私は、エステやらジムやら、低価格から高価格まで含め、いろいろな体験をしている。
その中でも、まあ大きめの体験が、ライザップ(RIZAP)に通ったということ。
おなじみのコレ↓
ライザップの実体は「厳しい糖質制限」と「パーソナルトレーニング」
「ライザップ」という語感良く覚えやすいネーミングと、ビフォーアフターを視覚化した芸能人CMのイメージから、
- 「ライザップ=画期的な新しいダイエット」
というイメージを持っている人は、多い。
実体はシンプルで掛け合わせたアイディアが新しい
ただ、実体はシンプル。
- 糖質制限(一日の糖質50g以下の厳しめ)
- パーソナルトレーニング(週2回)
を組み合わせたものがライザップ、というだけ。どちらも既存のものだ。
「ライザップの新しさ」「ビジネスとしての成功点」というのは、この2つのトレンドを掛け合わせたアイディアにあるのかもしれない。
ライザップのダイエットは自分でもできる
端的にいえば、ライザップの中身は「糖質制限」と「筋トレ」だ。特別なことはない。無料で今すぐ自分ひとりでできる。
筋トレを自分でやれないのなら、近所のジムでパーソナルトレーナーを付ければ、ライザップよりはるかに安い。
食事制限に関しては、ライザップ専用のスマホアプリがある。そこで「徹底的に食事を管理される」というのが、自分ひとりで行う糖質制限との違い。
- 「ひとりでやると甘くなってしまう」
という人には管理してもらうメリットがあるだろう。
ただし、そもそも糖質制限というもの自体が、最初の2~3日(遅くとも1週間)さえ耐えれば、誰でも容易に継続しやすいということは、知っておいた方がいい。
糖質制限は食事制限の中でも継続しやすい食事方法
糖質は、摂らなければ摂らないほど、自然と体が欲しなくなる。食欲自体が薄くなっていく。
一度それを体感すると、糖質への食欲を復活させたくないという気持ちが生まれる。それが自ら進んで糖質制限を継続するモチベーションになる。
さらに、糖質制限は、体への影響を実感できるまでのスピードが早い。2~3日だけでも糖質カットを厳格に実行すれば、
- 素早い体重の減少(主に糖質と結び付いていた水分排出によるもの)
- 頭の回転の良くなり体が軽くなった感覚
が、クリアに感じられる。
糖質は3倍量の水分と結び付く。糖質制限すると水分が抜けるので、最初の数日で体重計の数字がガクンと減るのだ。
「脂肪が減った」という意味での「痩せた」とは違うのだが、この体重減で、
- 「体重が減った!糖質制限は痩せる!」
と気持ちが盛り上がる。そして、体重が減り始めると「ここまでの努力を無駄にしたくない」という思いがプラスされるものだ。
さらに、今まで糖質依存で体のだるさを抱えていた人は、糖質を抜いたことで、頭の回転が良くなり体が軽くなったような感覚を憶える。
糖質制限で糖質由来の食欲を消滅させ、体重減の快感を体験し、心身への好影響を実感すれば、おのずとモチベーションはアップする。一人でも糖質制限生活の継続は難しくない。
ライザップで糖質制限が継続できるのは、ライザップのおかげというよりも、そもそも糖質制限は一度始めてしまえば継続しやすい食事法なのだ。
(ちなみに、難しいのは、「糖質制限を続けること」ではなく「糖質制限を終わらせること」なのだが、その部分について、ライザップはまったくフォローアップがない点は、問題だと感じる)
ライザップのイメージにとらわれず分解して考えてみる
「ライザップ」を何かすごいもののようにイメージせずに、
- 「糖質制限という食事方法」
- 「パーソナルトレーニング」
のふたつに分解すれば、ライザップに行かなくても、同じダイエット効果を得ることはできる。
リバウンド率7%のカラクリ
ライザップは「リバウンド率7%」という訴求をしていたことがある。これはうのみにしない方がいい。
「プログラム終了後1ヶ月後のリバウンド率」という意味だからだ。
1ヶ月後の測定でリバウンドしていない判定
ライザップでは、全16回(約2ヶ月)のプログラム終了後、「メンテナンス」という名目で、1ヶ月後に来店させられる。
プログラムが終了してから、メンテナンスで来店するまでの1ヶ月間は、自分で体重をキープするよう指導される。
この1ヶ月の間にリバウンドする人は、非常に少ない。
なぜなら、あらかじめ1ヶ月後に体重測定が待っていることがわかっているから。それが目標になるし、そもそも、たったの1ヶ月だ。
体重が増えたとしても、たかが知れている。
このメンテナンスで来店したときに、再度、体重測定が行われる。プログラム終了時の体重より大きく増えていなければ「リバウンドなし」と判定される。
問題は最後の測定が終わった後
しかし、問題はその後だ。メンテナンス日まではキープしていても、その後にたがが外れてリバウンドする人は多い。
周囲に3名、ライザップ経験者がいるが、卒業時よりも明らかに体重増となっている。その追跡調査を、ライザップは行っていない。
メンテナンスで最後に来店して以来、私のところには、一度もライザップから連絡は来ていない。私がリバウンドしたかどうか、ライザップは知るよしもない。
もともと普通体型の人は痩せない
私はもともと痩せ型の方だが、ライザップ前後で、ほとんど体重は変わらなかった。
糖質制限を使ったダイエットは、肥満体型の人にとっては効果てきめんだ。2ヶ月でおもしろいように体重が減少することは多い。10kg・20kgもざらではない。
しかし、女性にとっては普通体重では不満で、普通体重から美容体重・モデル体重へのダイエットを目指している人も数多くいると思う。
もちろん、体重だけが美しさの指標ではないことを踏まえた上で、そういったダイエットを目指す人は、ライザップに期待しすぎない方が良い。
ライザップを利用しながらも、さらにその上を自分でいくストイックさがないと、ライザップで美容体重・モデル体重は目指せない。
最初のカウンセリングでも釘を刺された
ライザップでは、最初に無料カウンセリングを受ける。カウンセリングルームで、黒い制服を着た女性のカウンセラーが担当だった。
このときに、どれくらい減量したいかや、芸能人やモデルでどんな人を目指したいかなど、カウンセリングシートに書いた内容をもとに、ヒアリングされた。
現在の体重や目標体重を書いたが、そのときに、低体重な数字を書いたら「2ヶ月では難しい」という言い方で釘を刺された記憶がある。
パーソナルジムとしての質は専属トレーナーによりけり
パーソナルジムとしてのライザップを考える場合、その質は、「当たった専属トレーナーによる」としか言いようがない。
レベルの高いトレーナーに当たれば良いトレーニングができるし、逆もまた然り。
聞いた話では、ライザップはレベルが低いトレーナーも多いとのこと。トレーニングにこだわりがある人は、要注意。
トレーナーの希望は、カウンセリングのときにある程度可能なので、しっかり伝えておくといい。
「女性がいい」「男性がいい」という希望の他、キャリアについてもダメ元で伝えておけば考慮してくれるはず。
コース内容は週に2回✕7週+カウンセリング2回
回数は、プログラムでは〈1回50分×16回/2ヶ月〉となっている。
ただ、実際には1回50分セッションの中には、身体計測や、その結果をもとにした食事制限・生活方針をトレーナーと相談する時間も含まれる。50分みっちり運動するわけではない。
回数も16回プログラムレッスンとなっているが、そのうち、2回はカウンセリングデー。トレーニングなしで、カウンセリングルームでカウンセラーと話をする日だった。
トレーニング内容に要望があれば、このときに話をすることができる。
余談:計測結果で重視するのは体脂肪率・筋肉量
ちなみにライザップで重視しているのは「体脂肪率・筋肉量」。おそらくトレーナーも、客の体脂肪率や筋肉量が評価基準になっているのでは?と思う。
体重が増えても注意されないが、体脂肪率が上がっていると、しつこく食事内容を指導された。
高級ジムとして使うには施設がしょぼい
高級ジムとして優雅に通いたい、という人にとっては、ライザップの施設はしょぼいのでおすすめできない。
すれ違うのも大変なほど狭いロッカールームで、小さなシャワールームが1つあるだけだったので、シャワーを浴びずにそのまま帰る人も多かった。
デザインは高級そうに作ってあるが、1部屋でも多くトレーニングルームを作るように、無駄はできるだけ省いている印象を受けた(その結果、ロッカールームは極小だった)。
トレーニング部屋は隣の声が丸聞こえ
トレーニング部屋は個室ではあるが、隣の部屋の声が丸聞こえの状態(逆もまたしかり)。
トレーナーがカウントする声や、追い込み終わった後の拍手でたたえる声、トレーニングしている人から漏れる声などなど、聞こえていた。
ライザップに通ったことを後悔しているか?
最後に、ライザップに通ったことについて振り返ってみると、通ったこと自体は、後悔していない。
流行ものを体験してみるという目的が果たされたし、パーソナルトレーナーを付けるとこういう感じなのか、というのが分かった。
ただ、他の人におすすめするかというと、微妙だ。
誰かを紹介すると、5万円分のライザップの金券がもらえる。が、もらったところで、またライザップに行きたいと思わないし。
糖質制限が自分でできる人は、普通のジムで、自分に合うパーソナルトレーナーを付けた方が良い。
というか、糖質制限は、1冊本でも買って読んだら、たぶん誰でもできる。500円の漫画本でも十分だ。
私はライザップをやる何年か前から自分で糖質制限していたので、ライザップのトレーナーの知識力には物足りなささえ感じた。
「専門家から食事指導を受けられる」というのは、ライザップの初期には魅力的だったかもしれない。が、糖質制限の情報があふれている現在は、状況が違う。
このブログにも、糖質制限関連の記事はいくつかある。良かったらご参考に(⇒【糖質制限】の記事一覧はこちら)。
自分で試してどうしてもできなかったら、ライザップの戸をたたくのは良いかもしれない。
また、今までにいろいろなダイエットを失敗してきたり、絶対に達成しなければならない期限があったりして、
- 大金を支払い後に引けない状況を作る
という意味では、ライザップは非常に役立つと思う。
安くない金額を支払うことで、それを無駄にしたくない、無駄にしてはいけないという思考が働くことは、ライザップの最大のメリットだろう。
事後談:3年キープしている人は筋トレに目覚めた人
ここから追記。ライザップが世間でも私の周囲でも流行してから4〜5年が経った。
ライザップに通っていた身近な人たちで、締まった体をキープしている人は、少ない。
「2ヶ月単発、短期間勝負」で、卒業した後は放り出すシステムなので、そうなってしまうのも、無理はないかな……という感じ。
ひとり、ライザップが終わった後、普通のジムに移動してトレーニングを続け、筋肉質な体を作った人はいる。
「これが最初からできてれば、高いお金を出してライザップに通わなくて済んだのに」と笑っていた。
入会金・コース料金の高さをどう捉えるか?
ふと、「今もライザップの料金体系は変わらないのかな?」と思った。
公式ページを確認してみたら、入会金・コース料金の金額は、下記の通りだった。
ボディメイクスタンダードコース(1回50分×16回/2ヶ月)の場合
入会金 50,000円(税別) コース料金 298,000円(税別) 合計 348,000円(税別)※料金に含まれるもの:週2回のウェイトトレーニング、トレーニングウェア・タオル貸出、アメニティ・ミネラルウォーター提供、食事指導
お支払い例:60回(60ヶ月)払い 頭金 0円の場合
初回お支払額(1回)10,704円
月々お支払額(59回)9,900円
お支払総合計 594,804円
支払の回数及び期間:最大60回払い(最大60ヶ月)
実質年率:19.8%
【RIZAP】公式サイト
私が通っていたときとの違いとして、「月額9,900円から通える」とアピールされている。が、月額9,900円の分割払いにすると、なんと総支払額が59万円になってしまう。
一括払いした場合は、約35万円。これで2ヶ月間限定で打ち上げ花火的にがんばるよりも、同じお金をかけて月1.5万円のジムに2年通った方が、得るものが大きい気がする。
ちなみに、こういったニーズをライザップ側も把握しているようで、「フィットネス以上、RIZAP未満【暗闇ダイエットEXPA】
」という新しい事業の展開が始まっているようだ。
「ライザップ」というブランドに魅力を感じるけれど、料金が高すぎると感じる人は、ライザップよりも大幅に安いこちらを試すのも手。
ライザップにこだわらない場合は、ライザップと似ているプライベートジムが、大幅な低価格で出てきているので、そちらを試すのも手。
3分の1の価格【Body Impact plannner】
10万円以上安い【エススリー】
アラフォー専門【ac-Fit】
女性専用【ナイアジム】
太ももダイエット専門【ビーコンセプト】
6ヶ月コミット【XSLIM】
1年無料サポート【Belleza】
ライザップで、痩せもしないし太りもしなかった私は、自分のペースでコツコツと、体づくりや調整をする日々。