最近、ちょっと忙しい日々が続いて、深夜、ソファでうたた寝しまうことも多かった。
すると、妙に変な食欲がやってきて、コントロールしづらい状況に。
「困ったなあ」と思っていたところ、雑誌で、睡眠不足と食欲についての研究データを発見。
なぜ「睡眠不足だと太る」のか説明できるか?
「寝る子はやせる」なんて言葉もある。
- ダイエット中は睡眠をしっかり取った方が痩せる
という話は、よく言われることだ。
しかし、
- 具体的に、眠ると痩せるのはどうして?
- 睡眠とダイエットにはどういう因果関係があるの?
という疑問に、明確な答えはなかった。
かろうじて、「代謝が良くなるから云々」とか「成長ホルモンが寝ている間に云々」なんて理由を述べることはできるけれど、説得力としては弱かった。
それが、日経ヘルス2017年5月号に、研究データとして掲載されていたのだ。
睡眠時間が短いと肥満になりやすい理由
日経ヘルス2017年5月号の「Health News Digest」の記事内に、花王と早稲田大学の共同研究の結果が掲載されていた。
睡眠時間が短いと、食欲抑制ホルモンが減少し、食欲が増し、体重増加のリスクが高くなることがわかったそうだ。
健康な男性9人(平均年齡23歳、BMIの平均22.2kg/㎡)が、1日あたり7時間か3.5時間の睡眠で3日を過ごし、4日目は7時間の睡眠をとった。
2週間あけて睡眠条件を交代して3日間過ごした。
代謝測定装置の付いた部屋で、3日目19時から5日目19時までの48時間、エネルギー消費量などを測定。
その結果、睡眠時間が短くなっても1日のエネルギー消費量は変わらなかった。
しかし直腸温(深部体温)は睡眠時間が短くなると有意に低下。
7時間睡眠では平均で36.75℃だが、3時間睡眠は36.68℃だった。
これは「全身のエネルギー消費に関係する体温調整の日内リズムの乱れを示す」と研究者ら。
日経ヘルス 5月号 | P101
なんとなくイメージでは、起床時間が長くなればなるほど、1日のエネルギー消費量は、増えそうに感じる。しかし、寝ていても起きていても、消費量は変わらないそうだ。
それであれば、寝ないと損かもしれない。
また、睡眠時間が短くなると、深部体温が下がるとのこと。ということは、よく言われる「寝不足では代謝が落ちる」を、証明したことになる。
さらに、睡眠時間が短いと、「食欲抑制ホルモン」までも、減少してしまうのだそう。
また睡眠時間の短縮によって食欲抑制ホルモン(ペプチドYY)が減少した。
一方、質問票で尋ねた空腹感と次の食事の予想摂食量は増加していた。
これらのことから、「睡眠時間の長さは、エネルギー摂取と消費のバランスや日内リズムを変え、肥満リスクを高めている可能性がある」としている。(Sci Rep.;電子版Jan.10.2017)
日経ヘルス 5月号 | P101
まとめると
睡眠時間が短くなると、次のことが起きる。
- エネルギー消費量はたくさん寝ているときと変わらない
- 深部体温が低くなる(=代謝が悪くなる)
- 食欲抑制ホルモンが減少する
ということは、やはり、たっぷり寝た方が、ダイエット効果が高いということだ。
ちょうど、12時間寝まくったら、食欲がパタッとなくなってしまった
冒頭で、
- 最近、睡眠不足が続いて、変な食欲に悩まされている
と書いた。ちょうど前述の日経ヘルスを読んだ翌日がオフだったので、泥のように寝まくった。
お昼頃に起き出して、何か食べようと思ったら、
- 「あれ。食べられない。」
ただ寝まくっただけなのに、食欲がパタッとなくなって、食べようと思っても、なんだか食べられない。
ちょっと食べて、すぐおなかいっぱいに。「寝る子はやせる」は、本当だった。