最近、身近に、
「運動を始めたら、急に体重が増えたんだけど…」
という話をちらほら聞いた。
ちょうど、「ホットヨガで体重が増えるのでは?」という話について、下記記事で触れていたところだった。

その体重増は、「水分(むくみ)」である可能性が高い。そのメカニズムについて。
運動を始めたばかりで筋肉が増えるわけはないのはそうだけれど…
女性が、
「運動を始めたら、筋肉が付いて、体重が増えてしまいました」
と言うと、
- 「いやいや、そんなに簡単に筋肉は付かないから!」
- 「筋肉が付きやすい男性でさえ、追い込んで筋トレしてプロテイン飲んで、やっと筋肉が付くのに」
- 「女性で、その程度の運動量で筋肉が付くなら、あっという間にボディビルダーになれちゃうよ!」
……みたいな、突っ込みが入る。
これはたしかにそのとおりである。筋肉を大きくするためには、トレーニングの強度も、筋肉が養成される期間も、そのための栄養も必要になる。
では、目の前の体重計の数字が明らかに増えているとき、これをどう捉えればよいのだろうか。
「運動量を増やしただけで、食事量は絶対に一定なのに、体重計の数字が増えた」という場合、混乱してしまう。
運動を始めたときに「水分」で1〜3kgくらい増減する人は多いようだ
ひとつの答えとしては、「水分」をため込んでいるという考え方がある。
❶ 超回復
運動をして筋繊維に微細な損傷が起きると、修復の過程で血液が傷ついた部位に集まる。この修復反応(超回復)のとき、体は筋肉に水分をため込もうとする性質がある。体内の水分量の変化だけで、体重が1〜2kg程度変動するのはよくある現象だ。
❷ グリコーゲンの貯蔵
もうひとつのメカニズムはグリコーゲン(筋肉のエネルギー源となる糖)の貯蔵である。運動で消費されたグリコーゲンを食事で補充するとき、グリコーゲン1gにつき約3gの水分がセットで貯蔵される。つまり、運動後に通常の食事を取るだけで、グリコーゲンとともに水分が体内に蓄積され、体重が増えるのだ。
❸ 疲労物質
さらに、運動後に筋肉に疲労物質がたまると、その濃度を薄めるために水分が集まり、むくみが生じる場合もある。
つまり、運動を始めたばかりの時期の体重増は、筋肉が付いたからではなく、体内の水分量が一時的に増えた結果である可能性が高い。いわゆる「張っている」状態だ。
この一時的なむくみは、超回復が終わり、体がトレーニングに慣れてくれば自然に落ち着いていく。多くの場合、2週間〜1ヶ月ほどで安定するとされている。
女性はとくにむくみやすい
女性の場合は、生理周期によるホルモンバランスの変動も加わるため、いっそう体重が揺れやすい。
生理前2週間(黄体期)はプロゲステロンの分泌が増え、体が水分をため込みやすくなる。運動による水分貯留と重なると、体重計の数字が普段より2〜3kg上振れしても不思議ではない。
また、女性は男性に比べて筋肉量が少ない分、ふくらはぎのポンプ機能(血液を心臓に押し戻すはたらき)が弱い。血流が滞りやすく、もともとむくみが出やすい体質であることも覚えておきたい。
最初の数ヶ月の体重増で運動をやめるのは損
もろもろの体の変化がある程度落ち着いてくるのには、半年くらい、見たほうが良いのでは?と思う。
運動を開始して数ヶ月の体重増で、慌てて運動をやめたり、ほかの方法に走ったりするのは、時期尚早かもしれない。
- 「体に、これから必要な筋肉が付いていくよ!体が変わり始めているよ!」
という、せっかくのサインかもしれないのに、そこでやめたら、もったいない。

