LDLコレステロール値がまさかの200超え(!)という急上昇を記録した事件の事後談。
自分なりに原因を考え、食生活を調整した上で、再検査に行ってきた。
前回の話はこちら
本題に進む前に、前回の話はこちら。
「急にLDLコレステロール値が上昇してビックリした」という話だった(その半年前の血液検査では何も異常がなかった)。
食生活は、他の記事でも書いているように、ずっと糖質制限をベースにしている。
初めて糖質制限的な食生活に取り組んだのは10年以上前で、ここ6〜7年は完全に糖質制限が主体だ。
LDLコレステロール値は、低用量ピルを服用し始めてからジリジリと上昇し、低用量ピルからミニピルに変えた経緯があった。
めでたく基準値内に収まるようになって安心していた半年後の出来事で、「えっ??」となったのだった。
1ヶ月でLDLコレステロール値が70も急降下
結論からいうと、LDLコレステロール値は1ヶ月後の再検査で220→150まで下がった。
1ヶ月で実に70も下がったことになる。
まだ高めではあるものの、基準値にグッと近づいた。
前回の「D判定(要医師指導)」から「C判定(要経過観察)」まで回復した。
この1ヶ月に何をしたのか?
前回の異常時から今回の再検査までの1ヶ月間にしたことは主に、
- 脂質のカット
- 糖質制限を元のレベルに戻す
の2点だ。
前回は、その10日前ほど前から糖質制限を厳しくしていた。
普段の糖質制限は1日の糖質量50g〜100g程度。主食(米飯・パン・麺類など)は取らないが、野菜の糖質は気にしない。
それがこの時期は、1日の糖質量を限りなくゼロに近づけて過ごしていた(体を集中的に絞りたかったから)。
野菜の糖質にも気を配り、食べるものはタンパク質が中心。と同時に脂質は無制限に取っていた。
この「極端に厳しい糖質制限+脂質無制限」が、LDLコレステロール急上昇の犯人として怪しい。
- 糖質制限を厳しくした直後の検査だったこと
- 脂質が多すぎる食事内容だったこと
の2点が主な原因では?と考え、食生活の調整に取り組んだ。
なぜ糖質制限でLDLコレステロール値が上昇するのか?
糖質制限をスタートした初期にLDLコレステロール値が一時的に上がることは珍しくないと聞く。
私の場合「糖質制限をスタートした時期」は何年も前のことだが、「厳しい糖質制限をスタートした時期」と捉えれば、LDLコレステロール値が上がる要因になり得る。
ここで少し脱線するが、
- なぜ糖質制限でLDLコレステロール値が上昇するのか
について触れておく。
糖質制限を推進している江部康二医師の「ドクター江部の糖尿病徒然日記」で、
- 「糖質制限食でHbA1cと血糖値は劇的に改善したけれど、LDLコレステロール値と中性脂肪値が心配」
という相談が取り上げられているのを見つけた(相談者もLDL 200超えなので思わず読み込んでしまった)。
回答は、
- 「このまま、糖質制限食を続けていれば、徐々に基準値になっていくと思います」
ということだった。
理由として、糖質制限食開始当初にLDLが上昇する仕組みを下記のように解説されている。
糖質制限食開始当初は、
①<肝臓で産生するコレステロール>
②<食材からのコレステロールの増加>
③<小粒子LDLコレステロールが減って、大きいLDLコレステロールが増加>①がベースにあり、②と③が加わるので、
血清LDLコレステロール値は一旦、上昇することが多いです。
③は一見、LDLコレステロールが増加するのですが、標準の大きさの善玉のLDLコレステロールが増えるのでよいことです。
そのうち①が徐々に減少して調整するので、
徐々に基準値になっていきます。個人差が大きくて、基準値になるのに半年~1年~2年~数年かかることがあります。
なお、脂肪を厳しく制限しても、5万人、8年間のRCT研究で、コレステロール値は不変でした。
つまり、食材からのコレステロールが多くても少なくても肝臓が調整するので、長期的には血中コレステロールには影響はないという極めて信頼度の高いエビデンスがあることとなります。
ドクター江部の糖尿病徒然日記
私も糖質制限を実践しているなかで、この情報は目にしてきた。
糖質制限を継続したら徐々に基準値内へと収まった人の話も聞いたことがある。
一方、コレステロール上昇の原因が「甲状腺にある」ケースもあることを知った。
詳しくは「精神科女医の健康談義」の下記記事を参照のこと。
糖質制限に適さない体(参考:糖質制限してはいけない人①)なのに糖質制限をした結果、
- 飢餓モードになる→甲状腺機能が低下→コレステロール値が上がる
というフローだ。
同じことを摂食障害で飢餓に陥ったとき経験したので、なるほどと思った(BMI・血糖値・HbA1c が低すぎ/LDLが高すぎで、甲状腺の検査をしたら甲状腺機能低下症といわれたことがある)。
糖質制限でLDLコレステロール値が上昇した場合に「甲状腺機能低下が原因の場合もある」という知識を持っておくことは有益だと思う。
甲状腺機能の低下が原因だった場合、糖質制限を継続しても下がらない。知識があれば「おかしい」と気づくことができる。
糖質制限に限ったことではないが、合う人・合わない人が必ずいる。
ひとつの情報だけをうのみにするのではなく、いろいろな方向からの情報をまんべんなく取り入れた上で、「自分専用にカスタマイズした判断」をすることが大事だと思う。
脂質は意識してシビアに減らした
話は戻って、異常値が出た検査時から再検査時までの1ヶ月に行ったことを具体的に書いていく。
脂質については、異常値が出た時期は肉・チーズ・卵・マヨネーズ・生クリームなど大量に食べていた。
食材的にはMEC食(肉・卵・チーズ)をベースにしていたが、量が多過ぎたと思う。
(肉・卵・チーズで人は生まれ変わる)
私は脂質の摂取量が明らかに常識の範囲内を大きく飛び出していたので、是正することにした。
1ヶ月、チーズや生クリームは一切口にしていない。マヨネーズの摂取量も大幅に減った。
ヨーグルトは脂肪0タイプでお気に入りが見つかった。
揚げ物はこの1ヶ月ほとんど食べなかった(それまでは鶏の唐揚げを好んで食べていた)。
主食(米・パン・麺など)は食べていないが野菜・果物は取っている
米・パン・麺などの主食は、変わらず食べていない。
ただ、野菜・果物の糖質はOKとしている。
果物は摂り過ぎないようにはしているが、私にとって「りんご」が、体の具合がマイナスに傾いたときのお守り的存在なので、この期間は取っていた。
ケールと合わせてグリーンスムージーにしたり、にんじんと一緒にジュースにする日もあった。
ストレスは減った
病院でもらった「LDLコレステロールを下げるには?」というチラシに、
- 「ストレスを受けたときに分泌されるホルモンには、コレステロールを増やす作用がある」
と書いてあった。
確かに異常値の出た検査時は、その前の2ヶ月間にわたり心理的に非常に強い負荷があった。
それに比較して再検査時のストレスは大幅に減っている。
これもコレステロール値の降下に寄与したかもしれない。
検査当日は脱水にならないように気を付けた
もうひとつ。関連性はわからないが、一応書いておく。
再検査時は脱水にならないように気を付けた。
私は過去に摂食障害だった名残で、体重の数字を下げたい気持ちが強い。
普段の生活での異常なこだわりはなくなったが、1年に1回の人間ドックとなると「許せない数字を記録に残すのは嫌」という強迫的な思いが、いまだに頭をもたげてくる。
ボクサーみたいに水分を抜いてでも体重を減らしたくなってしまう。
昔に比べれば随分とマシにはなったが、LDLコレステロール値で異常値が出たときも脱水気味になっていたことは否めない。
再検査では十分に水分が体内に行き渡っている状態を作り、脱水ではない身体で採血してもらった。
数ヶ月後に再々検査する予定
LDL 220という数字を叩きだしたときはギョッとしたが、あれこれ考えて調整した結果、無事に下がってホッとした。
診察していただいた医師からも、今の方向性で合っているので継続をとのアドバイスだった。
もう数ヶ月、現在の方向性を継続したら再々検査に行こうと思っている。
そこで基準値内に収まれば一件落着だ。