家族のうつ病の負担がしんどい…心労で限界なとき「うつ病は、うつるから、気を付けてください」

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ちょっと勇気を出してこの記事を書いている。

「うつ病は、うつるから、気を付けてください」

当事者、経験者として

本題を書く前に、私の立ち位置について触れておく。

このブログで詳細を書く予定はない。ただ、私自身は、ごく近い身内複数の「重度のうつ病」の闘病(およびその最悪な結末)と、自分自身のメンタル的な闘病の経験者だ。

だから、この記事は、経験談として書いている。

うつ病やメンタル的な病気に関して、経験もなく適当に書いている記事ではない。しかし、かと言って、イチ経験者として書いているものなので、すべてのケースにおいて当てはまるとも言えない。

その前提の上で、お読みいただければと思う。

うつ病の人を支えるのは、生半可なことではない

春が近くなった。自殺者が増える時期だ。

自殺予防のポスターを、頻繁に見掛けるようになった。

  • 適切な声掛け
  • ひとりにしない
  • 支え合う気持ち

それが大切なのは、重々、分かっている。ただ、ごく身近な家族やパートナーとしてうつ病患者の闘病を戦うことは、生半可なことではない。

多くの人が、引っ張られて、自分もメンタルに支障を来してしまう。

それでも、

  • 家族なんだから
  • 見捨てられない
  • 私ががんばらなければ

と、踏ん張り続けてしまう人が、なんと多いことか。

闘病が始まって、数ヶ月〜1年くらいは、まだ「愛情」をもとに、夢中で支えることができる。

しかし、それが、2年、3年と続いていくうちに、支えるほうの心身も、弱っていく。

精神疾患の場合、体の病気と違って、周囲に打ち明けずに隠すことも多い。誰にも話せない。

孤独で、誰にも相談できず、「私ががんばるしかない」という途方もない思い。

家族の中で、健康で愛情深い一人が、すべてを背負い込んでがんばってしまう。その人にケアが必要なことは、誰も気付かない。

特に大変なのが自殺願望がある時期の看病

特に大変なのが、自殺願望がある時期の看病だ。

目を離した隙に死なれてしまいそうで、24時間、気が気ではない。

突然、失踪して行方不明になってしまうこともある。

慌てて交番に駆け込むが、自分の意志で失踪した場合、警察は動いてくれない。警察は、事件性があって初めて、動いてくれるのだ。

警察では、「家出人捜索願」というものを書くが、捜索はしてくれない。何かあって身元が判明したときに、すぐに連絡が来るようには、なるらしいが。

だから、うつ病患者が失踪したら、自分で探すしかない。写真を持って、行きそうなところを回って、知らない人に聞き込みをして……。

ニュースで電車が人身事故で止まっていると流れる度に、ドキッとする。

こんな毎日では、看病するほうの神経がすり減っていくのも、当然だ。

うつ病患者から逃げるしかないこともある—例え家族でも

これを読んでいる人の中に、「もう限界だ」という人がいるかもしれない。だから、あえて言いたい。

本当に「どうしようもない」とき、

  • 逃げる

ことも、選択肢のひとつだ。

  • 「そんなのは愛情がない人がすること」
  • 「人でなし」
  • 「私には見捨てるなんて絶対にできない」

やさしい人ほど(あるいは家族との愛憎関係がこじれている人ほど)、そんな思いが脳裏をよぎるけれど、

  • 自分が安全な場所にいないと、誰のことも助けられない

のだ。

一番、避けなくてはいけないことは、「共倒れ」だ。

どうしようもなくなって、「心中」を考えるなら、もう自分もメンタルの病気に足を突っ込んでいる。

逃げて欲しい。自分を救って欲しい。

「そうしてもいいんだ」ということを、頭の片隅にでも置いて欲しい。

どうやって手を差し伸べるべきか?

では、自分のメンタルを守りつつ、うつ病患者を支えていくためには、どうすれば良いのだろう。

第一に重要なのは、

  • うつ病はうつる

という認識を、ハッキリと強く持つことだと思う。

例えば、家族が、感染力が強く命を落とす危険もある病気になったら、ノーガードで近づく人はいない。

マスクをしたり、手袋をしたり、うがい手洗いを徹底したりするはず。

それと、うつ病患者は同じなのだ。

もしかすると、

  • うつ病患者を病原菌みたいに言うなんてひどい

と、気分を害する人もいるかもしれない。

けれど、「うつ病はうつる」と知っているだけで救われる命が、たくさんあるように思えてならない。それは、うつ病患者自身にとっても。

うつ病は、感染力も高いし、死亡率も高い。だから、予防が必要なのだ。

うつ病はうつるから、心のマスクと手袋をして接してください

うつ病はうつるから、家族であっても、無防備に接するのはおすすめしない。

しっかり、心のマスクと手袋をして、ある一定の距離を持って接したほうが良い。

  • そんなのかわいそう

と思うかもしれないけれど、自分までうつってしまったら、誰のことも助けられなくなる。

彼らがいうことを、すべて真に受ける必要はないし、いちいち取り合わなくてもいい。

自分の感情を生身でさらさずに、マスクと手袋をして、鈍感にさせるイメージを持ってください。

そして、接した後には、

  • うがい・手洗い

をしてください。これは、人によっては、気分転換できる趣味や、リラックスできる時間を持つことかもしれない。

あるいは、「うつるかも」という危機感があるのなら、事前に専門家のカウンセリングを受けることなども、うがい・手洗い効果がある。

とにかく言いたいことは、

  • うつ病はうつるから、丸腰で挑んではいけない

ということ。その認識があるだけで、長い闘病生活の戦い方が、ずいぶん変わるのではないかと思う。

最後に

記事内では、きつい表現をしてしまったところもある。私は、この記事を、過去の自分に向けて書いた。

無防備すぎて、純粋すぎて、家族を、救えなかった自分へ。

そして、同じように苦しむ人が、少しでも減ってくれたらという願いを込めて。

追記(2017/11/26)

この記事を書いてしばらく経った。

今日、自分が家族を支える側の立場にいて限界だったとき、どうすれば良かったのかな、と考えていた。

  • 「もっと、他人を頼ればよかった。」

と、ぽつりと思った。

今振り返れば、本当に閉ざされた空間の中で、孤軍奮闘していた(それが、家族という特殊なコミュニティの特徴でもあるかもしれない)。

いろいろなことが終わったあとに、

  • 「そんなことになっているなんて、知らなかった」
  • 「そうと知っていたら、できることはあったかもしれないのに」

という人が、複数いたから。

渦の中にいるときは、「その人たちに知らせるなんてとんでもない」としか思えなかったその人たちに知らせていたら、何か変わっていたのかもしれない。そのときは、まったくそうは思えなかったけれど。

もしあの頃の自分を助けるとするなら、

  • 「使えるものは全部、徹底的に使ってやれ」

という意識になってみてはどうか、と伝えたい。そしたら、また、違った道は、あったのかもしれない。

ただ、私はいま、いろいろなことを終えた立場にいるけれど、後悔はない。もっとよくできたかもしれないけれど、私は、精一杯にやった。それは、この記事をここまで読んでくださったあなたも、絶対にそうだ。

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