美容効果の高いお酒といえば、「赤ワイン」。選び方次第で、さらにアンチエイジング力を高めることができる。
お酒は適量飲めば「百薬の長」になり得る
「お酒」といえば、「体に悪い」というイメージがある。たしかに、過度な飲酒は心身を滅ぼす。しかし、まったく飲まない人に比較して、適量飲む人のほうが、死亡率が低いというデータも存在する。
イギリスの研究チームが「飲酒量と死亡率」の関係について男女48万7375人を9年間追跡調査したところ、1日1杯飲酒する人が最も死亡率が低く、全く呑まない人に対して27%低かった。
1日1杯飲酒する人の死亡率は低い?イギリスの研究チームが調査 – ライブドアニュース
- 酒は百薬の長
という言葉があるが、実際にそうなり得るのだ。
追記:「少し飲んだほうが健康にいい」という認識は見直されている最中
本記事初出時(2017年)から9年経ち、情報のアップデートがあるので追記する。
近年の研究では、「非飲酒者」のなかに健康上の理由で禁酒した人が含まれていたバイアスが指摘されており、「まったく飲まない人と比べて、適量を飲む人のほうが死亡率が低い」とする研究の信頼性を疑問視する声も強まっている。
2023年にJAMA Network Open誌に掲載されたメタ解析(107件の研究、約484万人対象)では、バイアスを補正すると少量飲酒でも死亡リスクの有意な低下は認められなかったとする結果が示された。
つまり、「少し飲んだほうが健康にいい」という認識は、現在進行形で見直されている最中だ。2024年2月には厚生労働省が「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表し、「飲酒量が少ないほどリスクは低くなる」という方針を打ち出した。
「厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」とASKの方針|特定非営利活動法人ASK」
(2026年2月17日追記)
健康・美容効果が高いお酒は「赤ワイン」
数あるお酒の中でも、健康と美容に効果が高いのは「赤ワイン」だ。
『フレンチ・パラドックス』
フランス人は、動物性脂質を多く取っているのに死亡率が低い。これは、赤ワインを飲んでいるからでは?と考えられている。
フレンチパラドックス(英: French paradox)とは、フランス人が相対的に喫煙率が高く、飽和脂肪酸が豊富に含まれる食事を摂取しているにもかかわらず、冠状動脈性心臓病に罹患することが比較的低いことが観察されていることを言う。
Wikipedia
フランス人は、
- 喫煙率が高い
- 肉やバターなどの動物性脂質をたくさん食べている
それなのに、死亡率が低いのは、
- 赤ワインを飲んでいるからだ
と発表されたのだ。
これが話題になり、多くの人が赤ワインを飲むようになった。
赤ワインが心臓疾患の発生率を減少させることを推定したこのパラドックスの説明が、1991年に米国の「60 Minutes」で放映されたときは、赤ワインの消費量が44%も増加(後略)
Wikipedia
赤ワインに含まれるポリフェノールの抗酸化力が美容に役立つ
アンチエイジングの基本は、「抗酸化」にある。
老化の正体をひと言でいえば、体内で発生する活性酸素が細胞を酸化させ、ダメージを蓄積させる現象だ。この酸化を抑える力=抗酸化力が、若々しさを維持するカギとなる。
赤ワインにはポリフェノールが豊富
赤ワインには、強力な抗酸化成分であるポリフェノールが豊富に含まれている。
白ワインとの違いは製法にある。赤ワインはブドウの果皮や種子ごと発酵させるため、果皮に多く含まれるポリフェノールがワインに溶け出す。白ワインは果皮を取り除いて製造するため、ポリフェノールの含有量が赤ワインより大幅に少なくなる。
この差が、赤ワインを「アンチエイジングドリンク」と呼ばせる根拠になっている。
美肌効果を狙って、抗酸化作用のある成分が配合されたスキンケア化粧品を使っている人も多いと思うが、赤ワインでも抗酸化ができるのだ。
ポリフェノールの中でも「レスベラトロール」に注目が集まっている
ポリフェノールとひと口にいっても、その種類は数千にもおよぶ。カテキン・アントシアニン・タンニンなど、さまざまな成分がある。
そのなかで、近年とくに注目を集めているポリフェノールは、「レスベラトロール」。レスベラトロールは黒ブドウの果皮に多く含まれるポリフェノール。アンチエイジング力がとても高い。
長寿遺伝子サーチュインを活性化させるレスベラトロール
『ハーパーズ バザー 2017年5月号』では、ワイン通のアンチエイジングドクター、横浜クリニックの青木晃氏が、下記のように語っている。
レスベラトロールは、長寿遺伝子サーチュインを活性化させるということがわかってきています。
今なお研究途上ですが、レスベラトロールは強力な抗酸化作用と抗炎症作用を持つ物質で、動脈硬化予防、抗がん作用、糖や脂質の代謝改善、メタボリック改善、認知症予防、美肌効果などが臨床研究で確認されてきています。
ハーパーズ バザー 2017年5月号 | P259
サーチュイン遺伝子とは、1999年にマサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ教授が発見した遺伝子群で、通常は眠っているが、カロリー制限などの特定条件下で活性化し、老化を抑制するはたらきがあるとされている。
レスベラトロールをたくさん含む赤ワイン品種の選び方
赤ワインのアンチエイジングパワーを知ったら、もうビールなんて飲んでいられない。美を求めるなら、ひたすら赤ワインにシフト。どうせ飲むなら、できるだけ効果が高い赤ワインを選びたいもの。
チリ産のカベルネ・ソーヴィニヨンがおすすめ
前述の『ハーパーズ バザー 2017年5月号』によれば、レスベラトロールをはじめとするポリフェノールを豊富に含むブドウ品種は、
- カベルネ・ソーヴィニヨン
- ネッビオーロ
- タナ
の3品種だそう。
カベルネ・ソーヴィニヨンは、世界で最も広く栽培されている黒ブドウ品種だ。小粒で果皮が厚く、種子の割合が高いため、ポリフェノールの含有量が非常に多い。スーパーやワインショップでも手に入りやすく、コストパフォーマンスにも優れている。美容目的で赤ワインを選ぶなら、最も現実的な選択肢。
ネッビオーロは、イタリア北部ピエモンテ州原産の高貴な品種。「ワインの王」と称されるバローロの原料として知られ、タンニンが非常に豊富だ。ただし、入手性や価格面ではカベルネ・ソーヴィニヨンよりハードルが上がる。
タナは、フランス南西部マディランが主産地の品種。タンニンの含有量が極めて高く、渋みの強いワインを生む。日本ではやや馴染みが薄いが、ポリフェノールの宝庫として知る人ぞ知る品種である。
また、
- フランス産 < チリ産
のほうが、活性酸素除去能力が高いとのこと。
今年のお花見は、
- チリ産のカベルネ・ソーヴィニヨン
を持って、出掛けよう。
ただし、レスベラトロールの研究はまだ発展途上だ。動物実験で得られた結果がそのまま人間に当てはまるとは限らない。効果を過信して赤ワインを大量に飲むのは本末転倒である。あくまでも「適量の赤ワインを楽しむなかで、ポリフェノールの恩恵を受けられる可能性がある」という位置づけでとらえることが大切。

