今月の質問回答その2。
私は最近、ミネラルコスメや手作りコスメなど、肌に良さそうな化粧品に興味があります。
管理人さんは、これらの化粧品についてどのように考えていますか?また、ご使用になったことがありましたら、使用感などブログで教えて頂けると嬉しいです。
ちなみに私は、ミネラルコスメでかつ石鹸で落ちる所がいいと思って、ベアミネラルを使っていました。
使い始めは肌が軽くなった感じがして、とってもよかったのですが、使い続けているうちに、粉っぽさとニオイが気になってきて、最近は違う化粧品で石鹸で落ちるものを使っています。しかし、なかなかしっくりこなくて。。
自然派だから良くて、人工物だから悪いとは言えない
まず、結論から書いてしまうと、
- 「自然由来だから良くて、人工物だから悪い(またはその逆)」のような単純なことは言えない
というのが、私の基本的なスタンスだ。
研究職の人たちの中には、
- 「自然派化粧品の方が、よほど怖い」
という意見も多いから、興味深い。
「アレルギーの原因となる不純物を多々含んだ自然物よりも、精製されて純成分しか含まない加工品の方が安全だ」という考え方もあるのだ。
「すべての人にとって肌に悪いもの」は売っていないが、自分の肌で判断が大事
日本で製造している化粧品には、厳しい規制がある。
どのメーカーのどんなブランドの化粧品でも、基本的には、安全なものしか売っていない(まれにニュースになるほどトラブルを起こす化粧品もあるが、割合としては非常に小さい)。
ただし、「人によって肌荒れする」「アレルギーが出る」ということは多々ある。それは自分の肌で判断するしかない。
特に、ナチュラルコスメや手作りコスメなど、天然成分を利用したコスメほど、思わぬアレルギーのリスクがある。
ミネラルコスメが使えない金属アレルギーの人もいれば、いつも特定の植物成分で湿疹が出る人もいる。
実際に使ってみて、
- 「あれっ、変だな」
と思ったら、どんなに良いと信じているコスメであっても、即・やめる。その迅速かつ適切な判断が、自分の肌を救う。
ケミカルでもナチュラルでも、自分の肌に合うことが第一優先
私自身のことを書くと、「食べ物」に関しては、できるだけ化学調味料を含まない自然派の食べ物を選びたいという考えだ。
それは、「化学調味料の恐ろしさが云々……」などの思想があるわけではない。
単に、化学調味料を含んだ食べ物を食べると、精神的にイライラしたり体調が悪くなったり、自分の心身が悪影響を受けることを確認したからだ。
つまり、自分には合わないと感じているから。合う人には合うのだと思うが、自分には合わない。だから避ける。
一方、「化粧品」に関しては、超ケミカルな強い成分を使ってもイライラしたりしない。逆に自然派化粧品でかゆくなったりすることもある。
なので、これも〈ケミカル or ナチュラル〉という分け方はしておらず、〈自分に合う or 合わない〉という指標で見ている。
日焼け止めの例
例えば、日焼け止め。
私はケミカルに分類される「紫外線吸収剤」を配合している日焼け止めしか、この夏は使っていない。
ナチュラルに分類される「紫外線散乱剤」※で、この猛暑の日差しに対応するのは不安すぎると感じるからだ(※ミネラルコスメによく含まれる酸化亜鉛や酸化チタンは紫外線散乱剤)。
以前、記事に書いた「アネッサ」は、超ケミカルな日焼け止めだが、これを使っている方が肌の調子が良いから、愛用している。
また、「紫外線を浴びる悪影響」と、「紫外線吸収剤を塗る悪影響」をてんびんに掛け、前者の方が圧倒的に大きいと考えて、紫外線吸収剤を選択している。
- 自分にとって、何が優先事項なのか
を常に指標に考えている。
ベアミネラルは昔使ったことがあったが、仕上がりが合わず
ご質問文にあった「ベアミネラル」については、過去に使ったことがある。でも、残念ながら仕上がりが合わずにやめてしまった。粉っぽいのと、色が合わないのとで。
(何年も前の話なので、現在はもっと進化して使用感も変わっているかもしれない)
石けんだけで洗顔すると肌の調子が悪い
また、私自身の肌に関していえば、
- 石けんだけで洗顔していると、逆に肌の調子が悪くなる
……という傾向がある。
「界面活性剤を抜くと肌がどう変化するのか」の実験で、純石けんのみで洗顔していたら、逆に肌がザラザラになって毛穴が開いてきてしまったのだ。
だから、「石けんだけで落とせる化粧品を使いたい」という気持ちはない。
メイクした日はクレンジング料を使っている
今も純石けんで洗顔することはあるものの、メイクした日は必ずメイクが落ちるクレンジング料を使う。
「石けんで落ちる」と書いてあるコスメであっても、「石けんだけではちゃんと落ちない」ことが多々あるので、そこはあまり信用していない。
今、メインで使っているクレンジングは米ぬか酵素洗顔クレンジング。
米ぬかと小麦ふすまのみの成分でメイクが落ちるユニークな洗顔クレンジング料。
手作りコスメは尿素とグリセリンで作る美肌水を作ったことあり
もうひとつ、ご質問文にあった「手作りコスメ」は、10年以上前に「美肌水」を作っていたことがある。
アトピーなどにも効くと、ちょっとしたブームになった化粧水で、
- 精製水
- グリセリン
- 尿素
の3つの材料で作る。
肌が弱い知人がこれを大絶賛していて勧められ、試してみたのだった(結構、良かった記憶がある)。
※レシピは、まだネットで探せると思うので、気になる人は検索を。
手作り化粧水は、肌が弱くて、避けるべき成分がある人の保湿には、とても良いと思う。
私は肌が弱くなくて(むしろ強い方)、乾燥肌でもない。30代になるまではむしろ、化粧水自体を使わないくらいの超シンプルケアだった。
今は、肌老化を予防するために、積極的に働いてくれる成分が欲しい。それは手作り化粧水では作れない。
というのも、手作り化粧水用に入手できる成分は、限られているから。例えば、私がいま頼りにしているライスパワーエキス※の原料は、個人では入手できない。
……となると、やっぱり手作りコスメではなく、できあがっているコスメを購入するという選択肢になる。
自然派もケミカルも、良いとこ取りするのがいいと思う
結局のところ、自然派でもケミカルでも、自分に合うものを良いとこ取りで使うのがいい、と今は思っている。
この記事を書きながら、ずいぶん昔に、スキンケアからメイクまで、全部自然派でそろえるチャレンジをしたことを思い出した。
……でも、すぐに挫折した。
それが、私にとって心地良いものではなかったから。
本当の自然派を求めるなら慎重に
最後に。「本物の自然派」を求めるなら、よく情報収集して、注意深く選ばないといけないなと思う。
今は「自然派風」のイメージで売っている化粧品が、あまりにも多い。
例えば、ジョンマスターオーガニックが、ノンシリコン・100%植物由来をうたいながら、実はシリコン配合だったニュースは記憶に新しい。
ジョンマスターオーガニックの場合、成分表示自体が間違えていた。こうなると、もう信じられるのは自分の感覚だけ。
自分の肌の調子や、その化粧品を使ったときの感覚(気持ち)をよく見極めることが、一番大切な気がする。