ハイレス(スピロノラクトン)を飲んでいると異常にしょっぱいものを食べてしまう

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中止したり再開したり、細かく飲んだり飲まなかったりを繰り返してきたハイレス。最近は、飲まずとも、むくみの軽減が安定しているし、飲んでいると肌が乾燥しすぎてしまうので、飲んでいない。

で、気付いたこととして、ハイレスを飲んでいると、異常にしょっぱいものを食べてしまうのだ。

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ハイレス(スピロノラクトン)とは?

簡単におさらいしておくと、ハイレスとはスピロノラクトンを有効成分とする利尿剤。国内では「アルダクトンA錠」という名前の処方薬として知られている。1963年に日本で錠剤が承認されて以来、長い使用実績を持つ薬だ。

スピロノラクトンのはたらきを一言でまとめると、体内の水分量を増やして血圧を上げる「アルドステロン」というホルモンに対して拮抗的に作用する、というもの。アルドステロンのはたらきが抑えられると、余分な水分とナトリウム(塩分)が尿として排出されるため、むくみや血圧の上昇が抑えられ、心臓への負担も軽くなる。

利尿剤として有名なラシックス(フロセミド)は、カリウムも一緒に喪失させてしまう。いっぽう、スピロノラクトンは「カリウム保持性利尿薬」と呼ばれ、カリウムを体内に保ったままナトリウムと水分だけを排出する。だから、ラシックスと比較すれば体にやさしい利尿剤といえる。

ただし「やさしい」とはいっても、連用すると高カリウム血症や低ナトリウム血症などの電解質異常が起こりうるため、定期的な血液検査は欠かせない。「体にやさしいから安心」と油断するのは禁物。

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ニキビ治療やAGA(男性型脱毛症)にも使われる

スピロノラクトンにはもうひとつ大きな特徴がある。男性ホルモン(アンドロゲン)の受容体をブロックする「抗アンドロゲン作用」を持つ点だ。

この作用を利用して、男性ホルモンのはたらきが過剰になって生じる以下のような症状の治療にも用いられている。

  • ニキビ
  • AGA(男性型脱毛症)

近年では、美容皮膚科を中心に、保険治療で改善しない女性の大人ニキビに対してスピロノラクトンを処方するケースが増えている。

欧米では難治性の女性ニキビの治療としてガイドラインでも推奨されており、低用量ピルと併用する方法がとくに効果的とされる。ニキビへの有効率は90%以上ともいわれ、イソトレチノインに次いで高い治療効果を持つ。

ただし、国内ではニキビ治療としての保険適用はなく、自費診療となる。また、利尿作用に伴う生理不順や乳房痛などの副作用もあるため、医師の管理下での服用が前提である。

このブログ内でも、ハイレスに関する記事をいくつか書いてきた。こちらから読むことができる。

今年の冬は肌の乾燥がひどくてハイレスを休止

10月〜11月頃までハイレスを飲んでいたのだけれど、今年の冬は、顔の乾燥がひどくてハイレスを中止した。

スピロノラクトンの抗アンドロゲン作用は、皮脂の分泌を抑える方向にはたらく。オイリー肌の人やニキビ肌の人にとっては嬉しい効果だが、乾燥がひどい時期に飲むと、皮脂がさらに減って乾燥を悪化させるリスクがある。

肌状態に合わせて飲む・飲まないを調整するのは、スピロノラクトンを自己管理で使ううえで大切なポイントだと思う。

ハイレスを飲んでいると、しょっぱいものがいくらでも食べられる

今までも、ハイレスの休止と再開は、体の状態を見ながら細かく繰り返してきた。

が、今回初めて明らかに気付いたのが、

  • ハイレスを飲んでいると、しょっぱいものが食べたくなる

ということ。

水分とナトリウムの排出を促してくれるのがハイレスの作用だけれど、ナトリウムが排出されることで、妙にしょっぱいものが食べたくて仕方ないのだ。

梅干しを一気に10個食べる勢いで、異常にしょっぱいものを食べても、体がむくまない。ある意味、ハイレスの利尿作用って、本当にすごい。

スピロノラクトン服用者の「ピクルス欲求」

スピロノラクトンはアルドステロンを阻害してナトリウムの排泄を促すため、体内のナトリウム濃度が低下しやすくなる。すると人間の体は本能的にナトリウムを補おうとして、塩分への欲求が強まる。

利尿剤の副作用として「低ナトリウム血症」が知られているが、そこまで至らない軽度のナトリウム低下でも、塩辛いものを求める食行動の変化は十分に起こりうる。

海外のトランスジェンダー女性のコミュニティでは、スピロノラクトン服用者の「ピクルス欲求」がよく知られた話題になっているほどだ。スピロノラクトンを飲んでいるとピクルスの瓶をまるごと食べたくなる、といった体験談が数多く共有されている。それだけ普遍的に起こる現象だといえる。

ハイレスを休止したら、しょっぱいものがいらなくなった

今はハイレスを飲んでいないけれど、飲むのをやめた途端に、さっぱりしょっぱいものはいらなくなった。というか、しょっぱすぎて、食べられない。

それでいて、現在の私の体はむくみもないので、ハイレスなしでバランスが取れていたということなのかもしれない。

ハイレスなしでも水分と電解質のバランスが取れている状態だったのにハイレスを飲み、ナトリウムを余計に排出していたからこそ、体が塩分を補おうとしてしょっぱいもの欲求が生まれていた――そう考えるとつじつまが合う。

利尿剤を飲んでいて「しょっぱいものばかり食べてしまう」というときは、そもそも利尿剤が今の体に必要なのかを見直すサインかもしれない。薬の効きが良すぎてナトリウムバランスを崩しているなら、休薬や減量を検討したほうがよい。

私はしばらく、休止時期を続けて、様子を見たいと思う。

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