いま私はカフェイン断ちしている。大好きで凝っていたコーヒーも、エスプレッソも、カフェインの錠剤も、完全にやめた。
カフェインを積極的に取っていた時期は、「カフェインがあったほうが、仕事の集中力も、ダイエット(食欲抑制や脂肪燃焼など)も、圧倒的に良い」と思っていた。
だから続けてきたわけだけれど、あるとき、デメリットのほうが目立つようになってきて、
「カフェイン一切やめたら、どうなるのか?すべてが好転するのでは?」
という興味に取り憑かれ、カフェイン断ちを決行した。
結果として、カフェインを一切断ってしまえば、カフェインに頼っていたときよりも、仕事の集中力を高められることがわかった。そして、カフェインの弊害だった、カフェインの体内残存量と連動して起きていたメンタルのブレ(イライラするなど)が消えていってくれた。
私とカフェインのお付き合いからカフェイン断ちまで(時系列)
まずは、私がどのようにカフェインと付き合ってきたか、なぜカフェイン断ちに至ったのか、時系列で書いていく。
❶ 豆にこだわりハンドドリップ→フレンチプレス→エスプレッソ多飲の時代
振り返れば高校生の頃からカフェインへの傾倒はあった。大学受験を、ドロドロなほど濃く溶かしたインスタントコーヒーをお供に乗り切った記憶がある。
が、「コーヒーを飲むと、一時的に集中力は上がるが、体調が悪くなる」という体感もずっとあった。それを解消する術として出会ったのが「良質な豆で、自分でドリップして飲む」という方法(コーヒー豆にこだわれば体調悪くならないという発見)。
もともとコーヒーの味は大好きだったから、そこからコーヒーの旅が始まり、専門店の豆をフレンチプレスで淹れ、エスプレッソマシンでソイラテを作るようになった。
ただ、「コーヒーがあれば絶好調だけれど、コーヒーがないと動けない」という状態が、徐々にひどくなっていった。仕事が非常に忙しくなったタイミングで、摂取するコーヒーの量も増えていく。
また、コーヒー豆の選び方や抽出方法によって、カフェインの効き方にブレが大きいことが気になり始めたのも、この時期。それをカバーするために、さらにコーヒー量が増えるという悪循環。
❷ カフェイン錠剤への移行
その後、仕事や生活のことでコーヒーを優雅に愉しむ余裕などない時期に差し掛かり、コーヒーの変数(豆の品質・焙煎度・抽出方法)でカフェインから得られるパフォーマンスにブレが出ること、それを調整することが面倒になってきた。
しかし自分の脳と体を動かさねばならないので、より効率的に良質なカフェインを摂取するため、サプリメントの錠剤を取り入れるようになった(時期としては2021年の夏頃のこと)。
今はiHerbでの取り扱いが終了してしまい購入できないのだけれど、「Kaged/ピューキャフ」という製品を大愛用していた。この製品に配合されていた「PurCaf(ピュアカフ)」というカフェインが大変すばらしく、大好きだった。

(Kaged, ピューキャフ、カフェイン、ベジカプセル100粒 (販売終了商品))
1粒あたり200mgのカフェイン量を含有するサプリメントで、これを毎朝1錠ずつ飲む生活になった。
このサプリに出会うまでに、合成のカフェインサプリメントをいろいろ試したけれど、どれも気持ち悪くなったりして、体に合わなかった。それが、すべて一掃されて、毎日を快適に過ごせるサプリだった。
ちなみに、Kagedが入手できなくなってからは、「The Genius Brand/ジーニアスカフェイン」をずっとリピートしていた。

(The Genius Brand/ジーニアスカフェイン)
こちらは1粒100mgで、PurCafのようにオーガニックのカフェインではないものの、ほかのカフェインサプリのような具合が悪くなる感じがなくて、これも長く愛用した。
❸ カフェインが切れたタイミングでイライラしやすいという発見
「カフェインさえあれば、使い物になる自分でいられる」という信頼感は大きなもので、ずっとカフェインを愛用していくものだと思っていた。
ただ、カフェインが切れたタイミングでイライラしやすいことに気づいた。カフェインが “ある” 状態が通常運転で、なくなると、不安定になる。この感じが嫌だな…とうっすら思い始める。
カフェインによって集中力や気力を先取りして、カフェインが切れるとメンタルがブレて、またカフェインを摂取して──の繰り返し。
❹ DMAEを飲み始めたタイミングで完全ゼロへ
そのようなこのようなで、カフェインに対する違和感を少し抱きつつも、「ないと仕事にならない、ないとうまく生活できない、だから必要」という考えで、100mgのジーニアスカフェインの摂取を続けていた。
転機となったのは、2024年10月頃に、DMAE(ジメチルアミノエタノール)というサプリを飲み始めたこと。これは大変ユニークでおもしろいサプリなので、あらためて記事にしようと思っている。
簡単にいうと、DMAEは脳の神経伝達物質であるアセチルコリンの原料となる成分で、集中力や記憶力をサポートするとされるもの。そのうえ、「小顔になる」「顔が引き上がる」とリフトアップの文脈でも愛用者が多い。

(DMAE(ジメチルアミノエタノール))
DMAEの飲み始めの頃は、まだカフェインと併用していた。朝にORS(経口補水液)とカフェインとDMAEを一緒に飲む。
しかしDMAEの効果を感じ始めたとき、ふと「カフェイン、抜いてみるか…」と思い立った。2024年10月22日、カフェイン断ちをスタートした。そこから現在まで、カフェインの錠剤やコーヒーは摂取せずに今に至っている(コーヒーは外食時の食後に提供されてやむを得ないときのみ、飲んだことがある)。
❺ 意外と大丈夫だった離脱症状
カフェイン愛用歴が長いので、それなりにカフェインの離脱症状は覚悟していた。しかし、拍子抜けするほど軽かった。
理由はおそらくふたつある。ひとつは、すでにカフェインの摂取量を100mg/日まで減らしていたため、急激な離脱にならなかったこと。もうひとつは、DMAEがカフェインとは別の経路で脳の覚醒をサポートしてくれていたこと。頭痛もほとんどなく、朝の寝起きの悪さも感じなかった。
11月1日の記録には「DMAE飲んで、カフェインなしでサッパリ起きている、仕事もはかどっている」と書いている。11月2日には「カフェイン飲んでないけど、集中力OK。DMAEとセージはいいかもしれない」。
あんなに「カフェインなしでは自分は使い物にならない」と心底信じていたのに、すんなりとカフェインなしで、カフェインあり時と遜色ない自分を実現できてしまった。
カフェインをやめて変わった4つのこと
こうしてカフェインを断って、今は1年半以上が経過している。やめてから実感した変化は以下のとおり。
❶ 「ジェットコースター」がなくなった
カフェインがある時代の集中力は、ジェットコースター型だった。飲んだ直後にガーッと上がり、切れるとストンと落ちる。
カフェイン断ち後の集中力は、淡々として安定している。ドラマチックな高揚はないが、急降下もない。朝起きてから夜まで、一定のペースで仕事ができる。
爆発的な集中力はカフェイン時代のほうがあったかもしれないが、1日トータルの生産性は現在のほうが高い。
❷ イライラが激減した
カフェインを常用していた頃、イライラの頻度が高かった。記録を読み返すと「イライラしている」「怪獣になりそうだった」「壁をぶち壊したいような衝動」といった表現が何度か出てくる。
当時は糖質や塩分のせいだと分析していたが、振り返ると、カフェインの離脱症状としてのイライラが相当あったと思う。カフェインが切れかけの時間帯にイライラが出て、カフェインを飲めば収まる。水をガブ飲みしてカリウムやマグネシウムを足しても収まらないのに、コーヒーを飲むとスーッと落ち着くパターンがあった。これは栄養不足ではなく、依存物質の離脱症状と考えられる。
カフェインを完全にやめてからは、そういう種類のイライラがなくなった。もちろん人間だから機嫌の波はあるが、「理由もなく猛烈にイライラして自分でもコントロールできない」というカフェインの離脱症状からくるイライラは消えた。
❸ 赤面しにくくなった
これは副次的な効果だが、私にとっては大きかった。私は赤面症で、人と話すときに顔がカーッと赤くなるのが長年の悩みだった。
カフェインは交感神経を刺激するため、もともと自律神経のバランスが崩れやすい私には、赤面を助長していた可能性がある。カフェインを断ち、セージやDMAEに切り替えてからは、赤面するシーンが明らかに減った。
❹ コーヒーの「おいしさ」への執着が消えた
意外だったのは、コーヒーが飲みたくなくなったことだ。
あれほど豆の銘柄にこだわり、エスプレッソマシンを使い、「このコーヒーは頭がスッキリする」「この豆はイマイチ」と語っていた自分が、今はコーヒーへの渇望を感じない。
コーヒーを愉しむことは大好きだったけれど、味覚の喜びだけでなく、カフェイン依存が上乗せされていたようだ。依存物質が切れかけのときに摂取すると、枯渇が満たされた「安堵感」がおいしさにプラスされる感じ。
今も「味を愉しむためにコーヒーを飲みたい」という気持ちがないわけではないが、カフェイン断ちして得たものがゼロにリセットされるのが怖くて、コーヒーは避けている。チョコレートなどのカフェインを含有するほかの食材も同様に。
カフェイン依存の正体とは?脳の仕組みから理解する
ここまで体験談を書いてきたが、なぜこうなるのかを知っておくと、自分の体で起きていることが腑に落ちる。
カフェインは「元気にする」のではなく「疲れを隠す」
私たちの脳では、活動するほど「アデノシン」という物質がたまっていく。アデノシンが受容体に結合すると、脳は「疲れた、眠い」という信号を出す。これは正常な保護機能であり、休息を促すためのセンサーだ。
カフェインは、このアデノシンと化学構造がよく似ている。そのためアデノシンの代わりに受容体に結合し、疲労信号をブロックしてしまう。農林水産省も、カフェインはアデノシンの受容体に結合してそのはたらきを阻害し、神経を興奮させると説明している。
つまり、カフェインはエネルギーを与えてくれるわけではなく、疲労を感じなくさせているだけ。「元気を前借りしている感じ」は自分の体感としてあったけれど、仕組みとしてもやはりそうなのだ。
耐性がつくと、飲んでも「普通」にしかならない
カフェインを毎日摂り続けると、脳はアデノシン受容体の数を増やして対抗しようとする。受容体が増えれば、より多くのカフェインを摂らないと同じ効果が得られない。これが耐性。
耐性がついた状態では、カフェインを飲んでも「覚醒する」のではなく、「普通の状態に戻る」だけになる(飲まなければ普通以下に落ちる)。カフェインなしでは「普通」になれない状態を自分で作り出し、カフェインで「普通」に戻す自転車操業に陥ってしまう。
私のケースでいえば、「カフェインをとっていると仕事ができる」と感じていたのは、カフェインのおかげで生産性が上がっていたのではなく、カフェインが作り出した「底」から「ゼロ地点」に戻していただけだった。やめてみたら、ゼロ地点が底よりずっと上にあった。
離脱症状のピークは24〜48時間後
カフェイン断ちをするにあたって、ネックとなるのが離脱症状。一般的には、摂取を中止してから12〜24時間で症状が出はじめ、24〜48時間後にピークを迎えるとされている。おもな症状は頭痛・倦怠感・集中力低下・イライラ・眠気で、多くの場合は2日〜9日間で収まるという。
ただし、倦怠感や気分の落ち込みが2週間以上続くケースもあるとの報告がある。約1カ月でカフェインへの依存性がなくなり、離脱症状もほとんど出なくなるというのが一般的な目安。
私の場合は、すでに100mg/日まで減量していたことと、DMAEという別ルートの覚醒サポートがあったことで、離脱症状はかなり軽く済んだ。
段階的な減量は、急にやめるよりも離脱症状が軽度で期間も短くなる傾向があるとされている。
eo健康「カフェイン断ちの効果とは?離脱症状を抑える正しいやり方」
カフェインの代わりに何をしたか
うまくできた私のカフェイン断ちだが、代用として役立ったものをまとめておく。
❶ DMAE(ジメチルアミノエタノール)
ここまでに何度か書いているが、カフェイン断ちを成功に導いた最大の立役者が、DMAEというサプリだ。
DMAEは脳内の神経伝達物質「アセチルコリン」の原料となる成分で、集中力や記憶力をサポートする。カフェインがアドレナリン系のルートで覚醒させるのに対し、DMAEはアセチルコリン系という別のルートで脳の機能を支える。
カフェインの覚醒が「ガンと叩き起こされる感じ」だとすれば、DMAEは「もともと起きていたかのように頭が澄んでいる感じ」。ジリジリした焦燥感も、切れたあとの急降下もない。
❷ セージ
DMAEと組み合わせて飲んでいたのが、セージ(サルビア)のサプリだ。ハーブの一種で、認知機能のサポートや抗酸化作用が報告されている。
詳しくは以下の記事で取り上げている。

私にとってのセージの効果は、精神的な落ち着きだ。DMAEが「頭のクリアさ」を担当し、セージが「心の穏やかさ」を担当しているような感じ。カフェインを飲んでいた頃のような舞い上がりや赤面が減ったのは、セージの効果が大きいと感じている。
❸ 経口補水液(ORS)
カフェイン断ちに限ったことではないけれど、本当に重要なのが水分補給。
カフェインには利尿作用があるため、カフェインを常用している人は慢性的に脱水気味になりやすい。私の記録を見返すと、イライラや頭痛が出たときに水をガブ飲みしたり経口補水液を飲んだりすると改善するパターンが繰り返し出てくる。「カフェインが切れてイライラした」と思っていた症状の一部は、じつは脱水だったのかもしれない。
カフェイン断ちを始めた直後は、経口補水液の朝1杯も習慣にしていた。カフェインほどの覚醒感はないが、「なんとなくだるい」が消えてくれる。


