育毛剤の成分「ミノキシジル」を犬や猫などのペットがなめると、心不全を起こし命に関わるリスクがある。
過去に「オーストラリアで飼い主の頭をなめた猫が心不全になる」という出来事があった。
ペットを飼っている人は誤飲事故に要注意。
ミノキシジルは降圧剤から転用した薬
ミノキシジルは発毛・育毛効果が高いと人気の成分だが、もともと降圧剤として開発された薬。
詳しい解説は、下記の医師の記事に詳しい。
ミノキシジルは、
- 血管拡張薬
- ヒトが飲んだ場合、心臓系の副作用のリスクあり
という薬だ。
服用している人の中で、毛が濃くなったり増えたりする人が多かったため、育毛剤へと転用された。
育毛剤が塗られた飼い主の頭をなめた猫が心不全に
2008年8月13日に、オーストラリアで飼い主の頭をなめた猫が心不全になるというニュースがあった。
オーストラリアでペットの猫が飼い主の頭に塗られた育毛剤をなめて瀕死(ひんし)の状態になったことを受け、獣医師らは13日、人間の使う育毛剤が動物に与える危険について警告した。
猫の「ルナ」はふざけて飼い主の頭をなめているうちに高血圧の治療薬として使われるミノキシジルを含んだ育毛剤を摂取。心不全を起こし、生死の境をさまよった。
ルナを治療したシドニーの獣医、ケン・コックウィル氏はシドニー・モーニング・ヘラルド紙に対し、育毛剤に含まれる成分が「猫はもちろん犬に対しても有害となる可能性があることを認識したほうがいい」と述べた。
オーストラリアの猫、飼い主の育毛剤なめて生死さまよう | ロイター
記事内で心不全になってしまったのは猫だが、
- 「猫はもちろん犬に対しても有害となる可能性があることを認識したほうがいい」
とコメントされており、犬猫をはじめとしたペット全般に注意が必要。
飼い主を大好きなペットが、ペロペロなめた結果、生死をさまようなんて、想像しただけで胸が痛い。
ミノキシジルが配合されている育毛剤とは
ミノキシジルが配合されている代表的な育毛剤は、
- スカルプD
- リアップ
などがある。AGAクリニックで処方されることも多い。
ミノキシジル入り育毛剤を使う場合の注意事項
ペットと暮らしているがミノキシジル入りの育毛剤を使いたい場合、細心の注意が必要だ。
- 育毛剤を塗った後は必ず手を洗う
- 頭をペットに触らせない・なめさせない
- ペットと寝室を別にし寝ている間に頭をなめられないようにする
- 育毛剤はペットがいたずらできない場所へ毎回必ずしまう
自分は使っていなくても、家族がミノキシジル配合の育毛剤を使っていないか、再確認した方が良い。
使っている場合は、使った後の手洗いの徹底や髪の毛をなめられないように注意するなど、共有しておく。
なお、何かあってからでは遅いので、
- そもそもミノキシジル入りの育毛剤は使わない
という選択肢も大いにありだと思う。