メラニンができてしまったら、さっさと処理するのみ!
メラニンができてしまったらスピード勝負
前回までの記事で、紫外線を浴びないようにしたり、メラニン生成の合図が送られないようにしたり、メラニンの生成を邪魔したり……、といろんな手法を紹介してきた。
それでもメラニンができてしまったとき、どうすれば良いか?
ここからは、とにかくスピード勝負になる。メラニンが、肌に定着して「色素沈着」の状態になると、なかなか排除するのが難しくなるからだ。
メラニンの対処法は、大きく分けて、次の2つだ。
- メラニンの黒色を透明にする
- メラニンを肌から排出する
順番に説明していこう。
メラニンの黒色を透明にする
メラニンは、言うまでもなく「黒色」をしている。
でも、最初から黒いわけではない。酸素と結び付いて「酸化」すると、黒くなるのだ。
だから、メラニンと結び付いている酸素を離して、メラニンが酸化する前の状態に戻せば、「透明」に戻る。
この作用のことを「還元」という。
美白用語を調べているときに、「メラニン還元」という言葉を見たことがあるかもしれない。
これは、
- 酸化したメラニンから酸素を除去して、メラニンを透明に戻す
という意味だ。
メラニン還元作用のある成分とは?
メラニン還元作用のある成分として代表的なのは、
- ハイドロキノン
- ビタミンC
の2つ。しかし、ハイドロキノンは「超わかりやすい美白解説(4)第3段階:メラニンの邪魔をする」の中でも触れたように、気軽に手を出すのは危険な成分。
「肌の漂白剤」と言われるほど、強い還元作用を持つので、必要以上にメラニンを透明化してしまい、肌の色が抜けてしまうリスクがあるのだ。
だから、おすすめは、安心して使えるビタミンCのほう。
飲む化粧品でも飲むサプリメントでも、ビタミンCをどんどん取ろう。
私自身、紫外線を浴びる前後には1日2000〜5000mgものビタミンCと、高濃度ビタミンC美容液を欠かさないようにしている。
ビタミンC美容液を使う場合の注意事項
ただし、高濃度のビタミンC美容液を使う場合は、注意事項がある。それは、
- 塗ったあとに直射日光を浴びない
ということ。ビタミンCが直射日光と反応すると、逆にシミの原因となるリスクがあるのだ。
だから、ビタミンC美容液は夜に塗ろう。
メラニンを肌から排出する
次に、メラニンを肌から排出する方法について。
メラニンは、ずっと肌の中に居座っているわけではない。
メラニンを含んだ肌細胞は、徐々に古くなって、やがて肌の表面からはがれて、角質(垢)となっていなくなる。
ただ、この肌の生まれ変わりのサイクルが、加齢などによって遅くなっていると、メラニンが肌内部に滞在する時間が長くなる。
すると、そのまま色素沈着してしまうリスクが高くなるので、要注意。
この生まれ変わりのサイクルのことを、「ターンオーバー」と呼ぶのだけれど、ターンオーバーを正常化させる試みが役に立つ。
ターンオーバー正常化(肌の新陳代謝)を整える成分
プラセンタ
「プラセンタ」は「胎盤」という意味。胎児を育てるために必要なあらゆる栄養素が詰まっているから、肌のターンオーバーを整えるために活躍する。
AHA
AHAは、ピーリング作用がある成分。
肌の表面に古い角質がたまったままになっていると、いつまでたっても新陳代謝が進まない。
表面の古い角質をはがす作用があるAHAは、ターンオーバーを整える上でおすすめの成分。
メラニン発生後、1〜2ヶ月が勝負
ターンオーバーは、健康な肌の人で28日程度、加齢の影響などで長い人ではその倍程度かかる。
このターンオーバーが一巡する間に、メラニンをうまく排出できるかどうかがひとつの勝負所。
- 日焼けしちゃった!
なんてときは、その後2ヶ月くらいは、徹底的にメラニン還元&排出に励んだ方がいい。
まとめ
全4回のシリーズの最終回。
そろそろ冬が終わり、春がやってくると、紫外線のこと、シミのことが気になる季節。
漠然と対策するのではなく、肌の理論に従って対策すれば、効率的に美肌をキープすることができる。