だるい。やる気が出ない。うつうつとした気分と、攻撃的なイライラが同居している。何か悪いものでも食べたのか、コロナ禍のストレスなのか、メンタルの問題なのか——。
不調の一端は、前回記事「ストレスで“過食虫”が暴れ出したときの対処と気づき」にも書いた。だが、それだけでは説明がつかない“重さ”が気になっていた。
そのとき、ふと思い当たった。
「あ。低気圧?」
以前、台風シーズンに同じような不調を経験し、マグネシウムが劇的に効いた体験を記事に書いている。

なのに、すっかり意識から抜け落ちていた。
「あ、これ低気圧だ」と気づくまでの思考回路
不調が続くとき、私はまず原因の候補をリストアップする。
鉄不足ではないか(鉄欠乏は私にとってイライラの最大要因のひとつ)。睡眠の質が落ちていないか。太陽フレアのような宇宙由来の影響は?などなど。
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今回は、鉄分を多めに取っても改善しなかった。睡眠は崩れていたが、原因というより結果に見えた。そうやって消去法で候補を潰していった先に残ったのが、「低気圧」だった。
Twitterで[低気圧 だるい]と検索したら、タイムラインは同じ症状の悲鳴であふれていた。
「ほうほう。そうだった、そうだった…!」
——自分の体がダルくなるのは、低気圧がドドンと来る“前”なんだった。
低気圧が来る前から不調が始まる理由
この低気圧が来る前から不調が始まるのは不思議な感じがするけれど、メカニズムがある。
簡単にいえば、耳の奥の内耳が気圧変化のセンサー役を果たしていて、その信号が自律神経を乱すから。基本的な仕組みは、過去記事(気象病とは?イライラ・眠気・やる気が出ない…マグネシウムが効いた話)に詳しく書いた。
ここでは当時の記事では触れなかった補足をしておく。
近年の研究で注目されているのが、「微気圧変動」の存在。天気図に表れるような大きな低気圧だけでなく、気圧の微小な揺れ(数分〜数十分の周期で繰り返す変動)にも内耳は反応するという。
まだ天気が崩れていない段階でも、遠くの低気圧が発する微気圧変動をキャッチして、体は先に反応を始めている。大きな台風の前に数日前から体調を崩す人がいるのは、この微気圧変動が原因とみられている。
ウェザーニューズ「天気痛予報 プレスリリース」、大正製薬「天気痛|原因・症状・治し方・予防法」
気象病かも?と気づいてやった4つのこと
自分の不調の原因が気象病かも、と気付いて、リカバリーするためにやったことは4つある。
❶ マグネシウムの投入(過去の学びの再実践)
「低気圧だ」と気づいた瞬間、慌てて飲んだのがマグネシウム。手元にあるDoctor’s Bestの高吸収マグネシウムを臨時で2粒追加。さらに毎晩1粒だった服用量を2粒に変更した。

(Doctor’s Best/高吸収マグネシウム)
マグネシウムが気象病に効く理由(交感神経の過剰な興奮を抑える“天然のブレーキ”として機能する)や、私の体感の詳細は、以下の過去記事に書いてある。

❷ 耳マッサージ(すぐできるセルフケア)
マグネシウムと並行して、すぐにやってみたのが「くるくる耳マッサージ」。気象病の第一人者・佐藤純医師(愛知医科大学客員教授)が考案したもので、内耳の血流を促進して自律神経を整える効果があるそう。
やり方は、両耳をつまんで上下横に引っ張り、後ろ方向にくるくるまわし、手のひらで覆って後ろにまわす。合計1分ほど。いつでもどこでもできて簡単。
鮮やかな変化は感じないけれど、マッサージ直後に耳のまわりに血が集まってスッキリする感覚はある。朝・昼・晩の1日3回を2週間ほど続けると、気象病の予防にもなるという。
ウェザーニュース「台風発生時の天気痛を軽減する耳マッサージ」
❸ 五苓散(気象病と好相性の漢方)
今回の不調をきっかけに調べて新たに追加したのが、漢方薬の「五苓散(ごれいさん)」。過去にむくみ解消を目的に服用したことはあったけれど、その存在をすっかり忘れていた。
五苓散は、体内の水分バランスを整える利水薬で、低気圧による頭痛・めまい・倦怠感に作用する。気象病専門外来を持つせたがや内科・神経内科クリニックの久手堅司医師は、五苓散の投与で患者の頭痛の頻度・強度がほぼ半減したというデータを学会誌で報告している。せたがや内科・神経内科クリニック
五苓散がいいな!と思っているのは「体内の余分な水を出すが、不足しているところからは奪わない」という性質。一般的な利尿剤と違って、脱水にはならない。
五苓散として販売されているほか、小林製薬の「テイラック」のように、中身は五苓散だが異なる名称で販売されているものもあり、五苓散はドラッグストアでも簡単に手に入る。

(【第2類医薬品】ツムラ漢方五苓散料エキス顆粒A 10包)
ただ、漢方には体質との相性がある。五苓散が合わずに、呉茱萸湯や苓桂朮甘湯のほうが効く場合もあるそう。まずは市販品で試してみて、体感があればそれでよいし、なければ漢方に詳しい医師に相談するとよいと思う。
私は市販薬で試して自分に合っていると思ったので、のちに漢方外来を受診して、処方薬で五苓散を出してもらっている(処方薬のほうが1日分の量が多くてよく効く)。
❹ 気圧予報アプリの導入
今回、反省する点があるとすれば、低気圧にノーマークだったこと。1年前に気象病の記事を書いたのに、自分が低気圧に弱いという意識が生活から抜け落ちていた。
この「忘れる」問題を解決するためには、気圧予報アプリ「頭痛ーる」という選択肢がある。
ダウンロード数の多い有名なアプリで、1時間ごとの気圧変化をグラフ表示し、不調リスクが高いタイミングをプッシュ通知で知らせてくれる。
不調が来る“前”にアラートが届くので、マグネシウムを先に飲んでおく、予定を詰め込みすぎない、早めに寝る、といった先手の対策が打てる。
さらに、痛みの記録を10回つけると、自分の不調と気圧変化の相関を分析してくれる機能もある。私はそこまで使いこなしていないけれど、不調を可視化するために有益なアプリだと思う。
体調不良を決めつけないで冷静に観察する眼
その後、不調は解消しつつある(台風のように完全にサッパリ!というわけではないけれど)。
梅雨はこれから本番が続くわけなので、
- 低気圧で不調になる
…ことを思い出し、できる対処をして、できるだけラクに乗り切りたい。
この文脈でいえば、昨日Twitterで見かけたこちらのツイートにも、大変胸を打たれた。
体調不良は、心の問題かもしれないし、低気圧かもしれないし、アレルギーかもしれないし、ほかの病気かもしれないし、何なのかわからない。
自分のことも、周囲の人のことも、
- とにかく、決めつけない
- いつもフラットな視点
- 個々の状況を鋭く注意深く、かつ冷静に見つめる観察眼
…を持ちたいと思った。


