腸環境を整えると心が穏やかになる

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前回、「部屋着の締め付けがストレスに与える影響─イライラ破壊的性格に変貌したのは部屋着が原因だった話」という記事をアップしたが、「鍵は腸環境なのか??」と思った。

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ヨガのインストラクターの言葉が妙にフィット

ヨガのレッスン中、インストラクターがポーズごとにコメントを入れることがある。

おなかの引き締め、便秘改善に聞くポーズです

とか、

集中力を高め、自分とつながりやすくなると言われています

とか。

すーっと聞き流している感じで、そんなに熱心に聞いているわけではないが、たまたま、

腸環境を整えると、心が穏やかになると言われています

という言葉に、耳がピタッ!と貼り付いてしまった。

そうそうそうだった。腸環境と心は、深い関係にあるのだった。

医学の世界では「脳腸相関」と呼ばれている。脳と腸は迷走神経(脳幹から腹部の臓器まで伸びる太い神経)を介して双方向につながっている。注目すべきは、その神経繊維の約9割が「腸→脳」方向の情報伝達を担っているという点。つまり腸は脳の命令を受けるだけの臓器ではなく、むしろ脳に対して膨大な量の情報を送り続けている。脳はその信号を「感情」として解釈する。

下剤を使っていた頃は妙にイライラして仕方なかった

過去に下剤を乱用して腸を痛めつけてしまった時期がある。この頃は、妙にイライラして、仕方なかった。

「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンは、体内の約90%が腸で作られている。脳に存在するのはわずか2%ほど。腸内細菌が食物繊維を発酵させて生み出す短鎖脂肪酸(腸内細菌の代謝産物で、酪酸や酢酸などの総称)が腸の細胞を刺激し、セロトニンの合成を促している。そしてセロトニンが不足すると、怒りやすくなり、それを抑えられなくなる。

腸内環境にせよ、(締め付けなどの)腸外環境にせよ、「腸」を機嫌の良い位置に置いてあげることが、「機嫌」をコントロールするひとつのやり方なのかもしれない。

腸が快調な時期はメンタルも快調

自分の人生を振り返ってみても、腸の快調グラフと、メンタルの快調グラフは、リンクしている気がする。腸の調子が良い時期は、人生の調子も良い時期だ。

便秘のときの不調にもメカニズムがある。便が長時間腸内にとどまると腸内環境が悪化して悪玉菌が増殖し、セロトニンやドーパミン(快感や意欲に関わる物質)を効率よく作れなくなる。

食べたものが気分を左右する

何を食べたかによって腸が気分に影響を与えるという実験報告も興味深い。

被験者が何を「食べている」か認識していなくても、脂肪はドーパミン(快感に関わる物質)の放出を促し、炭水化物はセロトニンの分泌を刺激するという。

これは「やけ食い」に科学的な裏付けを与えるような話でもある。ストレスを感じたとき、甘いものや脂っこいものに手が伸びるのは、腸を通じて脳が快感物質を求めているサインなのだろう。

カラパイア

穏やかな毎日のために、腸に目を向ける

「毎日を穏やかな気分で楽しく暮らす」というのが、結局のところ幸せに直結すると考えると、「腸」に注意を向けることは、とても有益なことに思える。

具体的に何をすればよいか。研究で繰り返し推奨されているのは、

  • 発酵食品(ヨーグルト・納豆・味噌・キムチなど)
  • 食物繊維(野菜・海藻・きのこ・全粒穀物など)

を意識的に取り入れる食習慣。腸内細菌は食物繊維をエサにして短鎖脂肪酸を作り出す。とくに水溶性の食物繊維が重要とされている。

加えて、

  • トリプトファンを含む食材(大豆製品・乳製品・ナッツ類・バナナ・魚など)

を取ると、脳内セロトニンの原料補給にもつながる。

腸が整えば、メンタルも安定する。不機嫌な自分を責める前に、まず腸の声を聞いてみると、ずっとラクに生きられる気がする。

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