大事な発見「息は吐くのではなく吸う」赤面症や多汗症と闘ってきた結論

ページ内に広告が掲載されています

ものすごく自分にとっては大事な発見があった。

(私は)息を吐くのではなく、吸わなければいけなかった。

目次

腹式呼吸で息を吐くほど緊張する

「腹式呼吸が大事」と耳にたこができるほど聞いてきた。何度もチャレンジしたが、いつも破れてきた。

汗がひどく出るモードに入っていた時期は、息を吐くごとに全身汗だくになって、本当にみじめな気持ちになったこともある。

世の中の「呼吸法」のほとんどが吐く側を重視している。

  • 「ゆっくり長く吐きましょう
  • 吐く息に意識を向けましょう

そう言われて一生懸命吐くたびに、絶望してきた。

赤面や多汗のメカニズムはじつは複雑

なぜ腹式呼吸で赤面や多汗がひどくなるのか?といえば、私の仮説は赤面や多汗は副交感神経によるものだから、と考えていた。

緊張すると交感神経が活性化して、戦うか逃げるか反応が起きる。そこで慌てた身体が副交感神経をフル動員して、その結果、ドバッと汗が出たり、顔が赤くなったりするのでは?と考察。

顔面血管は「二重支配」を受けている

こんな記述も発見した。

緊張したときなどにも赤面するが、このメカニズムは実は明確にはなっていない。顔の皮膚や口腔の血管は、交感神経や感覚神経だけでなく、副交感神経による支配もあり、独自の血流変化が起こることが知られている(参考文献3)。緊張で顔が赤くなるのは、交感神経の過緊張による脳温上昇を抑えるために、副交感神経支配で顔面の血管を拡張させ、温度を下げるのではないかと考えられている。血液の色や血流量に着目:DI Online

日本医事新報社の解説でも、顔面の皮膚血管には体の大部分にはない「副交感性の血管拡張線維」が存在し、大脳の精神活動に密接に関連していると報告されている。つまり、体のほかの部位の血管は交感神経だけで調節されているのに、顔面だけは副交感神経の血管拡張作用も受けているという特殊な構造なのだ。

さらに近年の研究では、副交感神経だけでなく、副腎髄質から分泌されたアドレナリンの液性作用による血管拡張の可能性も報告されている。赤面が交感神経性なのか副交感神経性なのか液性なのか、あるいはその組み合わせなのか、いまだ完全には解明されていないという。

ひとつ確実にいえるのは、顔面の血管は特殊であり、緊張に対して拡張反応を起こしやすい構造を持っているということである。

日経メディカル「血液の色や血流量に着目」日本医事新報社「顔が赤くほてる機序は?」

赤面症やあがり症や緊張やテンパりの原因は「息を吸うのを忘れる」

上記のような考察をしていたところに、ちょっと異なる角度からの新たな発見は、私はよく息を吸うのを忘れているのだ。

びっくりしたときも、感動したときも、集中したときも、笑ったときも、しゃべるときも、息を吸っていない。だから顔が赤くなるし、そこに加えて「しゃべる」と、もうものすっっっごく大変なことになる。

だって、息を吸うのを忘れていて、息が止まっている状態で、さらに吐息が必要なしゃべる動作が加わるのだから。

たとえば大きなプレゼンやスピーチで、しゃべり出しがうまくいかずに、自分の感覚では「うわ、緊張している!テンパっている!」となってアワワすることがあったが、真因は非常にシンプルであった……!!!!

息が止まっていたのだ。吸えばよいのだ。吸うだけだった。すごい発見だった。

メンタルが緊張の限界を突破しているのではなく、少しの緊張がきっかけで息が止まり、肉体が限界を突破していたのであった。

少しの緊張のときに息を止めなければ(吸えば)、それで済む話だったのだ(もっと早く気づきたかった!)。

息止め発作との関連?

このことに気づいてから、「息を吸うのを忘れる」「息が止まる」という同士がいないか、検索してみたりしている。

子どもだと「息止め発作」というのがあるらしい。私も息止め発作だったのかも。

息止め発作は激しく泣いたあとに息を吐き切ったまま吸えなくなり、チアノーゼ(顔が青くなる)や顔面蒼白を起こし、ときにはけいれんや意識消失に至る。これは乳幼児の最大5%に見られ、通常5〜7歳までに自然消失する良性の現象とされている。

息止め発作のメカニズムとしては、息を吐いたまま止まることで酸素の取り込みが減り、自律神経の反応を介して心拍が遅くなり、脳への酸素供給と血流が低下して発作が起きると考えられているそう。

「息止め発作」は小児科の領域として扱われるが、Inagaki et al.(2004)の報告では、若年成人で身体表現性障害の一症状として息止め発作が確認された症例も存在する。小児期に自然消失するとされる息止めの癖が、形を変えて大人の緊張場面に残っている可能性はゼロではないだろう。

Leung AKC, et al. Breath-Holding Spells in Pediatrics: A Narrative Review of the Current Evidence. Curr Pediatr Rev. 2019; 15(1): 22-29.Inagaki T, et al. Breath-Holding Spells in Somatoform Disorder. Int J Psychiatry Med. 2004; 34(3): 201-213.

とにかく息を吸っている

とにかく、いまは息を吸っている。世間では息を吐くことの大切さをみんな言っているが、私は息を吸う。

私のようにそもそも息を吸うのを忘れるタイプには、「吐く」のアドバイスは逆効果だった。

「呼吸筋は主に息を吐くための筋肉であり、息を吐いて弛緩すれば、自然に空気が入ってくる」というのは、医学的にはそうだ。けれど、これは「自然に息を吸える人」向けの手法なのだと思う。意識しないと息が吸えない人間が、息を吐いたら、もっと酸欠になってしまう。

緊張で体がガチガチに固まっているとき、その「自然に息を吸う」が機能しない人間がいるのだ。

プレゼン前、会議の発言前、面接の入室前。深呼吸をしようとして「まず吐いて〜」と始めるのをやめる。

「吸って、吸って、吸って!」

だ。緊張する前のシーンこそ、めいっぱい吸い込んで、酸素パンパンでそのシーンをスタートする。すると、あがらないのだ。

目次