最近、「食欲が止まらない」という相談を受けた。
私も、今までに「異常な食欲」に襲われて、試行錯誤したことがある。この記事をまとめ的に書いてみる。
食欲に関する記事のリスト
このブログ内には、「これをやったら、食欲が正常化した」経験について、いくつか記事にしてある。そのリストは、こちらから見ることができる。
私にとって効果があった方法の紹介なので、ほかの人にも効果があるのかどうかはわからない。あくまでも参考情報だけれど、ヒントが見つかる人もいるかもしれない。
食欲を止める前提条件としてやっておく3つのこと
食欲抑制の方法はたくさんある。それにチャレンジする前に、前提として、やっておくべきことがある。
それは、
- 代償行為をやめること
- 必要な栄養素を取ること
- 適正体重まで体重を増やすこと
の3つだ。
❶ 代償行為について
「代償行為」とは、食べた後に嘔吐したり、下剤・利尿剤を使用したりして体重の増加を防ごうとする行為を指す。摂食障害の治療現場では「不適切な代償行動」と呼ばれ、回復を大きく妨げる要因として知られている。
これを続けている限り、私の場合、異常な食欲がおさまる気配はまったくなかった。嘔吐によって栄養が体に吸収されないため、体は常に飢餓状態にさらされ、脳が「もっと食べろ」と指令を出し続ける。代償行為と過食は、いわばセットで悪循環を形成している。
❷ 必要な栄養素について
次に「必要な栄養素を摂る」という点。何らかの栄養が足りないと、渇望するような異常な食欲に襲われやすくなる。
私の場合、とくに影響が顕著だったのは鉄分と亜鉛で、サプリメントに助けられた。亜鉛は、食欲中枢と満腹中枢の正常なはたらきに関係しているミネラルであり、過食と拒食の両方に関わっている。鉄が不足する「潜在性鉄欠乏(いわゆる隠れ貧血)」の状態では、強い疲労感や低血糖症の悪化を招き、過食衝動をさらに強めてしまう。
加えて、ビタミンB群も脳の食欲中枢・満腹中枢が機能するための神経伝達物質の材料として欠かせない栄養素だ。無理な食事制限や糖質に偏った過食を繰り返すと、これらの微量栄養素がどんどん枯渇していく。結果として、脳が正常に「もう満腹だ」と判断できなくなり、異常な食欲が止まらなくなる。
ただし、サプリメントの種類や量によっては健康上のリスクもあるため、できればオーソモレキュラー療法(分子栄養学にもとづく栄養療法)を実施している医療機関に相談するのが望ましい。自己判断で大量に摂取するのは避けたほうがよい。
❸ 適正体重について
最後に「適正体重まで体重を増やす」こと。
正直にいうと、私はいわゆる“適正体重”まで増やしたくなかった。モデル体重〜美容体重の間でとどめておきたかった。それ以上は増やさなかった。幸運なことに、それでも異常食欲から抜け出すことは可能だった。
ただし、モデル体重以下の体重をキープしたまま、異常食欲だけを何とかなくそうとしても、絶対に無理だった(私の場合)。
※適正体重・美容体重・モデル体重の計算は、下記のサイトが便利。
たとえば、過去に30キロ台まで体重が減ったことがある。その頃は、どんな対処法を取ろうが、異常食欲は抑えられなかった。体の奥底から、私にはどうしようもない強いエネルギーが爆発して暴れている感じだった。
「飢餓から生き延びようとする生物的な抵抗エネルギーをなめてはいけない」と、心底痛感した。それは、完全に私のコントロールを外れていた。
摂食障害に陥っている人は、「30キロ台の体重をキープしたまま、食欲だけなくしたい」なんて思うもの。それは、私は無理だった。自分の生命力と対峙して、体重を増やすしかなかった。
異常食欲をなくしたいなら代償行為をやめて体重を(せめてモデル体重まで)増やすのが先
繰り返しになるけれど、異常食欲をなくしたいとサプリメントを試したり、いろいろなことにチャレンジしても、
- 代償行為
- 異常な低体重
をキープしながらだと、まっっっっったく、効果は得られなかった、というのが私の体験談。
順番として、最初に代償行為をやめて異常な低体重から抜け出す(せめてモデル体重まで増やす)のは、前提条件として必須だった。
私はそれを後回しにしたせいで、ずいぶん遠回りしたと思う。
糖質制限で体重を増やすといい感じだった(私の場合は)
勇気を出して体重を増やしていくときに、糖質たっぷりの甘い物やお米だと、自分でも恐ろしいほど際限なく食べてしまっていた。
それを、糖質制限にすると、おなかいっぱいに食べても、異常に食べすぎることなく、とてもいい感じだった。
そもそも血糖値を急上昇させない食べ方をすれば、反動の急降下も起きにくい。糖質制限は、私のように血糖値の乱高下が過食を引き起こすタイプの人間にとって、すごく相性が良かった。
ただし、糖質制限は人によってリスクもある。極端な制限は体に必要なエネルギーまで不足させてしまうため、摂食障害の回復期においては医療者と相談しながら進めるのが安全。
ゆったりと構えることも必要
一時は、一生付き合っていくのかなあ??と思っていた摂食障害。最近の心境は、下記に書いた。

必要がなくなるまでは、うまく折り合いを付けながら、摂食障害と付き合っていくようなスタンスが、いいのでは?と思う。そういう心境になるうちに、自然と食欲も普通になっていった気がする。


