もともと赤面症を持っていたが、あるときから、多汗症も発症してしまった。顔面多汗症と、頭皮多汗症。
赤面症だけの頃は、「赤面さえ治れば——!!」といつも思っていた。しかし、多汗症も発症してからというもの、「お願いだから、赤面症だけの頃に戻してください」と神さまに願った。
「汗」という、一度出たら消えてくれない物理的な現象は、本当につらくてつらくて。
だからこそ、あらゆる対策を試して乗り越えようとがんばった。そのかいあって、今は顔汗・頭汗をコントロールできている。
顔汗&頭汗の多汗症のつらさ…
ちょっと緊張してしまい、「あっ、来る——」と思ったら、もうおしまい。ダラダラダラダラ、顔から頭から、汗が流れて止まらなくなる。
赤面だけだったら、私が赤くなるだけで、物理的な被害はなかった。しかし、多汗症も、となると、話がまったく違う。赤面が引いても、汗はひかない。一生懸命ごまかしながら、ティッシュで抑える。
- 「とまれ、とまれ……!!」
願えば願うほど、無情に流れ落ちてくる汗。書類にポタポタと汗が落ちる。相手の驚く顔、哀れそうな顔、怪訝そうな顔にいたたまれない。
コンタクトレンズにゴミが入ったふりをしたり、せきがとまらなくなったふりをしたり、その場から逃げ出したこともある。
ただ、その手も、一度きりなら使えるけれど、2回目以降は使えない。
そして具合の悪いことに、緊張してしまうパターン・場面は決まっている。一度、赤面&多汗症を発症した相手・場面では、何度も繰り返して発症してしまう。
顔汗&頭汗に悩みまくった私を助けてくれた3つの対策
頭と顔から吹き出る汗がつらくて、いろいろな方法を試した。恐らく、ネット上で拾えるすべてを試したと思う。その中で、私が効果を感じられた3つの方法を紹介する。
❶ メントール入りのボディシートで首を拭く
汗が出そうな場面の直前に、メントール入りのボディシートで首を拭く。すると、首がスースーする。それで脳が勘違いするのか、汗が出なくなる。
- 「そんなことで多汗が治るわけがない」
と思いそうなものだけれど、これは意外に本当におすすめ。
デメリットとして、
- 周囲にメントールのニオイが漂うリスクあり
- 直前に首を拭けるシーンでないと効果なし
という2点があるが、このデメリットを凌駕する効き目だと思う。
汗がすでに出始めてしまったときも、ハンカチやティッシュ代わりにメントール入りシートを使うと、汗が止まるスピードが速い。
私はGATSBY の「氷冷アイス!」と書いてある以下のフェイスシートを使っていた。

(ギャツビー フェィシャルペーパー アイスタイプ (徳用タイプ) 42枚入)
❷ 制汗剤(塩化アルミニウム液)を顔に塗る
塩化アルミニウム液は、皮膚科の多汗症治療でも広く使われている外用制汗剤だ。汗腺の出口にフタをするように作用し、物理的に発汗を抑える仕組みとなっている。
ネット上では、「しんじょう薬局」で購入できることが有名。市販品でも入手できるけれど、濃度が違う。
オドレミンもテノール液も、公式情報では顔への使用は不可となっている。
ただ、それらよりも濃度の強い塩化アルミニウム液を顔に使っている人が多く、しんじょう薬局では顔への使い方情報も公開されている。
塩アル液は顔や頭にも使えますか。
塩アル液はお顔や頭部にもお使いのご報告をいただいています。頭部は皮脂の分泌の多い部位ですから原液でお使いいただきたいので、添付のミニ容器に移しかえていただき、髪を分けながら叩き込むようになさり、ドライヤーなどでさっと乾かしてから重ね塗りをなさることをお勧めしたいと思います。1回の塗布では効果が出にくいと思いますから、この方法を何日間かお続けいただきたいと思います。
お顔の場合は目の周り以外にご使用が可能ですので、まず狭い範囲にお試しいただき、効果や刺激の強さによっては希釈なさることをお勧めしたいと思います。
注意していただきたいのは、顔面や頭部は温感性発汗が大切な部位ですので、広い範囲に塗布なさると、熱がこもる状態になったり頭痛など自律神経症状が生じる可能性もありますので、一番お困りの部位に限り最小限度(5cm四方以内が適切)の範囲にお使いになることをお願いします。
しんじょう薬局 塩アル液Q&A
私は、塩化アルミニウム液を入手して、頭皮や顔に塗ることで「汗を抑える」ことに、初めて成功した。
塩化アルミニウム液のデメリット
塩化アルミニウム液で汗は止まるものの、私にとってはいくつかデメリットがあった。
- 皮膚への刺激が強い
- 汗が出てきたとき強いチクチク感があって痛い
- 継続使用する必要があるが、使用方法が面倒
- 頭皮に塗りづらい、髪が傷む
おそらく、頭汗&顔汗以外の汗なら、塩化アルミニウム液で汗を抑えるのは、とても良いと思う。手汗やワキ汗など。
ただ、敏感な顔の皮膚や、毛が生えていて塗りづらい頭皮に継続するのは、なかなか難しいものがあった。
塩化アルミニウム液より効果は劣るが顔専用の制汗ジェルもあり
塩化アルミニウム液のデメリットを解決している、顔専用の制汗ジェル「サラフェプラス」という選択肢もある。

(サラフェプラス)
塩化アルミニウム液に比較すると制汗効果は若干弱いものの、チクチク感や刺激はまったくなし。
❸ 最後の手段は多汗症治療薬プロバンサイン
塩化アルミニウム液で一定の効果は得られたものの、さらに快適に、かつ確実に多汗を抑えられるものを探していた。
そのときに試したのが、「プロ・バンサイン」(一般名:プロパンテリン臭化物)という多汗症の内服薬。
プロバンサインの元は胃薬
プロバンサインは、もともとは、神経伝達物質「アセチルコリン」のはたらきを抑える “抗コリン作用” によって、胃の痛みやけいれんを改善する胃腸薬として開発された薬だ。1953年から日本の医療現場で使われており、70年以上の歴史がある。

アセチルコリンには「汗腺に“汗を出せ”という指令を伝える」役割もある。プロバンサインはこの指令をブロックするため、結果として全身の発汗が強力に抑えられるのだ。
体中の水分分泌が止まる威力
これはもう、てきめんに効いた。1錠飲むと、1日中、汗を抑えるどころか、体中がカラッカラ。
アセチルコリンは、汗以外に、唾液・涙・尿などもつかさどっているので、それらがすべてストップする感じ。目の乾き、口の渇きが半端ではなく、頭がボーッとするくらい。
不愉快な副作用はあるものの、
- 「どんなに目が乾こうが口が渇こうが、どうしても汗を止めたい」
という人にとっては、ありがたい薬。
発汗が抑えられる分、体温調節がしにくくなるため、夏場や高温環境では熱中症のリスクが高まる点には十分な注意が必要。
プロバンサインは飲んで1時間後から効き始め、4〜6時間持続
プロバンサインは服用後30分〜1時間ほどで効き始め、効果は約4〜6時間持続する。
大事な会議やプレゼンの1時間前に飲んで、その場面で集中的に汗を抑え、終了後には薬の効果と副作用が自然に薄れていく……というイメージ。
ただ、私の場合は、飲んだ日は一日中、かなり乾いた感じと気だるさが続いた。
真夏の炎天下でも汗がまったく出なくなるほど強力なので、服用を検討したい場合は、まず皮膚科で相談するとよいと思う。

