ミニピルとは何か。30代・40代以降も飲める黄体ホルモン単剤のピル

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先日の健康診断で、「LDL(悪玉コレステロール)」の値が高めになっていた。体重や体脂肪率は〈痩せ〉の判定になっている。担当の医師は首をかしげていた。

「おそらく、ピルの影響じゃないかと……」と伝えると、合点がいった様子で、では産婦人科のほうで相談してください、と。

これをきっかけに「ミニピル」の存在に出会い、調査したことをこの記事ではまとめていく。

目次

ピルを飲み始めたタイミングでLDLが上昇

私は、この5年ほど、ヤスミン→マーシロンとピルを飲んできている。

もともと、ヤスミンがとても好きだった。血栓症のリスクを考慮して、より低用量のマーシロンに切り替えたところだ。

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体調的には問題なく過ごしている。しかし、先日の健康診断で、LDL(悪玉コレステロール)の値が上がっていた。この数年、高めの値が出ることが多く、糖質制限や食生活の影響もあるのでは?と思っていた。

しかし、数値が下がってこない(というかジリジリ上がっていく)。「これはピルのせいだろうな」と、自分では思うようになった。

マーシロンより負担の少ないピルを探す過程でミニピル発見

先日のヤスミンからマーシロンへの切り替えがうまくいったので、マーシロンよりもさらに負担の少ないピルはないか?と探していたところ、

  • ミニピル

というものを見つけた。

ミニピルを処方している池袋クリニックのサイトより以下引用。

確かに40歳代の方にOC/LEP製剤を処方する事は慎重にしなければなりませんが、避妊が必要な方が結局男性に委ねるしかない選択は避けなければなりません。

そこで当院では世界では当たり前の様に処方されている黄体ホルモン単剤(ミニピル)に着目し平成27年5月より処方を開始しました。

現在、OC/LEPが処方出来ない方の避妊方法として国内では子宮内に避妊具を入れる子宮内避妊システム(IUS)ミレーナがありますが、それと並行してミニピルの選択肢が増える事は日本の女性にとって安心材料が増える事となり、 より多くの望まない妊娠を防ぐ事が出来ると考えております。
又ピルと同等に子宮内膜症への治療効果や子宮体癌の予防効果も期待出来ると考えております。
池袋クリニック

OC(低用量ピル)やLEP(ルナベル・ヤーズなど)はリスクが高くて飲めない人の選択肢として、ミニピルを処方しているという。

通常のピルは、血栓症のリスクが高い40歳以上・喫煙者・肥満のある人などは服用が推奨されない。しかし、ミニピルであれば処方の対象となる。

ミニピル処方対象

下記に当てはまる方は血栓症リスクが増加しやすい為、ミニピル処方の対象となります。
●喫煙者(35歳以上で1日15本以上)
●重症の高血圧症
●前兆を伴う片頭痛がある
●もともと血栓を起こしやすい
●心臓の疾患(心臓弁膜症の一部)等
●40歳以上
●肥満(BMI30以上)
池袋クリニック

追記:2025年の大きなアップデート

この記事を最初に書いた2017年当時、日本国内で承認されたミニピルは存在しなかった。セラゼッタなどは海外からの輸入品として処方されていた。

しかし、2025年5月にあすか製薬の「スリンダ錠28」(有効成分:ドロスピレノン)が、日本で初めてミニピルとして製造販売承認を取得した。2025年6月30日より販売が開始されている。

これにより、国内承認薬のスリンダと、従来から個人輸入で処方されてきたセラゼッタ(デソゲストレル)など、複数の選択肢が生まれた状況だ。自分に合うミニピルを医師と相談しながら選べる時代に入ったといえる。

ミニピルとはプロゲステロン(黄体ホルモン)しか含まないピル

低用量ピルは、プロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)の2種類を配合した複合型の薬。いっぽう、ミニピルにはプロゲステロン(黄体ホルモン)しか含まれない。POP(プロゲストーゲン・オンリー・ピル)とも呼ばれる。

血栓症のリスクを高める主な原因は、エストロゲン。エストロゲンが含まれないミニピルは、血栓症のリスクを高めない。よってミニピルは血栓症のリスクがある人にも推奨できるとされている。

正しく飲んだ場合の避妊成功率は99%以上

プロゲステロンしか含まれないものの、避妊効果はある。先ほどとは別の皮膚科医のブログより「正しく飲んだ場合の避妊成功率は99%以上」とのこと。

ミニピルの種類によって若干確率は異なりますが、正しく飲んだ場合の避妊成功率は99%以上であることが示されています。肌のクリニック院長の肌ブログ

避妊のメカニズムとしては、排卵の抑制に加えて、子宮頸管粘液の粘度を高めて精子の侵入を防ぐはたらきや、子宮内膜を薄く保って着床を抑制するはたらきがある。複数の仕組みが重なって、高い避妊率を実現しているという。

2025年に承認されたスリンダの国内臨床試験では、パール指数(100人の女性が1年間使用した場合の妊娠数)が0.39と報告されている。低用量ピルと同等の避妊効果が確認されている。

飲み忘れにはシビアになるべし

低用量ピルとミニピルの大きな違いは、服用時間のシビアさだ。低用量ピルなら、飲み忘れても猶予があるけれど、ミニピルの場合はずっと厳しい。

前述のブログによれば、

当院で処方しているセラゼッタは排卵も抑制するため、飲み忘れても12時間以内のずれであれば問題ないとされていますが、排卵抑制の効果は97%ですので、当院では他のミニピルと同様に3時間以内のずれに留めるように指導しています。肌のクリニック院長の肌ブログ

ということで、セラゼッタというミニピルなら、ミニピルの中でも効果が持続すると言われているものの、3時間以内のずれにとどめるというのが、安心できるラインのようだ。

12時間以上ずれた場合には、避妊効果がなくなるため、1週間はコンドームなどほかの避妊法を併用するのが原則。

PMSの緩和効果もある

セラゼッタを飲んでいる人のレビューを読みあさったところ、精神的・身体的なつらさ、PMSの緩和目的で飲んでいる人が複数いて、多くの人が効果を感じている様子だった。

ミニピルは避妊専用の薬と思われがちだが、低用量ピルと同様に月経困難症や子宮内膜症の改善にも効果が期待される。生理痛がつらい人にとっても、選択肢のひとつになる。

ただ、なかには、「イライラが止まらなくなった」という人もいた。自分がどちらのタイプかは、飲んでみないとわからない。

低用量ピルのむくみや食欲が抑えられたという声も

ピルの悩みに、

  • むくみ
  • 食欲増進
  • (結果として)太る

ということを挙げる人は多い。これらの症状は、低用量ピルに含まれるエストロゲンの影響が一因とされる。

エストロゲンを含まないミニピルに変えたら、むくみや食欲の問題が解決したという声が散見された。これはいいな!と思った。

海外の研究でも、ミニピルによる体重増加の副作用は少なく、軽微であると報告されている。「ピルで太りたくない」という人にとっては、希望の光かも。

毎日365日飲み続け休薬期間がない

ミニピルは一定量を毎日飲み続ける。低用量ピルのような7日間の休薬期間がない。

セラゼッタの場合は28錠すべてが実薬で、1シート飲み終えたらすぐ次のシートに入る。偽薬(プラセボ)は含まれない。毎日一定量のプロゲステロンを途切れなく摂取する形。

2025年に発売されたスリンダの場合は、24錠の実薬と4錠の偽薬(プラセボ)で1シート28錠の構成となっている。偽薬期間中に少量の出血が起こる場合もあり、妊娠していないか確認する目安になるという点で、セラゼッタとは少し異なるスタイル。

生理(消退出血)自体なくなる人も多い

365日飲み続けていて、生理(消退出血)はどうなるの?というのが疑問だけれど、

  • 普通の生理のように毎月来る
  • 2ヶ月に1回来る
  • 出血自体が起きなくなる
  • ダラダラと不正出血が何ヶ月も続く

と、いろいろなパターンの人がいるようだ。

出血自体起きなくなる人と、普通の生理のように毎月出血する人の2パターンが多い様子。

とくに飲み始めの3ヶ月は不正出血が続きやすいとされている。これはホルモンの変化に体が慣れる過程で起こる一時的な現象であり、異常ではない。続けるうちに落ち着いてくる人が多い。

私は、出血は面倒と感じてしまうので、出血しなくなるタイプならいいのだけれど。これも、自分で飲んでみないと、わからない。

プロゲステロンだけ補給して老化したり男化したりニキビが増えたりしないのか?

低用量ピルからミニピルに切り替えるか判断するにあたって気になっているのは、

  • プロゲステロンだけ補給して老化したり男化したりニキビが増えたりしないのだろうか?

というところ。

たまに、低用量ピルを「エストロゲン(卵胞ホルモン)を補給する美容テクニック」として使っている人がいる。私は何年もピルを飲んでいる。「ピルが美容効果を発揮してくれている可能性」を思うと、やめたことによって劣化しないか心配。

また、素人目には、エストロゲンの供給をストップするだけではなくて、エストロゲンと対の作用を持っているプロゲステロンだけを補給するのだから、ニキビが増えたり男っぽくなったりするのでは?と思ってしまう。

日本女性心身医学会のサイトによれば、プロゲステロン(黄体ホルモン)にはLDLコレステロールを上昇させ、HDLコレステロールを低下させる作用があるとされている。エストロゲンとは逆のはたらきだ。脂質面への影響はゼロではないだろう。

実際、ミニピルのレビューの中には「ミニピルに変えてニキビが増えた」「体臭が変わった」という声もあった。逆に「肌の調子がいい」「体調がいい」と書いている人もいたので、一概には言えないが。

これについても、自分が飲んだらどうなるのか、実験してみるしかない。

セラゼッタの添付情報では、ニキビは「頻度の少ない副作用(10%以下)」に分類されている。一定の割合で起こり得るものの、全員に出るわけではないようだ。

汗のかきやすさの変化が見どころ

自分的に、ミニピルと低用量ピルの違いでチェックしたい点が、

  • 汗のかきやすさがどうなるか

というところ。

低用量ピルを飲み始めてから、汗っかきになったような気がするのだ。

(昔から、緊張して汗をかくことはあったし、真冬でも電車内で汗だくになったりしていたので、ピルのせいだけにはできない。が、飲んでから、ひどくなった気がする)

「ミニピルに変えることによって体がどう変化していくのか?」には、とても興味がある。

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<参考文献>

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