じんましんが止まらないのはマグネシウム不足? 運動後に全身に出た蕁麻疹がサプリ再開で消えた体験談

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突然始まったじんましんに、原因がわからないまま振り回される──。これは、本当に心が折れるもの。

この記事では、ある夏に突如として激しいじんましんに悩まされ、あれこれ原因を探った結果、マグネシウムサプリの再開と同時に症状が消えた私の体験談を共有する。コリン性じんましんやマグネシウムとヒスタミンの関係についても、調べてわかったことを記録しておく。

目次

私に起きたじんましんの症状

8月に入った頃から、前腕の内側(手首からひじにかけて)にブワーッとじんましんが出るようになった。チクチクする不快感はあるものの、かかずに我慢していれば数十分〜1時間で引いていく。最初はそこまで深刻に捉えていなかった。

ところが日を追うごとに症状が激しくなる。腕だけだったじんましんが足の甲にも出始め、最終的には太ももやお腹・背中にも広がるようになった。

ピークの頃、最悪だったパターンは「汗ばむ程度の運動→シャワー」の組み合わせ。シャワーを浴びているうちに太ももあたりからチクチクが始まり、鏡を見るとお腹も背中も全身真っ赤。かゆみだけでなく、血圧がサーッと下がって震えるような感覚まであった。明らかにただ事ではない。

ただし、発現から20分以内に収まり始め、1時間以内にはきれいに消失する。

コリン性じんましんとは何か?

「この症状は何だろう」とネット検索したところ、コリン性じんましんが一番近い症状だった。

汗をかくときに出るじんましん

コリン性じんましんとは、入浴・運動・精神的な緊張など、体温が上がって汗をかく場面で出現するじんましんの一種。発汗の指令を伝える神経伝達物質「アセチルコリン」が、皮膚の肥満細胞(マスト細胞)を刺激し、かゆみの原因物質であるヒスタミンが放出されて症状が起きると考えられている。

膨疹のひとつひとつが1〜4mm程度と小さいのが特徴で、大部分は30分〜1時間以内に消失する。10代〜20代に発症のピークがあり、年齢とともに軽くなる傾向がある。

公益社団法人日本皮膚科学会「蕁麻疹(じんましん)Q6」

4つのサブタイプがある

コリン性じんましんと一口にいっても、近年の研究では少なくとも4つのサブタイプが提唱されている。

  • 汗管閉塞型: 汗の量が多すぎて汗腺が詰まり、局所的に炎症が起きるタイプ
  • 減汗症合併型: 汗腺のアセチルコリン受容体が減少し、行き場を失ったアセチルコリンが肥満細胞を刺激するタイプ
  • 汗アレルギー型: 自分自身の汗に含まれる成分(マラセチア菌など)にアレルギー反応を起こすタイプ
  • 特発性: 上記3つに当てはまらない原因不明のタイプ

「汗をかくと出る」という症状が同じでも、その裏で起きている反応は人によって異なる。病院で診てもらっても原因が特定されにくいのは、こうした複雑な背景があるからだ。

田辺ファーマ ヒフノコトサイト「コリン性蕁麻疹の原因・症状・治療法」メディカルドック「コリン性蕁麻疹を発症した人に起こる症状」

じんましんの7割は「原因不明」

原因をズバッと特定したくなるけれど、そもそも、じんましん全体の約7割が「特発性」、つまり原因不明なのだそう。病院に行っても、明確な原因はわからないことが多い。

原因の足がかりをつかむためには、自分の体の変化を丁寧に観察することも大切になる。

公益社団法人日本皮膚科学会「蕁麻疹(じんましん)」

原因を探るための5つの仮説検証

私のじんましんの原因は何なのだろうか。その原因を探るために検証していった。

昨年の夏は大丈夫だったのに、今年は出る。「夏」「汗」は共通条件だとすると、今年だけ違う要因があるのでは?という考え方で、5つの仮説を立てた。

仮説1:日光不足→ビタミンD不足

最初に疑ったのが「ビタミンD」の不足。今年はコロナ禍でほぼ在宅生活であり、まったく日光に当たっていない。ビタミンDには免疫調節作用があり、じんましんとの関連を示す研究も存在する。

【対策と結果】ビタミンD単体のサプリを試したが、効果はなかった。そもそもディアナチュラのストロング39アミノマルチビタミン&ミネラルを毎日飲んでおり、ビタミンDは5.5µg(1日の基準値の100%)含まれている。サプリを飲んでいる状態なのに、じんましんが出るほどの欠乏に陥るとは考えにくい。

→ ビタミンD不足説は却下。

仮説2:コーヒーの飲み過ぎ

ちょうどアイスコーヒー用の豆を新調し、飲む量が増えていた。アイスコーヒーはホットの2倍量の豆で抽出するため、ゴクゴク飲んでいるとあっという間に大量のカフェインを摂取してしまう。

【対策と結果】コーヒーを一時停止して様子を見たが、じんましんの改善にはつながらなかった。

→ コーヒー説は却下。

仮説3:ゴムや化繊による接触刺激

ヨガタオル裏面の滑り止めゴムや、運動時に履いていた化繊のパンツを疑った。私はもともと着るもので肌がかゆくなる体質で、普段は綿100%のものしか着ない。

【対策と結果】ヨガタオルをゴムなしのタイプに替え、パンツも綿100%に変更した。着心地は良くなったものの、じんましんの大幅な軽減にはつながらず。

→ 接触刺激は補助的な悪化因子の可能性はあるが、主原因ではない。

仮説4:大豆プロテイン+運動による食物アレルギー

調べているなかで、「食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)」の存在を知った。特定の食品を食べただけでは症状が出ないのに、食後に運動すると激しいアレルギー反応が出る病態だ。原因食物は小麦が約6割と圧倒的に多く、甲殻類や果物がそれに続く。

【対策と結果】よく大豆プロテインを飲みながら運動していたので嫌な予感がして、大豆プロテインを一時停止。しかし、大豆プロテインなしで運動してもじんましんは出た。

→ 大豆プロテイン説は却下。

明治「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」

仮説5:シャワーのお湯

運動後のシャワーで最もひどい症状が出ていたため、シャワーに原因があるのではないか?とも考えた。

【対策と結果】シャワーの温度を下げて「水」にしてみた。それでもひどくじんましんが出た。温度の問題ではなく、シャワーの物理的な刺激そのものが誘因になっているようだった。

「水アレルギー」(水じんましん)という極めてまれな症例も存在するが、世界でこれまで報告された発症者は100人に満たないとされる。さすがにその可能性は低いだろう。

→ シャワーは「トリガー」ではあるが、根本原因ではない。 体がじんましんを起こしやすい状態にあったとき、シャワーの物理刺激が引き金を引いていたと考えるのが自然。

マグネシウムサプリを再開したらじんましんが消失した

あれこれ試しながら、かなりつらい日々を過ごしていたある時期から、じんましんが徐々に出なくなっていった。

「何が変わった?」と逆算して考えたとき、浮上したのがマグネシウムと亜鉛のサプリの再開だった。

この2つは常用サプリとして飲んでいる時期とお休みしている時期があり、このタイミングではたまたま両方とも中断していた。じんましんとは別件で、妙にやる気と集中力が出ない日が続いたため、その対策として再開したのだ。

すると、時を同じくしてじんましんも消えていった。

亜鉛ではなくマグネシウムだと考える2つの根拠

マグネシウムと亜鉛を同時に再開したので、どちらが効いたのかは厳密にはわからない。だが、マグネシウムが鍵だと考える根拠は2つある。

根拠1:マルチビタミンでカバーできる量が違う。 常に摂取しているストロング39アミノマルチビタミン&ミネラルの成分を見ると、亜鉛は8.8mg(1日の基準値の100%)配合されているのに対し、マグネシウムは64mg(基準値の20%)しか入っていない。マルチビタミンを飲んでいても、マグネシウムは足りていなかった可能性が高い。

根拠2:中断と発症のタイミングが一致する。 マグネシウムの飲用を中断したのが7月22日。じんましんが出始めたのは、その約1週間後だった。〈中断→発症→再開→消失〉という時系列を追うと、つじつまが合う。

なぜマグネシウム不足でじんましんが出るのか

ここからは、マグネシウムとじんましんの関係について、調べてわかった科学的な背景をまとめる。

マグネシウム不足→ヒスタミン放出の増加

じんましんの直接的な原因は、皮膚の真皮にある肥満細胞(マスト細胞)からのヒスタミン放出だ。ヒスタミンが毛細血管を拡張させ、血管から血漿成分が漏れ出すと、赤い膨疹とかゆみが生じる。

では、マグネシウムはこのプロセスにどう関わるのか。

青山ヒフ科クリニックの解説によると、肥満細胞の内部にはcAMP(サイクリックAMP)という物質があり、これがヒスタミンの放出を抑えるブレーキ役を果たしている。マグネシウムが不足すると、cAMPを合成する酵素(アデニレートシクラーゼ)の活性が低下し、同時にカルシウムが細胞内に流入してcAMPの分解が促進される。結果としてブレーキが効かなくなり、ヒスタミンが放出されやすい状態になるという。

青山ヒフ科クリニック「敏感肌、アトピー性皮膚炎に対するマグネシウムの効果」

動物実験でも確認されている

この「マグネシウム欠乏→ヒスタミン増加」のメカニズムは、古くから動物実験で裏付けられている。

1963年にNature誌に発表された研究では、ラットのマグネシウム摂取を制限すると、数日以内に末梢血管の拡張や浮腫(じんましんに類似した反応)が観察されたと報告された。

また、1980年の研究(Nishio et al.)では、マグネシウム欠乏ラットの血中ヒスタミン値が4〜5倍に上昇し、腸管の肥満細胞に大量脱顆粒(ヒスタミンなどの化学物質の大量放出)が起きていた。マグネシウムの欠乏が36〜48日間続くと、肥満細胞の数自体が対照群の6〜7倍にまで増加したという結果。

さらに2013年の別の研究(Takemoto et al.)では、マグネシウム欠乏が肝臓における肥満細胞の出現を誘導したと報告されている。

Bois, P. et al., 1963. Nature, 197, 501-502. Nishio, A. et al., 1980. J Nutr, 110(7), 1404-1410. PubMed: 6445415 Takemoto, S. et al., 2013. J Nutr Sci Vitaminol, 59(6), 560-563.

ヒトのじんましん患者でもマグネシウム低値が観察されている

動物実験だけでなく、ヒトを対象にした研究もある。42名のじんましん患者を対象にした臨床研究では、発症時の血中マグネシウム値が正常下限を下回っており(平均0.5mmol/L)、ヒスタミン値は正常の約3.5倍に上昇していた。治療が進んで症状が寛解に向かうにつれ、マグネシウム値は正常範囲に近づき、ヒスタミン値は低下していったと報告されている。

Nechifor, M. et al., 1991. PMID: 1983189

マグネシウムはヒスタミンの「分解」も助けている

マグネシウムはヒスタミンの放出を抑えるだけではない。体内でヒスタミンを分解する経路にも関わっている。

ヒスタミンの分解を担う主要な酵素のひとつが、HNMT(ヒスタミン-N-メチルトランスフェラーゼ)である。HNMTが機能するにはSAMe(S-アデノシルメチオニン)というメチル基供与体が必要で、このSAMeの生成にマグネシウムが関与している。また、もうひとつの分解酵素であるDAO(ジアミンオキシダーゼ)の活性にもマグネシウムが補因子として関わるとされている。

まとめると、マグネシウムが足りないとヒスタミンが出やすくなり、かつ分解されにくくなる。二重の意味でじんましんを起こしやすい状態が生まれるわけだ。

マグネシウムは不足しやすい栄養素

マグネシウムはじんましんに限らず、現代の日本人が最も不足しやすいミネラルのひとつだ。

日本人の大多数がマグネシウム不足

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人男性の推奨量を340〜380mg/日、成人女性を270〜290mg/日と設定している。しかし、令和元年の国民健康・栄養調査による実際の平均摂取量は247.1mgで、推奨量を大きく下回っている。

食の欧米化で穀類・海藻・豆類の摂取が減り、精製された白い米やパンが主食になったことで、マグネシウムの摂取量は年々低下してきた。さらに、精神的なストレスやアルコールの過剰摂取は尿からのマグネシウム排泄を促進するため、現代人は「摂れていないうえに、出ていきやすい」という二重苦の状態にある。

健康長寿ネット「マグネシウムの働きと1日の摂取量」

マルチビタミンサプリのマグネシウム含有量が少ない理由

前述のとおり、私が飲んでいるディアナチュラのストロング39は、ビタミンや亜鉛は基準値の100%以上をカバーしている。しかしマグネシウムは64mg(基準値の20%)。

これはディアナチュラに限った話ではなく、多くのマルチビタミン製品に共通する傾向。理由はマグネシウムは1日の必要量が多いわりに錠剤のサイズを大きくしてしまうため、マルチビタミンに十分な量を配合しにくいから。

たしかに、私が単体で飲んでいるマグネシウムのサプリは、錠剤の1粒サイズがとても大きいうえに、1日量は2粒で1日基準値の48%をカバーする設計だった。

「マルチビタミンを飲んでいるから安心」と思っていたが、マグネシウムに関しては、別途積極的に摂取しないと欠乏するリスクがある。

マグネシウム不足のサイン

じんましん以外にも、マグネシウム不足は以下のような不調として現れる。

  • 足がつる(こむら返り)、まぶたがピクピクする
  • 疲れやすい、だるさが抜けない
  • やる気が出ない、集中力が続かない
  • 眠りが浅い、寝つきが悪い
  • イライラしやすい、気分が落ち込む
  • 頭痛、肩こりが慢性的に続く
  • 動悸や不整脈が出やすい

振り返ると、私がマグネシウムを再開したきっかけは「やる気と集中力の低下」だった。じんましんとは別の文脈で飲み始めたわけだが、これも典型的なマグネシウム不足の症状だった。

まとめ:じんましんに悩んだときの3つのポイント

今回の体験から学んだ教訓を整理する。

❶ まずは皮膚科を受診する

じんましんには多くの種類があり、なかには重篤な疾患のサインである場合もある。とくに呼吸困難や血圧低下を伴う場合は、アナフィラキシーの可能性があり、速やかな医療対応が必要。自己判断だけで済ませず、専門医の診察を受けることが最優先。

❷ 原因を自分で探ってみる

じんましんの7割は原因不明とされるが、それは「原因がない」のではなく「特定が難しい」ということ。症状がいつ出て、いつ消えるのか。何を変えたら悪化し、何を変えたら改善したのか。丁寧に記録して仮説を立て、ひとつずつ検証していくと、原因にたどり着けることもある。

❸ マグネシウム不足を疑ってみる

じんましんの原因に心当たりがなく、かつ上述のマグネシウム不足の症状にいくつか当てはまるなら、マグネシウムの単体サプリを試してみるの良い選択肢だと思う。マグネシウムは、通常の食事で過剰摂取になる心配はほぼなく、サプリからの摂取も1日350mg以内であれば安全とされている(ただし、腎機能に問題がある人は医師に相談を)。

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