先日、カフェイン断ちの記事であらためて記事にしたいといっていた「DMAE」について、今回は書いていきたい。
わたしは長年、カフェインに頼って仕事をしてきたが、カフェイン断ちするにあたって、とても頼りになったのが、DMAE(ジメチルアミノエタノール)というサプリだった。
DMAEは、集中力や記憶力をサポートする“ブレインサプリ”、“スマートドラッグ”として知られてきたが、近年は「飲むハイフ」「飲むリフトアップ」などと呼ばれ、美容目的で手に取る人が増えている。
脳と顔(美容)、まったく別の効果が同じサプリで得られる。その仕組みは、アセチルコリンという神経伝達物質が、脳にも筋肉にもはたらくから。
DMAEとは何か?
まずはDMAEとは何か?について整理しておく。
DMAEは青魚に多く含まれる脂肪酸の一種
DMAEの正式名称は「ジメチルアミノエタノール」。イワシやサケなど青魚に多く含まれる脂肪酸の一種で、脳の神経伝達物質であるアセチルコリンの前駆体(原料になる物質)として知られている。
アメリカでは、1970〜80年代にADHD治療の処方薬として使われていた歴史もあるそう。
私がiHerbで購入しているDMAEは以下のもの。

(DMAE(ジメチルアミノエタノール))
血液脳関門を突破できるアセチルコリンの前駆体
「アセチルコリン」とは何か?というと、記憶・学習・注意力をつかさどる重要な神経伝達物質である。
頭を良くするためには、アセチルコリンを補給したい。しかし、アセチルコリンそのものを口から摂っても脳には届かない。血液脳関門(脳を守るバリア機構)を通過できないためである。
そこで、アセチルコリンの前駆体であるDMAEの出番になる。DMAEは分子が小さく、血液脳関門を突破して脳内に入り込めるからだ。脳に到達したDMAEは酵素のはたらきでコリンに変換され、さらにアセチルCoA(補酵素A)と結合してアセチルコリンへと合成される。
アセチルコリンの前駆体は、DMAE以外に「コリン」や「レシチン」もある。
私は以前レシチンを飲んでいた時期があって、「リポソーム化ビタミンC「リプライセル」とは?試した効果 口コミ評価につられ」の記事で触れたことがある。
コリンやレシチンと比べると、DMAEは脳への到達効率に優れているとされ、スマートドラッグとして長年支持されてきた。
DMAEが「顔」にも効く理由
さらに、DMAEは、
- 顔が小さくなる
- リフトアップする
- たるみケアができる
…といった美容分野でも人気がある。なぜ、脳に効くDMAEが顔にも効くのかといえば、アセチルコリンは脳だけでなく、全身の筋肉にも信号を送る物質だから。
そして、顔の筋肉(表情筋)は骨ではなく皮膚に直接ついているという、構造的な特徴も、DMAEが顔に効く理由となっている。
というのは、体の筋肉は骨格に付着しているため、多少の筋力低下では見た目が大きく変わらない。
しかし顔の表情筋は皮膚を直接支えているから、加齢でアセチルコリンの分泌が減り筋肉の収縮力が落ちると、そのまま「たるみ」として顔に表れてしまう。
DMAEの摂取でアセチルコリンの産生がサポートされると、表情筋の収縮力が回復し、顔全体が引き締まる。結果として、小顔・リフトアップ効果が得られるというわけ。
2005年にはジョンソン&ジョンソン社が3%DMAE配合クリームの有効性に関する論文を発表しており、美容皮膚科の現場でも、DMAEは実績のある成分として認知されている。
Grossman, 2005. Am J Clin Dermatol; 6(1): 39-47.
iHerbなどのレビューに見るDMAEの効果
iHerbなどのレビューを読んでいておもしろいのは、同じサプリなのに、脳の話をしている人と顔の話をしている人が混在しているところ。
脳機能・集中力への効果
レビューのなかで多いのが、
- 頭がクリアになる
- 集中力が持続する
という声。
英語圏のレビューには、ブレインフォグ(頭にモヤがかかった状態)が劇的に晴れたという声が多い。
15分ほどで集中力が定まりはじめ、ジリジリした刺激感はなく、クリーンな覚醒感が得られる
といった報告が見られる。
それから目立つのが、ADHD傾向の人からの反応。
「ADHDの薬を使いたくなくて、DMAEに切り替えた」
という声がある。前述のとおり、DMAEはかつてアメリカでADHD治療の処方薬だった。今は処方薬ではないけれど、刺激系の薬剤とは違う穏やかな集中をもたらすサプリとして、愛用している人が多い。
いっぽうで「まったく何も感じなかった」という人もいる。
あるユーザーは、
「 自分は普段から大豆食品を多くとっていたため、効果を感じなかったのではないか」
と分析していた。大豆にはアセチルコリンの前駆体であるコリンが豊富に含まれる。すでにアセチルコリンが十分に産生されている人には、インパクトが薄い可能性がある。
小顔・たるみ・リフトアップへの効果
DMAEは、美容面のレビューも多い。
- 飲み始めて翌朝、頬が引き上がった
- 40代で飲み始めて、いまだにほうれい線がない
- 顔全体がすっきりリフトアップする感じ
- アゴのラインがシャープになった
などなど。
飲むのをやめると元に戻るという声も目立つ。「飲まないと不安」「やめるにやめられず10年以上飲み続けている」という人もいた。
ちなみに、「飲むハイフ」というキャッチーな呼び名で美容系SNSに広まったが、ハイフ(HIFU:超音波による引き締め施術)とDMAEの作用メカニズムはまったく異なる。
- ハイフ…超音波の熱で筋膜層を収縮させる
- DMAE…神経伝達物質を介して筋肉の収縮をサポートする
当たり前だが、効果のスピード感や持続性も全然違うので、同一視はできない。
それから、DMAEの小顔効果については「サプリで飲むより、DMAEを配合したクリームを直接塗ったほうが効果が高い」というデータもあるようだ。
私の体感としては脳にはとても効いた、リフトアップは初期に感じた
さて、ここからは私の体感の話。
DMAEを飲んでいたらあっさりカフェインをやめられた
まず、前回の記事で書いたことだけれど、DMAEを飲んでいたら、脳の集中感がとても良くて、カフェインをすんなりやめられた。
仕事面では、DMAE+セージ(もうひとつ愛用しているハーブサプリ)の組み合わせでバリバリ集中できる日が増えた。ただ「バリバリ」といっても、カフェインのようなハイテンションではなく、落ち着いて淡々とこなせる持続型の集中力だ。
パフォーマンスという観点でみれば、カフェインに頼っていたとき以上に、生産性が高くなったと思っている。
精神的な落ち着きが増して頭の回転も良くなった
DMAEを飲み始めて、精神的な落ち着きを明確に感じた。たとえば、緊張感の強い大きな会議の場面で、いつもなら舞い上がったり顔がカッと熱くなるところが、メタ認知的に自分を観察できる状態を保てる。声のトーンも落ち着いて低くなり、堂々とした話し方になる。
それから、脳の認知機能の上昇を実感できたのが、固有名詞を思い出すのがスムーズになったこと。年齢とともに、人の名前などがパッと出てこないことが増えた。DMAEを飲んでいる期間はポンポンと出てくる。
何日も思い出せなかった固有名詞がふと出てきて、「DMAEの効果を感じた」と当時の日記に残しているほどだ。
飲み始めの初期に感じた眠気とまぶたの変化
いっぽうで、1年半ほど飲み続けた今ではすっかり感じなくなったが、飲み始めの初期には2つの違和感があった。
まず、眠気。朝に飲み忘れて昼頃に飲むと、午後にてきめんに眠くなる日があった。朝イチに飲む分には問題なかったのが不思議なところではある。先述の「アセチルコリンが足りている人は効果がない」という法則に照らすと、日によってアセチルコリンの需要が変動しているのかもしれない。
次に、まぶたの違和感。「DMAEで小顔になる」「顔が引き締まる」とよくいわれるが、わたしの場合は上まぶたが引っ張られるような感覚があった。二重幅が狭くなったように見える日もあり、メイクが決まらない感じがした(やがて気にならなくなった)。
レビューでも「つり目になって、表情が怖くなったのでやめた」という声を見かけた。でも、そのような声は多いわけではなかったから、目元への影響は個人差が大きいのだと思う。
ほかにも、私がDMAEを飲み始めた初期は、妙にSNSを延々と見続けたり(集中しすぎ?)、寝汗をかきやすくなったりといった変化があった(数日〜1週間飲み続ける頃には気にならなくなって忘れていた。当時の記録を読み返して思い出した)。
「飲まない期間」に気づく効果
長期的にDMAEを飲み続けているとだんだん慣れてくるので、効果は飲んでいるときよりも、やめたときに自覚しやすいかもしれない。
あるとき、DMAEを1週間ほど抜いてみたところ、ヨガのクラス中にやたら昔のことを思い出して泣きそうになったり、急に言い間違いが増えたり、固有名詞を思い出せない感じが戻ったりした。
人との会話中には「ギャンギャンする感じ」「上滑りする感じ」があって、話し方が粗くなってしまう場面もあった(DMAEを飲んでいるときは、落ち着いた呼吸で低めの声でゆっくり会話できていたのに、DMAEが切れている状態だと、空回るような感じ)。
iHerbのレビューにも「少し服用しない期間があると、顔全体のたるみ、頭の冴え、気力が違う」という声があり、たしかにと思った。
顔の変化は初期に「シュッとした」
美容面の体感としては、DMAEを飲み始めた当初、鏡を見てリフトアップしたような実感があった。「顔がシュッとしたかも」と当時の記録に残している。
ただし、飲み続けているとその顔に慣れてしまうため、変化を感じにくくなる。これも「飲み始めの数日がいちばん効果を実感する」「やめたときに戻ったと気づく」パターン。
今の私の顔が、DMAEのリフトアップ効果の恩恵をどれだけ受けているのかは、正直なところ未知数だなと思う。DMAEのおかげで現状維持できているのかもしれないし、なくても同じだったのかもしれないし…。
少なくとも、悪い影響はない。確証はないものの、DMAEによって加齢に抗えている感覚はある。
DMAEで注意したほうがよい副作用
DMAEは基本的に安全性の高いサプリとされているけれど、アセチルコリンは全身にはたらく物質であるため、思わぬ副作用が出る場合があるようだ。
肩こり
有名な副作用が肩こり。アセチルコリンの筋肉収縮作用が肩や首まわりの筋肉に及ぶと、緊張が増して肩こりを引き起こす。
ただし、逆に「肩こりが治った」という声もある。もともとアセチルコリンが不足して筋肉のトーンが落ちていた人と、すでに筋緊張が強い人とでは、反応が正反対になるのかもしれない。
胃痛・胃のむかつき
アセチルコリンには胃酸の分泌を促進するはたらきがあるため、空腹時に飲むと胃痛が起きやすい。胃が弱い場合は、食後の服用などで調整している人もいるようだ。
てんかん・双極性障害・パーキンソン病には禁忌
DMAEは、てんかん・双極性障害(躁鬱病)・パーキンソン病の方には推奨されない。アセチルコリン系の神経伝達に影響を与えるため、これらの疾患の症状を悪化させる可能性があるそう。該当する方はかならず医師に相談を。
以下はNOW FoodsのDMAEの製品ラベルに書いてある注意書き。

成人専用です。妊娠中・授乳中の方、またはてんかん、双極性障害、統合失調症、パーキンソン病のある方は使用しないでください。薬を服用中の方、または持病のある方は医師に相談してください。
と書いてある。
妊娠中・授乳中は避ける
上記のNOW Foodsの製品ラベルにも明記されているとおり、妊娠中・授乳中・妊娠の可能性がある方は使用を控えること。
DMAEの飲み方のコツと相性のよいサプリ
最後に、DMAEの飲み方について。
1日の摂取量と飲むタイミング
一般的な目安は1日250〜750mg。NOW FoodsのDMAEなら1カプセル250mgなので、1日1〜3粒が標準量。ボトルには以下のとおり書いてある。

1回1カプセルを、1日1〜3回服用してください。できれば食間に服用してください。医師の指示がない限り、推奨量を超えて服用しないでください。
いろいろな情報を見ると、DMAEは朝に飲むことが推奨されているようだ。朝飲むと、集中力が必要な日中にアセチルコリンのサポートを受けられる。また、夜に飲むと覚醒作用で眠りにくくなる人もいるらしい。
ただし、逆に、DMAEで眠気が出やすい体質の人で、夜に飲んでいる人も見かけた。これは自分で調整したほうがよさそう。
DMAEは、毎日飲み続ける人もいれば、「仕事で集中したいときだけ」「ミスできない日だけ」と頓服的に使う人もいる。iHerbのレビューにも「毎日ではなく、朝寝起きが悪くぼんやりしている時やミスできない時など、単発的に飲んでいる」という声があった。
相性の良い栄養素
DMAEの効果を引き出すうえで、相性が良いとされる栄養素がある。
- ビタミンB5(パントテン酸): アセチルCoA(アセチルコリン合成に必要な補酵素)の構成成分。DMAEがアセチルコリンに変換される過程を効率よくサポートする。
- ホスファチジルコリン(レシチン): コリンの供給源としてDMAEと補完関係にある。大豆レシチンやヒマワリレシチンが一般的で、記憶力サポートの文脈ではDMAEよりレシチン派も少なくないようだ。
- DHA・EPA: 同じく脳機能をサポートする脂肪酸。魚由来のサプリとDMAEの組み合わせは、定番のスタック(組み合わせ)になっている。
私自身は、ビタミンB群のサプリと豆乳・納豆のような大豆製品、DHA・EPA製剤を飲んでいるので、上記はカバーしている。

