さっき、Kindleで衝動買いして一気に読んだ『呪詛抜きダイエット』が良かった。過食症・拒食症・摂食障害の人は、共感できるかも。
毒親漫画を書いている田房永子さんの『呪詛抜きダイエット』
『呪詛抜きダイエット』は、毒親漫画の『母がしんどい』の著者である、田房永子さんの著作。
田房永子さんの摂食障害は、「むちゃ食い症候群」。
大量の食べ物を取りつかれたように食べてしまい、長年、肥満体型で生きてきたとのこと。
さまざまなセラピーを試していく中で、
- 「どうしてわたしは食べてしまうのか」
に気付いていくというストーリー。
私は、摂食障害の人の手記を読むのが、好きだ(といったら語弊があるかもしれないけれど)。
それを読んで、自分が何かに気付きたいとか、癒されたいとか、そういうことは思わない。
ただ、
- 「孤独で傷ついている同士(仲間)がいる」
という感覚が、心地良いのだ。
それは、摂食障害から脱出して、いわゆる“普通”の生活を送っている現在でも変わらない。
もしかしたら、その感覚自体が、摂食障害持ち特有の感覚なのかもしれない。
- 「わかってくれる人はいない」
- 「同じ境遇にある人しか信用しない」
みたいな感覚。
「食べる」その行為の底にある気持ちに気付くと、過食が終わる
普通の人のように食べられない、そこには理由がある。
そうすることで、何らかの目的を達成している。
田房永子さんの場合は、
- 母親にいじめられていることを認めたくなかったから
- 母親を悪い人にしたくなかったから
- 母親に愛されていると信じていたかったから
ということに気付いていく。
どういうことかというと、〈太って自分をみじめでダメな状態においておけば、ひどい母親の仕打ちは、「みじめな自分のせい」にできる〉という構造だ。
自分に魅力があって、何の問題もなかったら、そんな自分に嫌なことをする母親に否があるということになってしまう。
それは、大好きなお母さんを悪者にすることであり、かつ、自分へのお母さんの愛情を否定することになる。
だから、つじつま合わせのように、「ダメな自分」でいることで、バランスを取ろうとしてしまう。
私の場合は…?
ところで、私の場合も、著者と似た部分はたくさんあって、共感したところがいろいろある。
著者と同じで、母と絶縁することで、なんとか自分を立て直したクチ。
私の場合は、
- 「女になるとお母さんに嫌われる」
- 「病気になるとお母さんにやさしくしてもらえる」
という呪詛にとらわれている。
だから、〈少年のような、まるで棒のような体型に焦がれて、極端に痩せてしまった〉という面がある。
また、過食の時期は、深層心理で母親の思い出と結び付く食べ物は、それこそ大量にむちゃ食いしていたと思う(自分では無意識だったけれど)。
母親の愛情を求めて求めて、大量に胃の中に詰め込む感じ。詰め込んでも詰め込んでも、空っぽな感じ。
『キレる私をやめたい』もおもしろかった
『呪詛抜きダイエット』を私が購入したのは、その前に読んだ『キレる私をやめたい ~夫をグーで殴る妻をやめるまで~』が、ものすごくおもしろかったからだ。
下記に当てはまる人は、これらの田房永子さんの漫画を読むことで、一気に楽になれる可能性もある。
- 摂食障害持ちの人
- 母親が毒親の人
- 異常なキレ方をしてしまい自分を抑制できない人
田房永子さんの漫画は、読んだだけで、憑きものが取れたように、パタッと症状がなくなるケースが考えられるくらい、セラピー効果が高い体験記だと思った。
読んで良かった。