もうすぐ美白シーズンがやってくる。美白に取り組む前に、まずは敵を知ろう。
シミ・くすみができる理由は何だ?
人の体に現れる現象には、かならず理由がある。シミやくすみも、体を守るための防御反応として、必要だからそうなっているわけだ。
メラニンさんは本当はイイ奴
シミの原因が「メラニン色素」ということは、多くの人が知っている。メラニン色素は、黒色の色素だ。
メラニン色素を目の敵のようにしている人も多いけれど、メラニン色素も、目的があってやっている。あいつは本当は、イイ奴だ。

もしメラニンがなかったら、紫外線が肌細胞のDNAを直撃して、深刻なダメージを引き起こす。最悪の場合は、皮膚がんのリスクまで高まってしまう。
メラニンは自らの黒い色素で紫外線を吸収し、細胞の核を帽子のように覆って守っている。いわば体内に備わった”天然の日傘”のようなものだ。
だから、「メラニン=悪」と決めつけるのは少し違う。問題は、メラニンが「過剰に作られる」あるいは「排出されずに居座る」状態なのだ。
紫外線を浴びた肌で起きていること
紫外線を浴びた肌では、こんなことが起きている。

- 紫外線が肌に到達する。
- 表皮細胞であるケラチノサイト(肌表面の約90%を占める細胞)が危険を感知し、「メラニンを作れ!」と指令物質を放出する
- 指令を受けたメラノサイト(色素形成細胞)が活性化する。
- メラノサイト内で、チロシナーゼ(メラニン合成に関わる酵素)がはたらき、アミノ酸のチロシンからメラニン色素が量産される。
- 作られたメラニン色素が周囲のケラチノサイトに受け渡され、肌に沈着する。
「美白」を叶えるために、このステップを理解していることは、とても有益。
シミ・くすみができる原因
健康な肌であれば、メラニンはターンオーバー(肌の新陳代謝)によって約28日周期で表面に押し上げられ、垢として自然に剥がれ落ちる。つまり、生成と排出のバランスが保たれていれば、シミにはならない。
ところが、そのバランスが崩れるとシミ・くすみが発生する。崩れる原因を分解すると、以下のようになる。
- 紫外線を過剰に浴びた(メラニンの大量生成を誘発)
- ケラチノサイトからの指令が過剰に出続けた(炎症・ホルモンバランスの乱れなど)
- メラノサイトが異常に活性化した
- チロシナーゼの活動が活発になりすぎて、メラニンが大量生産された
- ターンオーバーが遅れて、メラニンが排出されずに肌に居座った(加齢・乾燥・ストレスなどが原因)
ここで、今月のVoCEに、分かりやすい美白のアプローチ図が掲載されていたので引用する。
VoCE 2017年4月号 | P113
この図のとおり、
- メラニンの発生指令を阻害する(ケラチノサイトへのアプローチ)
- メラニンの生成をブロックする(メラノサイト・チロシナーゼへのアプローチ)
- メラニンの受け渡しを阻害する(メラノソーム移送の抑制)
- できたメラニンを還元して淡色化する(酸化型メラニンを還元型に戻す)
- メラニンの排出を促進する(ターンオーバーの正常化)
と、それぞれの段階別にできるアプローチが違う。
「美白化粧品を使っているのに、なかなかシミが消えない」という人は、今自分は何にアプローチしているのかを明確にしたほうが良い。
美白コスメの使い方を間違えるとまったく効果ナシ
例として、
- ちょっと紫外線を浴びただけでシミができてしまう
という人と、
- シミが長期的に消えない
という人では、アプローチすべき段階が違う。
前者だったら、メラニンが発生しやすいということだから、発生原因を阻害したり発生をブロックしたりするアプローチが有効。
後者だったら、メラニンが代謝されずに肌に残っているということだから、メラニンを還元・分解・排出するアプローチが有効。
ここを間違えると、どれだけ高い美白コスメを塗り続けても、残念ながら効果は出ない。すでにできてしまったメラニンを代謝すべき状況なのに、新たなメラニン生成を防ぐアプローチだけを続けても、今あるシミは消えないのだ。
美白コスメを使うなら、その有効成分を確認して、効かせたい段階に意図的に効かせるように選択するといい。
では、具体的にはどの成分がどう効くのか?という点については、次の記事で詳しく紹介する。
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