「加齢臭」というと「オジサンのニオイ」というイメージがあるが、女性にも男性にも、加齢臭は存在する。
加齢臭なんてイヤだ!と思いがちだけれど、歳を取る以上、誰にでも加齢臭のリスクはある。原因を理解して、対策を理解しておくことが、大切。
資生堂が発見した「中高年の加齢臭」の原因と対策
実は、「加齢臭」という言葉を作ったのは、資生堂だ。
以下は、資生堂のホームページからの引用(赤線は筆者が追記)。
加齢臭とは、中高年に特有の「脂臭くて、青臭いニオイ」のこと。
1999年に、資生堂が加齢にともなって発生するニオイの原因物質「ノネナール」を発見。今では一般的に使われている「加齢臭」という名前も、資生堂が命名しました。
ノネナールは、年を重ねると増加するパルミトオレイン酸(脂肪酸)が、過酸化脂質や皮膚常在菌によって酸化したり分解されることで発生します。
ノネナールは男女問わず、40歳を過ぎたころから増えてくるので、男性に比べ皮脂量の少ない女性でも、安心はできません。特に、皮脂量が増える暑い季節は、要注意です。
どう防ぐ?加齢臭対策
まとめると、
- 加齢臭の原因になる物質は「ノネナール」
- ノネナールは男女問わず40歳を過ぎた頃から増える
- ノネナールの元はパルミトオレイン酸や過酸化脂質
ということになる。
つまり、予防のポイントは、
- パルミトオレイン酸を減らす
- 過酸化脂質を減らす
の2つ。
パルミトオレイン酸を減らす対策はどうすれば良いか?
パルミトオレイン酸は脂肪酸なので、減らすためには口に入れる脂肪分を減らすことが重要。
特に動物性脂肪はパルミトオレイン酸を増やす原因になる。
- 脂肪の多い肉
- バター
- チーズ
- 生クリーム
などは、加齢臭を促進しやすい食べ物。
過酸化脂質を減らす対策はどうすれば良いか?
「過酸化脂質」は、活性酸素が体内で増えたときに大量に発生するという特性がある。
活性酸素は、体を酸化させる(サビさせる)成分。抑えるためには「抗酸化作用のある食べ物を摂る」ことが重要だ。
抗酸化作用の強い成分といえば、「ビタミンC」。
ビタミンCは、フルーツや野菜に含まれているが、水溶性で体内に貯蔵しておくことができない(不要な分はすぐに体外に排出される)。
そのため、毎日コンスタントに取り続ける必要がある。加齢臭を消すレベルでしっかり抗酸化するためには、サプリメントを使うのが早い。
国内のサプリメントは成分含有量が低いので、サプリメント先進国であるアメリカ製のビタミンCサプリ(エスターCなど)を使うと効果が実感しやすい。
また、
- お酒
- タバコ
- 過度な運動
- ストレス
- 紫外線
体内の活性酸素を増やす原因となるため、避けた方が良い。
加齢臭の対策ボディソープ
加齢臭対策のボディソープはたくさんあるが、加齢臭研究の老舗である資生堂のボディソープが、一番効果が高いといわれている。
それ以外に、Amazonで売れているボディソープは下記の通り。
Amazonランキング(加齢臭対策ができるボディソープ)
余談:ライオン・マンダムが発信している加齢臭
ここから余談になるが、資生堂の他に、
- ライオン
- マンダム
も、年齢を重ねるとともに現れる特有のニオイについて、発信している。
資生堂が発信している加齢臭は、「ノネナール」を原因としているが、ライオン・マンダムは、それぞれまた別の物質を原因としている。
ライオン発「30代男性特有のニオイ」
2008年にライオンが発表したのが「ペラルゴン酸」を原因とするニオイ。
30代の男性には特有の臭いがあるらしい。ライオン株式会社・ビューティケア研究所の発表によると、男性も30代にもなれば「体臭が変化した」と感じ始めるとのこと。ちなみにこの臭いは加齢により発生するものの、いわゆる「加齢臭」(2000年に資生堂の研究所が発見・命名)とは異なる。(中略)
「30代男性特有の臭い」を特徴づける物質が「ペラルゴン酸」であることを解明した。ベラルゴン酸とは「使い古した食用油臭に似た独特のアブラっぽいニオイを発する」という。
ライオンが着目、「加齢臭」とは違う30代男性特有の体臭とは
当時のリリース原本は見つけられなかったが、リリースをコピペしているブログ記事を見つけたので貼っておく。
上記URLよりリリースの趣旨をまとめると、
- 30代男性は、10代男性のニオイとも加齢臭とも違う、独特のニオイを持つ
- その独特のニオイを発しているのはペラルゴン酸
- 30代は皮脂の分泌量がピーク。一部の皮脂が酸化しペラルゴン酸に変化したのでは?
- メマツヨイグサ抽出液には酸化抑制効果あり。テストで消臭効果も確認済
- これからメマツヨイグサ抽出液の商品を開発し販売予定
ということで、メマツヨイグサ抽出液配合商品をPRするリリースになっている。だが、肝心のメマツヨイグサ抽出液配合商品はその後どうなったのかは謎。
マンダム発「ミドル脂臭」
資生堂が1999年に発表した「加齢臭」に対抗するかのように、マンダムが2013年に発表したのが「ミドル脂臭」。
「ミドル脂臭」は、30代半ば~50代半ばで最も強くなります。「ミドル脂臭」の原因成分は「ジアセチル」で、これは汗の中の乳酸が、皮膚上の常在細菌(ブドウ球菌)に代謝・分解されることによって発生します。「ジアセチル」と「皮脂臭(中鎖脂肪酸)」が混ざることで、不快な「ミドル脂臭」となります。後頭部・頭頂部・うなじを中心に発生し、使い古した油のようなニオイが特徴です。
「ミドル脂臭」の特徴
「加齢臭」は50代以降の全身のニオイを指しているのに対し、「ミドル脂臭」は30代から始まる頭皮のニオイを指しているのが特徴。
原因物質は「ジアセチル」とされている。
「ジアセチル」自体にも「使い古した油」のようなニオイがあるそうだが、これに頭皮に存在する「中鎖脂肪酸」が混ざると、さらに強い異臭を放つというもの。
「ジアセチル」は、汗に含まれる「乳酸」を皮膚にいる「ブドウ球菌」が分解することで発生する。ということは、「乳酸」と「ブドウ球菌」を減らすことができれば、ミドル脂臭も収まるというわけだ。
このような理論を元に、マンダムから発売されているのが、下記のアイテム。
「40才からのミドル脂臭対策」と明記されており、ミドル脂臭を殺菌防臭する力が強い。