き覚えのある人もいるかもしれない。漢方薬の「五加皮丸」や「五加皮散」に配合されている生薬だ。エゾウコギの根の皮が、この五加皮にあたる。

アダプトゲンとして知られるエゾウコギ

エゾウコギは「アダプトゲン」として知られている。アダプトゲンとは、不安や肉体的な疲労などのストレスに対する抵抗力を高めるはたらきがあるとされる天然のハーブを指す概念だ。

アダプトゲンという概念は医学で認められた分類ではないけれど、エゾウコギに関しては旧ソ連時代からの研究の蓄積が豊富にある。1962年にはソ連で強壮剤としての医薬品承認を取得しており、現在はヨーロッパ薬局方にも収載されている。

欧州医薬品庁(EMA)では、倦怠感や脱力感などの「無力症」の症状に対して推奨されている実績もあるので、怪しい民間療法とは一線を画す存在と考えていいと思う。

なお、高麗人参(オタネニンジン)と同じウコギ科ではあるが、エゾウコギはウコギ属、高麗人参はトチバニンジン属に分類される。同じ科でも属が異なり、有効成分も別物。エゾウコギの主要な活性成分は「エレウテロサイドB」や「エレウテロサイドE」、鎮静に関わる「イソフラキシジン」などで、高麗人参のジンセノサイドとは構成が異なる。

エゾウコギの主要成分と期待される効果

エゾウコギの根や茎には複数の有効成分が含まれている。なかでも研究者から注目されているのは、以下の主要成分だ。

エレウテロサイドE

エゾウコギの最も重要な活性成分のひとつ。リグナン系化合物で、正式名称は「シリンガレジノール・ジグルコシド」。抗疲労・抗ストレス・胃潰瘍の抑制・免疫機能の向上など、幅広い薬理作用が報告されている。

とくに注目すべきは、β-エンドルフィン(脳内で分泌される鎮痛・多幸感に関わる神経伝達物質)の血中濃度を上昇させる作用。β-エンドルフィンはモルヒネの数倍の鎮痛作用があるとされ、「脳内モルヒネ」とも呼ばれる。エゾウコギを飲んで「やる気が出る」「気分が前向きになる」と感じる人がいるのは、この作用が関係している可能性がある。

また、エレウテロサイドEには強力な抗炎症作用も確認されている。炎症を引き起こすタンパク質(COX-2やMMPsなど)の遺伝子発現を抑制するはたらきがあり、関節リウマチのモデルマウスを用いた実験では、抗TNF-α抗体(リウマチの生物学的治療薬)との併用で治療効果の増強が認められた。

エレウテロサイドB

植物性ポリフェノールの一種であるリグナン類に分類される。抗酸化作用・免疫調節作用・抗炎症作用・抗疲労作用が報告されている。エレウテロサイドBとイソフラキシジンには、白血球や血小板の粘着・凝集を抑えて血流を改善する作用がある。この血流の改善が、冷え・肩こり・頭痛の緩和につながると考えられている。

イソフラキシジン

クマリン誘導体の一種で、鎮静作用を持つ成分だ。自律神経のバランスを整え、副交感神経を優位にするはたらきがあるとされる。緊張をやわらげて精神を安定させる効果が期待されており、エゾウコギが「メンタルケア向けのサプリ」として認知される理由のひとつと考えられる。

シリンギン

2020年に鈴鹿医療科学大学の藤川教授らが発表した研究で、イソフラキシジンとは別の抗不安成分として新たに注目された。不安を感じやすいラットに対して、行動薬理学的・自律神経学的に安定した抗不安作用を示したと報告されている。

クロロゲン酸

コーヒーにも含まれるポリフェノールの一種。エレウテロサイドEとクロロゲン酸の混合物が、不安を感じやすいラットの海馬でBDNF(脳由来の神経栄養因子)やTrkB-CREBリン酸化を上昇させ、抗不安効果を発揮したとする論文がScientific Reports誌に掲載されている。

期待される効果のまとめ

これらの成分の複合的なはたらきにより、エゾウコギには以下の効果が期待されている。

  • 抗ストレス・メンタル安定:β-エンドルフィン分泌の促進、自律神経のバランス調整、コルチゾール(ストレスホルモン)の低減
  • 疲労回復・持久力の向上:骨格筋の酸化系酵素活性の向上、抗酸化酵素(SOD)活性の増強
  • 免疫力の向上:NK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性化、マクロファージの機能促進
  • 血流の改善:血小板の凝集抑制による血流改善、冷え・肩こりの緩和
  • 抗炎症・抗酸化:活性酸素の消去、炎症性タンパクの遺伝子発現の抑制

ただし、これらの効果の多くは動物実験や試験管内の研究によるものであり、ヒトを対象とした大規模な臨床試験で確固たるエビデンスが確立されているとまではいえない。2023年のシステマティックレビューでは、エゾウコギを含むアダプトゲンの臨床試験11件の中で約67%の指標に有意な改善が認められたが、エビデンスの確度は「中程度」と結論づけられている。

エゾウコギを知ったのはあがり症対策がきっかけ

さて、ここからは私の体験談。

エゾウコギを最初に知ったのは、「あがり症対策」がきっかけだった。「アダプトゲン」や「スマートドラッグ」のキーワードでネットを検索して、情報収集をしていた頃のことだ。

あがり症に良いサプリのひとつとしてエゾウコギを見掛け、調べると、メンタルケアで飲んでいる人が多いサプリだとわかった。

Amazonのレビューを見ると、絶賛している人からまったく効果ナシと言っている人までさまざま。求めている効果も多岐にわたっていた。

※私が飲んでいたエゾウコギはオリヒロ エゾウコギ

実感:飲むとやる気が出る感じがした

エゾウコギを飲んでいたのは、数年以上前のこと。飲み始めた最初は手応えを感じていたことを覚えている。無気力状態で動けなかったのが、エゾウコギを飲むと、動ける感じがした

Amazonの購入履歴をさかのぼってみたら、400粒を2回購入した形跡がある。

これを2回購入した(オリヒロ エゾウコギ粒 400粒)
これを2回購入した
オリヒロ エゾウコギ粒 400粒

本品には1日量は「1日8〜12粒程度」と記載されている。

当時の自分の記録を確認したら、私は目安量より減らして4〜6錠で飲んでいた。さらに、毎日必ず飲んでいたわけではなかった。

中止した理由:あがり症には変化なし・イライラ感が気になって中止

無気力状態から意欲を出すために役立ったものの、400錠×2瓶を飲みきったあとは、リピートしなかった。

その理由は、

  • 狙いのあがり症に対して実感できなかったから
  • イライラ感が気になったから

だった。

購入者レビューを読み込んでみると、相性が良くて継続している人も多いようだし、飲むと気持ちが強くなるという人、イライラするという人もいる。

なぜエゾウコギでイライラが起きるのか?

漢方的な観点からいうと、エゾウコギの性質は「辛・微苦/温」。つまり、身体を温める性質を持つ鎮静系の生薬だ。

もともと身体に熱がこもりやすいタイプ(のぼせやすい人、体温が高い人)が飲んだ場合、温める作用が過剰になり、イライラ・不眠・頭痛・動悸といった症状が出る可能性がある。

漢方薬局の実務でも、エゾウコギで熱がこもりすぎる体質の人には、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)など清熱作用のある漢方との併用が推奨されるケースがあるという。

逆に、体質的に冷えやすいタイプや低血圧の人には、エゾウコギの温める作用がプラスに作用しやすいと考えられている。

私は顔が赤くなりやすく、多汗症に悩んでいた時期もあるので、身体に熱がこもりやすいタイプだったのかもしれない。そうなると、エゾウコギでイライラしてしまったことは、筋が通る。

エゾウコギの副作用と注意点

エゾウコギに関する研究の多くでは、重大な副作用は報告されていないようだ。しかし、体質や状態によっては以下のような症状が出る場合がある。

  • イライラ・不眠・頭痛・頻脈・憂うつ・眠気・不安・乳腺痛
  • 身体が火照る・のぼせる

また、以下に該当する人は摂取を避けるか、かならず医師に相談してから。

  • 婦人科系の疾患がある人:エゾウコギにはエストロゲン(女性ホルモン)に似たはたらきをする成分(ピノレジノール・ジグルコサイド)が含まれているため、乳がん・子宮がん・卵巣がん・子宮内膜症・子宮筋腫のある人は使用を避けたほうがよい
  • 妊娠中・授乳中の人:安全性に関する研究が不足している
  • 小児:同様に安全性が確認されていない
  • 医薬品を服用中の人:薬の作用に影響を与える可能性がある。とくに糖尿病薬・血液凝固阻止薬との併用には注意が必要

なお、かつて「高血圧の人はエゾウコギを飲んではいけない」といわれてきたが、近年の研究ではこの根拠は薄いという報告があるとのこと。ただし、念のため高血圧で治療中の人は医師に相談しておいたほうがよい。

エゾウコギの飲み方

エゾウコギの飲み方について、いくつかポイントをまとめておく。

摂取のタイミング

摂取のタイミングは、目的によって分かれる。活力や集中力を求めるなら朝に飲むのが適している。いっぽう、リラックスや睡眠の質を重視するなら、夕方から夜にかけての摂取が推奨されている。イソフラキシジンには副交感神経を優位にするはたらきがあるため、就寝前に飲むと睡眠の質が上がるという報告もある。

継続期間

継続期間については、海外サプリメーカーの多くは「6〜8週間の継続摂取のあと、1〜2週間の休息」というサイクルを推奨している。臨床研究でも4〜12週間の継続で効果が顕在化するとの報告がある。漫然と飲み続けるよりも、一定の休止期間を設けたほうが耐性の形成を防げるとされている。

摂取量

摂取量は、エゾウコギの形態(生薬・エキス・サプリ)によって基準が異なるため注意が必要だ。おおまかな目安は以下のとおり。

  • 煎じ薬(乾燥した根や茎をそのまま煮出す場合):1日あたり3〜9g
  • 濃縮エキス(乾燥エキス末):1日あたり300〜500mg程度(臨床試験ではエキス300mg/日で12週間投与した例がある)
  • サプリメント:製品によって含有量が大きく異なるため、パッケージの表示を確認する

サプリメントは、オリヒロのエゾウコギ粒なら1日8〜12粒が目安とされているが、海外メーカーのカプセルタイプなら1日1〜3粒程度が一般的だ。最初は少なめの量から始めて、身体の反応を観察しながら調整するのがよい。

例として、iHerbのエゾウコギ・エレウテロで最もレビューが多いNature’s Wayのシベリアエゾウコギ根は、1粒あたり425mgで、1回分3粒あたり1,275mgとなっている。

1粒あたり425mg(Nature’s Way, シベリアエゾウコギ根)
1粒あたり425mg
Nature’s Way, シベリアエゾウコギ根

注意点

注意点として、「気が枯渇しているとき」の大量摂取は逆効果になり得る。

漢方の考え方では、エゾウコギには「気を巡らせる」はたらきがある。しかし、そもそもの気(エネルギー)が極端に不足している状態で大量に飲むと、少ないエネルギーを無理やり回す形になり、だるさや強い眠気が出るケースがあるという。

無気力を解消したくてエゾウコギを試す場合、体力が著しく消耗しているなら、まずは休養と基本的な栄養補給である程度回復してから使ったほうがよさそうだ。

参考情報:

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