拒食症35kg以下になった後に発生した異常食欲の治し方

【注意事項】記事内の商品・サービスへのリンクは、アフィリエイト広告のURLが使われていますので、ご注意ください(嫌な方はクリック回避をお願いいたします)。

また、多くの記事が投稿後1年以上経過した古い情報になっています。その点もご注意ください。

前回、前々回と、利尿剤や下剤に依存していた過去について、書いてきた。

摂食障害寄りの記事が続いたけれど、この記事でひとまず一段落としたいと思う。

この記事では、私が戦ってきた「異常食欲」の経緯と、それをどう克服したかの治し方を伝えていく。

摂食障害、拒食症、過食症に陥っている人は、多少参考になることがあるかもしれない。

摂食障害になり体重が35kg以下になった過去のこと

精神的にストレスとなる出来事の重なりや、いろいろな事情があって、摂食障害になったことがある。

160cm弱の身長で、体重は35kgを切っていた。クリニックで「エンシュアリキッド」(よく拒食症患者に処方される高カロリーなドリンク)を出されたりしたけれど、そんなの当然、恐ろしくて飲めなかった。

痩せていた頃は人からジロジロ見られた

街で、骨と皮だけに痩せた人を見ると、思わずそれとなく見てしまうことがある。私も一番痩せていた頃は、人によくジロジロ見られていた気がする。

お箸が重くて持てなかった

階段をのぼれない、買い物中の店内で知らない人から心配されるほど顔色が悪い……など、その頃の体調は最悪だった。

今でも覚えているのは、ある日、何か食べようとお箸を持ったら、

  • 「お箸が重い」

と感じて、持ち上げられなかったこと。「このままだと、私終わるな」と認識し始めた瞬間だった。

痩せすぎると股の形が四角になる

あるとき、ふと、お風呂の鏡で自分の股のところを見て、驚いた。「脚って痩せるとこうなるんだ」と。

股のところが、普通はYの字になっていると思うけれど(Yの字の下のI部分が両太ももの間)、股の間が空いて、四角くなっていたのだ。

その後のぶり返しの過食、異常食欲の恐ろしさ

痩せるのがうれしかった私も、体重が30kg台前半に突入すると、少し変わってきた。

あまりの体調の悪さに、

  • 「これは、とてもじゃないけど、キープはできない」

と感じるようになったのだ。

主治医からも、「35kgを切ったら入院」と言われていた。入院は絶対嫌だという気持ちもあった。

体重を少し増やそうとしたらぶり返しの食欲に大反撃される

それで、徐々に食べ物を口にして、体重を程良く戻そうとするのだが、このときのぶり返しの過食っぷりがすごかった。

もう二度とあんな目には遭いたくないから、もう二度とそこまで痩せたくない、と思うくらい。

例えば、ある日、明け方に目が覚めると、どうしてもハーゲンダッツが食べたくて仕方ない。

普通の食欲なら、我慢できるが、その食欲って異常なのだ。

飢餓に陥った体が、ガツガツと食べ物を求める、野生の本能のようなあの感じ

いてもたってもいられなくなり、自転車を飛ばしてコンビニに行って、ハーゲンダッツを買いあさり、6個一気に食べてしまう。

買い置き禁止していたら調味料を食べてしまう

食べ物を買い置きするとすべて食べ切ってしまうので、家に置かないようにした。ところが、今度は砂糖1袋、はちみつ1瓶、と異常に調味料を食べてしまう。

とにかくいつも、食べ物のことでいっぱい。同時にいつも罪悪感を感じている

  • 「どうしてこんなに食べ物のことばかり考えるようになっちゃったんだろう」

何度、そう思ったことか。

これは、無理なダイエットや拒食の代償なのだ。体の本能をなめてはいけない。

あれは、私たちの理性やエゴが抑えきれるものでは、到底ない。

飢餓から絶対に生きてやるぞと跳ね返ってくる生命力の強さ。荒れ狂う食欲。

私が私を生かそうとするエネルギーの爆発だった。それは命の強さかもしれない。しかし、もう二度と、経験したくはない。

異常食欲が抑えられず、結局吐いたり下剤や利尿剤を乱用したり……

異常食欲が現れたら、本来は、規則正しい栄養豊かな食事を自分に食べさせ、体さんが満足する体重まで増やすのが良いのだろう。

しかし摂食障害あがりの私は、太るのは絶対に嫌だという執着を握りしめて手放せなかったため、また間違った方法で異常食欲と戦いだした。

吐いたり、下剤を使ったり、利尿剤を使ったり……これを「代償行為」と呼ぶのだけれど、食べた分をチャラにしようとする摂食障害特有の行動だ。

まさに、私も典型的だったと思う。

下剤や利尿剤については、前回前々回の記事で書いた通りだが、異常食欲が始まってからは、さらに手放せなくなっていった。

食欲は止めたい、けれど太るのは絶対に嫌だ

食欲を止めるためには、

  • 代償行為をやめること
  • 必要な栄養素を取ること
  • 適正体重まで体重を増やすこと

の3つが不可欠であろうことは、私自身、分かっていた。

ただ、どうしても、太りたくなかった

この、「太りたくない」ゆがんだ心を形成するまでには、長い道のりがあった。いろいろな背景があった。

その頃の私には、まだ絡み合った心の糸をほぐすことができなかった。

異常な食欲が何と結び付いているのか研究した

どうしても太りたくなかったから、異常な食欲が何と結び付いているのか、徹底的に調べるようになった。

一つは、前の項目でも述べたように「代償行為」だ。

代償行為を行うことで、それがさらなる空腹感を呼び、異常食欲を増殖させてしまう。だから、代償行為をやめることはとても効果がある。

私が代償行為をやめようとチャレンジした経緯は、下記に書いた。

もう一つが、「何らかの栄養素」だ。

どの栄養素かは人による面もあるけれど、特定の栄養素が不足することで、異常な食欲が発生することが、わかってきた。

それを、正しい食事で取ることに抵抗があった私は、サプリメントで取ることにした。

異常食欲を止めるサプリメント一覧

私が、食欲と関連性があるとリサーチして、実際に試したサプリメントを下記に残しておく。

リンク先は、実際に私が購入した商品。

私にとっては食欲を止める効果があったものだけれど、これは人による。

ここに記載しているものは、「これで食欲が止まる人がいる」情報があった栄養素なので、参考にして欲しい。

血糖値をケアするサプリ

血糖値が乱高下しやすい人の場合、血糖値が下がったときに異常な食欲がやってくる。

できるだけ血糖値をキープするために役立つサプリメントは下記の通り。

L-カルニチン

脂質代謝を行う脂肪燃焼系のダイエットサプリメントとしておなじみのL-カルニチン

その作用は、「脂肪を、脂肪の焼却炉であるミトコンドリアに運んでくれる」というものなのだけれど、それ以外に「血糖値キープ」にも役立つ。

ブドウ糖の分解を抑えて緩やかにするので、血糖値の乱高下を抑えてくれるのだ。

L-カルニチン(1000mg) 100錠 海外直送品
脂肪燃焼サプリとして有名だが血糖値にもいい(L-カルニチン

コルチゾールを抑制するサプリ

過激なダイエットをしている人・拒食症の人など、体に飢餓のリスクを感じさせるような食生活をしている人が気にしなければならないのが、「コルチゾール」の存在。

コルチゾールは、体や心がストレスを感じると分泌されるホルモンで、体を飢餓にしてしまった人は、必ず増えているといっていい。

コルチゾールが増えると、次のような症状が現れる。

  • 食欲増進
  • 代謝の低下
  • 甲状腺ホルモンの低下

どれも、体を太りやすくさせるもの。

過激なダイエットを経験した後に、少ししか食べていないのに太りやすくなるのは、このコルチゾールによる影響が大きい

だから、コルチゾールのケアをしていく必要がある。

コルチゾールを抑制するために役立つサプリメントは下記の通り。

リローラ(または御岳百草丸)

リローラは、アメリカ製の食欲を抑えるためのサプリメント。

コルチゾールの抑制を狙って設計されており、約4割減少させたというデータがあるらしい。

 

コルチゾール対策は摂食障害には欠かせない(リローラ

ちなみに、日本で昔からある胃薬に「御岳百草丸」がある。この成分構成がリローラと同じだとして、ネット上ではリローラの代用品として人気。

【第2類医薬品】御岳百草丸 4100粒
胃薬としても使えるし、食欲抑制のサプリ代わりにも使えるので便利
御岳百草丸

私は、リローラも御岳百草丸もどちらも購入して、飲んだことがある。

どちらも同じ効果のはずが、私の場合は、なんとなくリローラの方が効果が高いような気がした。

ただ、購入した御岳百草丸は胃薬代わりにも飲めるので、薬箱に入れている。

   DHEA

DHEAは「抗コルチゾールホルモン」。

体内でコルチゾールが分泌されると、同時に分泌されて、コルチゾールのレベルを元に戻す働きがある。

ちなみに、女性ホルモンをはじめとしたさまざまなホルモンの前駆体でもあり、美肌などの美容目的で飲んでいる人も多い。別名「若返りホルモン」。

美容目的で飲んでいる人も多い(DHEA

ビタミンC

ビタミンCは、コルチゾールが発生するときに大量に消費されてしまう。

だから、飢餓状態に陥っている人は、大量補給する必要がある。

このビタミンCは本当に変化を実感できたので、現在でも超・愛用品
エスターC

なお、余談になるけれど、拒食症や無理なダイエットを経験すると、やつれて老婆のようになってしまうことがある

それを防ぐためには、ビタミンCをサプリメントで補給することは、必須だと思う。ビタミンCは、老化物質である活性酸素を除去する働きがあるので、見た目や体内の老化を防ぐ効果がある。

また、よく「風邪予防にビタミンC」なんて言われるように、免疫力をアップさせる効果がある。痩せて抵抗力が落ちている人におすすめのサプリ。

ビタミンE

ビタミンEは、コルチゾールが作られる副腎で、ビタミンCを助ける役割をする。

ビタミンCと合わせて飲んでおくと効果的。

血液をサラサラにして、むくみを取る効果があるので、私はむくみ対策に飲んでいる時期もあった。

ビタミンEは肌や髪がツヤツヤになる効果もある(ビタミンE

レプチン分泌を促進するサプリ

食欲の発生のメカニズムには、

  • レプチン
  • グレリン

という二つのホルモンが関わっている。

レプチンは、満腹中枢を刺激し、グレリンは食欲中枢を刺激する。

だから、満腹中枢を刺激するレプチンの分泌を促進すれば、食欲を抑えることができる

レプチンの分泌を促進してくれるサプリは下記の通り。

    亜鉛

亜鉛は、レプチンの合成に必要になる成分。亜鉛は、牡蠣やレバー、牛肉などに多く含まれるのだが、拒食症の人はまず食べないような食べ物ばかり。

亜鉛不足になって異常食欲を暴発させているケースはとても多いと思うので、亜鉛はサプリなり何なりで、きちんと取った方が良い。

ディアナチュラ亜鉛(60日)
2ヶ月分でたった300円程度だけれど、これを飲むと全然違う
ディアナチュラ亜鉛

ビタミンE

前述の「コルチゾールを抑制するサプリ」の中でも紹介したが、ビタミンEは、レプチンの量が減るのを防ぐ効果もある、優秀サプリ。

ヒスタミンを放出するサプリ

ヒスタミン」は、花粉症などアレルギーの原因となる物質。

同時に、食欲を抑制させる効果もある。

「よく噛むと満腹感を得られやすい」と言われるけれど、その理由の一つが、このヒスタミン。噛むと、ヒスタミンが分泌されるのだ。

ヒスタミンの材料となる「ヒスチジン」がカツオに多く含まれるという話を聞いて、かつおだしをお湯に溶いて飲んだり、「そのまま食べられるかつおスライス」というものを購入して食べたりしたこともある。

丸俊 そのまま食べるかつおスライス 60g

さらに、ダイレクトにヒスタミンにアプローチするサプリが「ナイアシン」だ。

ナイアシン

ナイアシンを100mg以上飲むと、顔が赤く紅潮して、それが全身に広がり、人によってチリチリとしたかゆみが起きる。

これを「ナイアシンフラッシュ」というのだが、これは体内に貯蔵されていたヒスタミンが放出されることによって起きる。

私の場合、ナイアシンを飲んだ後は、食欲がパタッとなくなる。

参考記事

鉄分を補給するサプリ

Facebookで藤川徳美先生という医師が、鉄分不足がいかに心身に悪影響を与えるかということを、強く発信されている。

藤川先生のFacebookページ

特に、若い女性で重度の鉄不足がある場合、興奮して切れたり、イライラして自傷したり、ささいなことで家族に当たり散らしてしまったりするそうだ。

これ、摂食障害持ちの人なら、少なからず皆、当てはまるのではないだろうか?

私は、たまたま、その投稿をFacebook上で見掛けて、鉄分を意識するようになった。

すると、異常食欲が治まってきたのだ。精神的にも、かなり落ち着いてきた気がする。

藤川先生がFacebook上でおすすめしていた鉄分サプリは「Now Foods 鉄分 36 mg」。私も、一時これを徹底的に飲んだので、鉄の貯蔵量が上がって、異常食欲が治まった気がする。

鉄分の欠乏症として、「氷食症」という、氷が無性に食べたくなる病気が知られている。このことからも、鉄分は食欲と密接な関係があるのだろうな、と思う。

今まで飲んだ鉄サプリの中で一番すぐに実感できたのがこれ
Now IRON 鉄 36mg

腸内環境を改善するサプリ

私は下剤依存症だったけれど、腸の状態と異常食欲は、非常に深い関係にあると思う。

腸内環境が悪いと、とても乱暴な食欲が荒れ狂いがちになる。腸では食べたものの消化吸収が行われるだけでなく、セロトニンが作られたりもするので、心の安定感ともつながっているのだろう。

  乳酸菌

腸内環境を整える上で欠かせないのが、乳酸菌。ヨーグルト・納豆などの食べ物からも摂取できるが、カロリーが気になる間は、サプリで取るのがいい。

【公式】フジッコ 善玉菌のチカラEX(31粒入り)
乳酸菌を補給していると心も安定する感じがした(フジッコ 善玉菌のチカラEX(31粒入り)

最後に

最初に、35kg以下になった、と書いたけれど、そのときは体脂肪率が12%くらいで、BMIが14くらいだった。

その頃よりは今体重は増えているけれど、BMIは16〜17くらい。

鶏ガラみたいに痩せ細りたいと渇望したときもあった。

でも今は、健康な普通の体で、異常食欲に翻弄されることもなく、16〜17をキープできていれば、私はもうそれで十分。

あの頃を思い出せば、今はとても穏やかな毎日が続いている。

RECOMMEND 同じカテゴリ内の前後記事