過去に過酷なダイエットを経験した人は、その後、長期間に渡って、食欲のコントロールに悩まされることがある。
拒食症や、その寸前の「飢餓」を体に味わわせてしまった場合、回復期に「異常な食欲」が付きまとう。この「食欲」は、何と紐付いているのだろうか?
いろいろな方面から考えてきたところ、私の場合はひとつ、「胃酸」と結び付いていることに気付いた。
2019/8/26 「酸っぱい粉のついたグミの話」を記事末尾に追記。
きっかけは胃酸過多で食欲過多になる人たちの発見
胃酸と食欲の関係に気付いたきっかけは、ネットで検索していたときに、
- 「胃酸過多で食欲過多になる人たち」
を発見したこと。例えば、「Yahoo!知恵袋」に投稿されている質問の例。
胃酸が多い(胃酸過多)だと、食欲亢進したりしますか??
(中略)
カメラで胃炎程度との診断を頂き、
プロテカジン(H2受容体拮抗剤 胃・十二指腸潰瘍,胃炎の治療薬)を
処方いただきました。お薬はとてもよく効き、調子良いと飲み忘れるほどになりましたが
根本的にお腹が空かなくなったんです。
(食べれば食べられますし、食べた後の不調感も無いのですが)その前は、ムチャクチャ食べないと気が済まなかったんです。
食欲が狂っているようにただ胃に入れたいような感じでした。
このタイミングでパタリとやんだということは・・・胃酸の分泌と食欲って関係あるのでしょうか???
Yahoo!知恵袋
上記の人は、「胃酸を抑える薬のプロテカジンを処方されてから、狂ったような食欲がパタリとやんだ」と言っている。
もう一例、
胃酸と食欲の関係について。
今、胃酸を抑える薬を処方されて服用しています。
薬を服用し始めてから、少しの量でもお腹いっぱいに感じるようになりました。胃酸の分泌が少なくなると、食欲も抑えられるものなのでしょうか?
Yahoo!知恵袋
上記の人も、「胃酸を抑える薬によって、食欲が抑えられるようになった」と述べている。
胃潰瘍の初期症状には「食欲亢進」もある
さらに、胃酸過多によって引き起こされる「胃潰瘍」の初期症状として、「食欲亢進」もあるという。
胃潰瘍の初期は、胃酸が過多になって、それが原因で食欲が旺盛になることがあるのだとか。
(だから、胃痛があるとき、「食欲旺盛だから胃潰瘍の心配はない」と判断するのは早計らしい)
以上からわかることは、
- 胃酸が多い ⇒ 食欲亢進する
- 胃酸が少ない ⇒ 食欲減退する
というケースがある、ということ。
そう言われてみれば私も胃酸過多かも??
以上の情報を元に、自分を顧みた。確かに、私も食欲が旺盛になるとき、胃酸過多になっている気がする。
- 「もう何かすぐにお腹に入れないと耐えられない!」
というような激しい食欲に襲われるとき、体のどこにどういう反応が出ているのか、観察してみた。
すると面白いことに、脳が食べたがっているというより
- 「胃に胃酸が出ている物理的な感覚」
に対して、「おなかが空いた」と脳が反応している感じがしたのだ。
図解すると、こんな感じ。
胃が空っぽになった結果、胃酸過多になって、胃がチクチクする。それを長年の条件反射で「空腹」と認識し、「お腹が空いた!」と反応している。
それならば、胃酸を抑えれば、異常食欲も収まるのでは?そう思った。
市販の最も強力な胃酸抑制薬「ガスター10」を試す
処方箋不要で、ネットや薬局で購入できる薬の中で、最も強力な胃酸抑制薬は「ガスター10」。
早速、ガスター10を購入して飲んでみたところ、おおおお。
- 「——、食欲、止まった。(!)」
ガスターを飲むと少なくとも、“狂ったような異常な食欲”に襲われることは、まずない。
ただしガスター10の常用には注意が必要
ただし、ガスター10の常用には、注意が必要だ。「ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー胃腸薬)」という、作用が強い胃腸薬になる。
ヒスタミンという物質を妨害することで、胃酸の分泌自体を止めてしまう。2週間以上の継続服用は不可と明記されている。
そのため、2週間を超えて服用したい場合は、医師や薬剤師に相談しなければならない。
日常生活で胃酸過多を抑える工夫
医薬品以外でも、胃酸過多を抑える工夫はできる。薬に頼るのは最小限にして、日頃から胃酸過多になりにくい生活を心掛けたい。
例えば、酸が強い食べ物や炭酸飲料を取りすぎないようにしたり、空腹時間が長くなりすぎないようにしたり。
それから、ストレスが多いと胃酸も過多になりやすいそう。心穏やかに毎日を過ごすことも、大切。
酸っぱい粉のついたグミの話
2019/8/26追記。
私は糖質制限をベースとした食生活をしているくせに、少し前に「グミ」にハマってしまった(今はもう治った)。
好きなのは「ピュレグミ」とか「フェットチーネ」とか。
ハリボーみたいに表面がチュルンとすべすべのタイプではなくて、白くて酸っぱいジャリジャリの粉がまぶしてあるタイプのグミ。
食べ始めると、もっともっと欲しくなる病が盛大に発動して、止まらないのだ。
なんで?と思って、思い当たった。
「白くて酸っぱいジャリジャリの粉」はクエン酸。
これを私の胃に入ると、酸が酸を呼んで、胃酸過多になってしまうみたいなのだ。
これに気づいて「グミはもうやめよう!」と決意して食べなかったら、次の日にはグミ欲は失せた。
「酸っぱいもの」って体に良いイメージがあるけれど、〈酸っぱいもの依存症〉的に特定のものが食べたくて仕方ないときは、いったん断絶するのがいいかもしれない。
それは酸によって引き起こされた「ニセの食欲」かもしれないから。