メラニン色素って、「紫外線に当たると出てくる、シミの元」というイメージが、強すぎるみたいだ。
- 「シミも黒ずみも髪の毛もほくろも、全部、メラニン色素だよ」
と言ったら驚かれたので、メラニン色素のことを、記事にまとめてみる。
メラニン色素とは?
「メラニン色素」のことを、
- シミの元
として覚えている人も、多いと思う。
そもそも、メラニン色素とは何か?というと、動物や植物が持っている色素のこと。
メラニン色素には、主に下記の2種類がある。
- フェオメラニン(亜メラニン)
- ユウメラニン(真メラニン)
①のフェオメラニンは赤褐色をしている。「黒色メラニン」ともいう。私たちが普段の生活で「メラニン色素」と呼ぶときは、たいてい、この黒色メラニンの方を指している。
日本人は、黒色メラニンの量が多いので、髪の毛の色が黒い。
一方、②のユウメラニンは黄赤色している。「肌色メラニン」ともいう。髪の色がブロンドの白人は、黒色メラニンの量が少なく、肌色メラニンの量が多い。
メラニン色素の役割とは?
私たちの体の中に、メラニン色素が存在するということは、何らかの必要性があるからだ。
メラニン色素の一番重要な役割は、「紫外線から肌を守る」ということ。
メラニン色素は、紫外線を吸収して、その働きを抑えることができる。
紫外線に当たるとメラニン色素が出てきて肌が黒くなるのは、紫外線から肌を守ろうとしているから。
メラニン色素は、私たちの体を守ってくれる、大切な存在なのだ。
「メラニン色素が出動している=肌に負担をかけてしまっている」
メラニン色素は、悪いヤツじゃない。
- 私たちの体を守ってくれる、イイ奴
だ。だから、メラニン色素が出動して、シミ・黒ずみ・くすみなんかが出てきたら、
- 「メラニン色素め、キィー!💢」
……となる前に、
と考えてみる。それが、根本的な美白に結び付くことは、多々ある。
「紫外線」が一番大きいのだけれど、実は、メラニン色素はめちゃくちゃイイ奴なので、紫外線以外でも、肌に負担がかかると急いで出動してくれる。
多いのが、「摩擦」。例えば、下着の線に沿って黒ずんでいる場合は、その部分が摩擦でダメージを受けているから黒ずんでいる。
「デリケートゾーンのアンダーヘアを自己処理でお手入れしていたら黒ずみが出た」なんてケースも、これにあたる。
メラニン色素は最初は無色透明。酸素と結び付いて黒くなる
ところで、メラニン色素は、最初から色づいているわけではない。
もともとは、無色透明。酸素と結び付くことによって、色が付く。酸素と結び付く、というのはつまり「酸化」するということ。
ちなみに、ある物質に結び付いている酸素を外す作用のことを「還元」という。
例えば、
- 抗酸化作用の強いビタミンCには還元作用がある
と聞いたことがあるかもしれない。それって、メラニン色素に作用すれば、結び付いた酸素を取り外して、元の無色透明に戻してくれるということ。
これは、〈ビタミンC〉が持つ美白作用の一つだ。
メラニン色素の生成を抑制する有名成分はトラネキサム酸
基本的に、メラニン色素は、体を守るために出動してくれる。
でも、何らかの原因で、メラニン色素が必要以上に生成されてしまい、結果、メラニン色素が多くなりすぎる場合もある。
その場合は、メラニン色素の生成を抑制してくれる成分を知っておくとケアがしやすい。
例えば、しみ・そばかす用の薬として有名なトランシーノに配合されている〈トラネキサム酸〉は、メラニン色素の生成を抑制する成分だ。
出動したメラニン色素を素早く排出するためには新陳代謝を活性化させる
すでにメラニン色素が出動して、肌にいらっしゃる場合は、すみやかに退出してもらうことが、シミ・そばかす化させないコツでもある。
長期にわたって肌に鎮座すると、「色素沈着」して、一生消えないシミやそばかすになってしまうので。
すみやかに退出してもらうためには、肌のターンオーバー(生まれ変わりのサイクル)を整えて、新陳代謝を活性化させることが大切。
つまり、古い肌にはさっさと垢になってはがれ落ちていただき、内側から生まれてくる新しい肌と入れ替わってもらうということ。
これを助けてくれるのが、ピーリングだったり医療レーザーだったりする。
新陳代謝を活性化するために、お金をかけずにすぐできることといえば、
- 肌に負担のない程度にスクラプやピーリングを取り入れ、肌表面に溜まっている角質を除去する
- 肌の生成に必要なタンパク質・ビタミン・ミネラルを取る
- よく寝る
……ということかなと思う。