ほとんどの虫除けスプレーには「ディート(DEET)」という成分が配合されている。
この成分、ちょっと注意が必要なのだ。
調べたきっかけは猫が虫除けスプレーした足を舐めたこと
「ディート(DEET)」なんて、今まで気にしたことはなかった。
調べたきっかけは、虫除けスプレーをした足を、猫がペロリと舐めてしまったこと。
虫除けスプレーをしたのは朝。猫が舐めたのはその12時間後。
ペロペロ執拗に舐めたわけでもなく、ひと舐めしただけで、虫除けスプレーをしてから時間も経っていた。
しかし、念のため虫除けスプレーのメーカーに問い合わせた結果、その程度ではまず問題ないという回答を得ることができた。
ただ、その際いろいろ調べたところ、虫除けスプレーに使用されている「ディート(DEET)」という成分は、注意が必要なことがわかった。
虫除けスプレーの効果は、ディートの配合率で決まる
虫除けスプレーによって、
- 効果が長持ちする
- 肌にやさしい
- 赤ちゃんも使える
など、いろいろな特長が謳い分けられているが、それは、
- ディートの配合率
を根拠にしていることが多い。
このディートは、まれに体への影響があることが報告されている。以下、国民生活センターから発表されているデータから抜粋。
虫刺され防止のため、直接肌に付ける「虫よけ剤」には忌避成分としてディートが配合されている。ディートは一般的には毒性が低いとされているが、まれに体への影響があると報告されている。
虫よけ剤-子供への使用について- (発表情報)_国民生活センター
「虫を寄せ付けない」という効果があるのだから、感覚的にも、体に良くなさそうなことは想像できる。
そんなわけで、ディートは配合上限30%と決まっている(以前は12%までだったが2016年から規制緩和された)。
例えば、スキンガードのシリーズでは、一番効果がやさしいとされる「スキンガードアクア」は、
- [有効成分] ディート濃度5.0%(0.044g/mL)
と記載がある。
一方、効果が長時間持続するとされる「スキンガードエキストラ」は、
- [有効成分] ディート 原液濃度9.75%(0.080g/mL)
と記載がある。
- 「虫除け効果ができるだけ強いものを選びたい」
- 「最低限の虫除け効果でやさしいものを選びたい」
など、希望に合う虫除けスプレーを選ぶためには、
- ディートの濃度
という指標を確認すれば良いのだ。
ディートが上限最高濃度の30%の虫除けには、「ムシペールα30」がある。
マダニなどの危険を回避するためには有効。効果が高い分、使い方には注意が必要になる。
国民生活センターからのアドバイス
国民生活センターからのアドバイスとしては、下記の文章が発信されている。
・特に乳幼児等は「虫よけ剤」を習慣的に使用するのではなく、必要な場合に限り使用する
・エアゾールタイプは付着効率が悪く粒子の吸入が考えられるので、子供への使用は一旦手にとるなどの工夫をしたほうがよい。また、テスト結果を参考にし、より安全に使用できるようタイプの特徴を考慮して選ぶとよい
・乳幼児にはより安全に使用するため、手や顔への使用を控えるとともに、長袖、長ズボンの着用などで露出部を少なくするなどの工夫も考える
・医薬部外品のディートの濃度は銘柄による差があり、中には医薬品に近いものもみられたので、医薬部外品であっても医薬品と同様に使用量などの取扱いに注意しよう虫よけ剤-子供への使用について- (発表情報)_国民生活センター