スキンケアのおもしろいところは、
- お金をかけたからといって、それが美肌度に比例するとは限らない
というところだ。
お金をかければかける程こじれて、おかしな肌になってしまうこともある。
逆に、お金はかけなくても、やり方次第で、ものすごい美肌になることだって可能。
そこでこの記事では、仮に千円しか手元になくて、それでも超絶美肌を作りたいとき、プチプラでもガツンと効果が出る美肌アイテムをラインナップしてみた。
まずは油ものを調達
そぎ落としたスキンケアの基本は、油分だと思う。
油分がいらない肌は、そもそもスキンケア自体、しなくても良いくらい。
下手な化粧水(水分)で角質層をふやかすだけなら、肌のバリア機能を低下させて、逆効果にさえなる。
化粧水って必要ですか?
化粧水で肌をヒタヒタにふやかして、それが蒸発するのは良くないからと乳液やらクリームやらを塗り込むスキンケアは、「お手入れした気分」と「なんか柔らかくなった肌」を手に入れるためには良いかもしれない。
けれど、肌を本当に健康にすることだけを考えると、優先順位は低い気がする※。
※アンチエイジングなど目的を持って特定の成分を補給するための化粧水は別。
私自身、医薬品のようなガツンと効き目をもたらす特定成分の入ったアイテムには時折お世話になるけれど、いわゆる“普通のスキンケア”は極力しないで生きてきた。
(肌を褒められることが多いのは、無駄なスキンケアをしていないからだと思う)
油分は必要だと思います
一方で、化粧水は塗らずに済んでも、“油もの”は、乾燥やつっぱりを感じる人は、無理せずに塗った方が良い。
これは、肌の構造を考えてみても、そう。
肌は、肌自身をうるおすために、肌の表面に、化粧水みたいな水分は分泌しないけれど、皮脂という油分は分泌する。
ということは、そこにはその理由がある。
自然の肌の働きを、そっと手助けするのが本来のスキンケアだから、皮脂が足りなくて肌が乾燥している人は、油分の補給を行う。
ちなみに、乾燥やつっぱりを感じない人は、何も塗る必要なし。
(私自身、乾燥・つっぱり・その他の問題を感じないときは、水分油分含めスキンケアはしない)
油分は、ワセリンで良いと思う。っていうか、それがベスト
ここから本題。千円のプチプラで、超絶美肌スキンケアアイテムを、どう構成していくか。
油分は、純度100%のワセリンが良い。
ワセリン、50gで300円〜400円程度。
これが「ブランドの50gの保湿クリーム」なら、10倍の3,000円はおろか、8,000円〜12,000円のお金がかかる。
でも、やりたいことは、シンプルに「肌の表面をうるおす」、これだけなので、シンプルにワセリンの油分さえあれば、十分。
他にも油分はあるのに、なぜワセリン?
ワセリン以外にも油分はある。
天然油分系のオリーブオイル、ホホバオイル、スクワラン、ローズヒップオイル、アルガンオイル、馬油、etc. その種類は無限。
その中でワセリンがおすすめなのは、
- 価格が安い
- 純度が高いので誰の肌にも合いやすい
の2点。皮膚科でも乾燥の症状があるとワセリンを処方される。
ワセリンは鉱物油(ミネラルオイル)。「石油由来のものなんて使いたくない」と心情的に嫌だという人もいて、その感覚はわかる気がする。
ただ、医療で使われるワセリンの精製度は高い。余分な成分が含まれていないので、雑成分が多々含まれる精製度の低い天然系オイルよりも、よほど肌にやさしいともいえる。
その上、非常に安い。
余談:ヴァセリン=ワセリン
ところで、前から疑問なのが、「鉱物油(ミネラルオイル)」を目の敵のようにたたくのに、ユニリーバのヴァセリンを絶賛している人が多いこと。
@cosmeを見たら、20,000件以上の口コミが入っていて、いつもランキング上位。
ヴァセリン=ワセリン=ミネラルオイル=鉱物油、ということを知らない人もいるのかもしれない。
ヴァセリンを愛用するなら、他の化粧品に入っている鉱物油を目の敵にしても、まったく無意味なわけで。
ちなみに、上記のユニリーバのヴァセリンでも、その前にご紹介した日本薬局方の白色ワセリンでも、どちらでも好きな方を選んで使えばOK。
成分が気になる人は、日本薬局方 白色ワセリンの方がおすすめ。
- ヴァセリン(ユニリーバ )の全成分:ワセリン、酢酸トコフェロール、BHT
- 白色ワセリン(日本薬局方)の全成分:白色ワセリン
と、日本薬局方のワセリンの方が全成分がシンプル。
ユニリーバに入っている「BHT」は、酸化防止剤。嫌いな人は嫌いな成分。私は、化粧品に添加されているのはごく微量だし、人体に影響があるような成分ではないという理解で気にしない。
気にする人は、白色ワセリン100%の日本薬局方をおすすめ。
ワセリンの次は純石けんを調達!
さて、日本薬局方 / 白色ワセリン 50g・318円を購入したら、残額は、
- 1,000円−318円=682円
というわけで、純石けんを調達します。
なぜ純石けん?
いろいろな機能を付けた洗顔料が発売されている中、一番肌をきれいにしてくれるのは、アルカリ性の石けん系洗顔料と思う。
- 「肌は弱酸性だから、洗顔料も弱酸性で」
という考え方が、花王ビオレのCMなどを中心に広まった。が、私はあまりこの考え方を信じていない。
肌が弱酸性だからこそ、弱酸性の洗顔料では本来落とすべき汚れを落とすことができないという捉え方もあるのだ。
それに、弱酸性の洗浄料って、洗い流した後に「独特のヌルヌル感」が残る。このヌルヌル感が、私は苦手。
弱酸性の肌に、弱酸性の洗顔料は、ペトッとくっついて離れなくなる。
「うるおいを残した洗い上がり」といえば聞こえは良いけれど、要は洗浄成分がすすぎ切れずに肌に残っているだけ。
一方、アルカリ性の石けん系洗浄料は、「キュキュキュッ〜っ!」と洗い上がる。
これが、根こそぎ持って行かれるようで苦手だという人もいる。私は、肌表面に弱酸性の洗浄料が残る方が嫌なので、キュキュッ!の方が好き。
合成界面活性剤はバリア機能を壊しやすい
多くの洗顔料には、合成界面活性剤が使用されている。合成界面活性剤は、肌の内側に影響を与えて、バリア機能を壊しやすい。
だから、肌表面の汚れを根こそぎ落とすが肌の内側には悪影響を与えない、という意味で、純石けんは優秀。
「千円で超絶美肌」というコンセプトに照らしても、純石けんはとても安い。
おっきな石けんが2個入って、たったの540円。ちなみに、全身に使える。
ワセリンと純石けんが入手できたら使い方をマスター
日本薬局方 / 白色ワセリン 50g・318円
ねば塾 / 白雪の詩 2個入り×2セット・540円
合計:858円(142円おつり)
というわけで、無事に1,000円かからずに超絶美肌セットが入手できました。
そして、重要なのは「使い方」。
高級な基礎化粧品を適当に使うよりも、プチプラアイテムを丁寧に使った方が、よっぽど効果が高いと思う。
ワセリンを使うポイント
ワセリンを使うポイントとしては、「洗顔した後、すぐ」を心掛けること。
そのとき、いきなりベタベタたっぷり塗りすぎない。
- 「自分の皮脂のお手伝いをワセリンがする」
くらいの気持ちで、薄〜く全体にのばせばOK。
手のひらに少量のワセリンを取ったら、両手をこすり合わせて温めるようにして、手のひら全体にのばして、その手でそっと顔を包み込むような方法で塗る。
「こすらない」ことも、とっても大切。こすらず、「包み込む」。それだけで十分。
肌はいじりすぎないこと。いじればいじるほど、肌はいじける。
この包み込む塗り方をした後、どうしても乾燥が気になるところは、指先に付けたワセリンを、ちょんちょんと重ね付けしていく。
目尻のシワとか、目元のしぼんだところとか、まぶたのくぼみとか、ほうれい線とか……、自分が気になるところにちょんちょん。
純石けんを使うポイント
純石けんのパワーってすごくて、しっかり濃密に泡立てて使えば、たいていのメイクは落ちてしまう。一度で落ちない場合は、二度洗いする。
ただ、使っているメイク化粧品にもよる。ケースバイケースで専用メイク落としを使った方が肌に良い場合もある。
純石けんの泡立て方は、高級石けんブランドの「P.G.C.D(ページェーセーデー)」の動画が参考になるので、ぜひどうぞ。
P.G.C.Dは1個1万円もする石けんのブランドで、昔使っていたのだけれど、「石けんの質よりも、使い方だなあ」と気付いて、卒業。
その後は、P.G.C.Dで身についた石けんの泡立て方法で、純石けんを使っている。
まとめ
ワセリンと純石けんの2つさえあれば、千円以内で超絶美肌は作れる。
松田聖子みたいな、「がっつり作り込みました」系の肌にはならないけれど、ナチュラルな透明感があって、薄化粧でも映えるような美肌を目指す人は、シンプルケアがいちばん。
あれこれがんばりすぎて、スキンケアがよく分からなくなっている人は、シンプルに戻る勇気が、肌を救ってくれるかもしれない。