久しぶりに、大嶋信頼氏の本を読んだ。『催眠ガール』。
履歴を見てみたら2年半ぶりの大嶋本
Amazonの履歴を見てみたら、大嶋信頼氏の新刊を読むのは、2018年12月以来のこと。実に2年半ぶり。
3年前、2017年8月に大嶋信頼さんを見つけ、当時発刊されていた10数冊を一気に読破。
その後も新刊を追っていたが、どんどん人気作家になって出版が重なって、読むのが追いつかなくなった。その後、生活習慣的に読書量が減ったことも影響し、遠ざかっていた。
YouTube生配信をきっかけに熱が再燃
先日、大嶋さんのYouTube生配信をたまたま見て(こちらの記事で書いた)、最近の本を読んでみようと思い、Kindleで購入したのが『催眠ガール』。
催眠ガールは、2019年7月に発売された本だ。
存在は知っていたし、レビューが非常に良く、興味を持っていたが、購入には至らず。
それが、昨夜22時にKindleで購入し、そのまま読み始めた。
ここから、読んで感じたことを書いていく。
まだ『催眠ガール』を読んでいなくて、先入観なしに『催眠ガール』を読みたい人は、続きは読んだあとにどうぞ。
夜の22時に購入して、途中で睡魔に襲われつつ、翌朝9時に読了
夜に22時にKindleで購入し、ダウンロード。
一気に読んでしまおうと思ったが、途中(催眠にかかったのか、単に眠かったのか)睡魔に襲われて、断続的に読み進め、読み終えたのは今朝の午前9時頃。
実質、読んでいたのは3時間くらい?だと思う。
小説式の催眠本
催眠ガールは「小説」の形式をとった催眠本。
物語を読み進めていくうちに、自分のなかに、癒しが生まれたり、“種”が植えられたりしていく感覚がある。
もちろん純粋な小説として楽しむこともできるが、「セラピー目的」で読んだときに、とんでもない本であると思う。
最初の1分で、もう気持ち悪くなった
読み始めて、最初の1ページ、2ページで、もう気持ち悪くなった。
自分にとってリアルすぎて。
これは私の(育った家)のことか?
大げさでなく「ウェエエーッ」となり、もんどりうって、うぐぐっと拳をにぎりしめて、歯を食いしばり、枕にダイブして、気持ち悪くなった。
途中で2回悪夢を見る
読み始めたのが夜遅かったこともあり、割とすぐに眠気に襲われて、いったんKindleを枕元においたまま寝てしまった。
そのときに見た夢が、いつも見ないような夢だった。ものすっっっごい悪夢。
3度寝落ち・悪夢2回
読み終えるまでに3度寝落ちして、悪夢は2回見た。
1回目は、とあるエピソードがあり、それに対して私がものすごく怒っている夢。起きたときに「憤怒」という言葉が浮かんでいた。
2回目は、すごく大切な人を失う夢。のこされたアイテムに書かれたニコちゃんマークの落書きを、いろんな気持ちを込めて眺めていた。
どちらも、(夢の中では)ネガティブな感情を強烈に噴気させる、超・悪夢だった。今年イチかもしれない。
不思議なことにまったく嫌ではない(悪夢のくせに)
ただ、不思議なことがある。それは、悪夢の「嫌な感じ」を、まったく引きずっていないこと。
通常の悪夢であれば、目覚めてから“後味の悪さ”を引きずる。下手したら、何日も嫌な気持ちになる。
しかし今回の悪夢は、「超・悪夢だった」という記憶はあるのに、目覚めたあと、まったく嫌な感じを引きずっていない。
非常にサッパリしたものだ。いま書きながら思い出しても、感情が動く感じはない。
まるで私のことなのか??と思わせるエピソードの数々
『催眠ガール』の主人公は、女子高生。
主人公の設定と自分はかけ離れていて全然OK
私は女子高生ではないので、環境は異なる。が、後書きには、催眠の“お師匠さん”との会話におけるフレーズとして、
- 「自分には関係ない、と思うような物語であればあるほど、意識的な抵抗が弱まるのかもしれませんね」
と書かれている。
つまり、主人公が女子高生だからといって、年配者や男性が「感情移入できずに、催眠の効果が得られないのでは?」という心配はまったくナシ。
数々のエピソードにうなりながら読み進めた
『催眠ガール』のなかでは、主人公の女子高生自身のストーリーや、主人公が登場人物のために書いたスクリプト(催眠の物語)が展開されていく。
そのなかに、
- 「これって、まんま私のことじゃん」
と思うエピソードがいくつも出てきて、その度にもんどり打つ。
読者に「私のことを見透かしていて、私のために書かれた本なのか?」と錯覚させる、数々の催眠技術を駆使して作られた、その筋のプロが書いた本なのだ、と自分に言い聞かせてなお、
- 「いや、本当に私のこと知っていて書いたんじゃ?」
と妄想してしまうほどにシンクロしすぎて、気持ち悪くなる。
気持ち悪くなる…はネガティブではなく
気持ち悪くなる、というのは、古傷がえぐられすぎている感覚や、自分でも記憶の存在さえ知らなかったシーンが思い出されて、心がグチャグチャにかき回される感じ——、とでもいえば良いのか。
「気持ち悪い」といったら完全にマイナス表現になってしまうけれど、正直なところ嫌な感じがしているわけではない(表現が難しい)。
生のハート(心)に触ってしまっているような感覚。カロリー使っている感じ。
終盤にスイッチが入って何でもないのに泣き続ける
後半、6〜7割まで読み進めたタイミングで、何らかのスイッチが入り(催眠状態になったのか)、そこから泣き始める。
普通の小説や映画で(ストーリーやエピソードに反応して)感動して泣いているのと違い、一度そのモードに入ったら、そのまま淡々と泣き続けている感じ。
ツーツーとストーリーとは連動しない涙が流れ、そのうち激しく号泣しだして、一時、息を吸うのも絶え絶えに。
やがて落ち着いて、一気に読み終えた。
読了直後に感じている2つの効果
今、読了直後なので、私のなかにどんな「種」が植えられたのか、全貌はまったく見えていない。
すぐに気付けている効果としては2つあって、
- 人の気持ちを考え始めて、そのまま勝手に自分の中でストーリー展開して、妄想的にドツボにハマっていくループに、ストップがかかっている
- 嫌なこと、気が重いこと、不安、心配、ムカついている人などのことを思い浮かべたら、そのまま、ずっと反復して考えてしまい、どんどん嫌な気持ちを増幅させて、やるべきことに手が付かなくなる癖にストップがかかっている
最近、メンタル不調に陥っていた。
仕事も進まず焦りがある中、3時間を『催眠ガール』を読むことに充てたわけだが、↑をストップできただけでも、ずいぶん時間は救えた感じがする。
嫌な考え事で、数時間なんてあっという間に浪費してしまうからだ。
結論として、読んで本当に良かったと思えているのだけれど、前述の通り、効果はまだこれから出そうだし、(私にしては珍しく)繰り返し読みそう。続報はまた追って。