「フラーレン」という美容成分がある。これが、かなり美肌に使える優秀成分なのだ。
そもそもフラーレンとは何?
フラーレンは、炭素原子60個がサッカーボールのような球状に結合した分子で、非常に強い抗酸化力を持つ。
「抗酸化」とは、老化の原因となる活性酸素(紫外線やストレスなどで体内に発生する有害な物質)を除去する力のこと。有名な抗酸化成分には次のようなものがある。
- ビタミンC
- ビタミンE
- アスタキサンチン
- コエンザイムQ10
抗酸化といえば、もっとも有名なのはビタミンCだろう。
フラーレンは、そのビタミンCと比較して125〜250倍以上の抗酸化力があると報告されている(測定方法によって数値が異なり、銅イオン還元法では250倍以上という結果が出ている)。
ほかの抗酸化成分との決定的な違いは「持続力」
この数値だけでも十分にインパクトがあるが、フラーレンの真価はそれだけではない。ほかの抗酸化成分との決定的な違いは「持続力」にある。

ビタミンCなど一般的な抗酸化成分は、自らが身代わりとなって活性酸素に酸化される仕組みで肌を守る。つまり、働けば働くほど成分自体が消耗し、やがて効果を失ってしまう。
いっぽうフラーレンは、活性酸素を「吸着」するはたらきをしつつ、自身は酸化されないという特性がある。そのため、肌から排出されるまで長時間にわたって抗酸化力を発揮し続ける。
11時間以上も効果が持続するというデータも報告されており、朝のスキンケアに使えば夜まで肌を守れる計算になる。
紫外線に強いフラーレン
さらに、ビタミンCやビタミンEが紫外線に弱く分解されやすいのに対し、フラーレンは紫外線にも安定している。日中のスキンケアに組み込めるのは、大きなメリットだ。
フラーレンで期待できる効果
抗酸化力が強いということは、活性酸素によって引き起こされる数々のトラブルを予防できるということ。具体的には、フラーレンで臨床データがある効果は次のとおり。
- 美白(シミ抑制)
- 毛穴の改善
- シワの改善
- ニキビケア
- 赤みの抑制
- 保湿や肌荒れの改善
私が直接聞いた話だと「美白に効果が出た」という人が多い気がする。
水溶性フラーレンと油溶性フラーレン、どっちがいい?安全性は?
フラーレンには、
- 水溶性の「ラジカルスポンジ」
- 油溶性の「リポフラーレン」
の2種類がある。
水溶性は化粧水や美容液に、油溶性はオイルやクリームに配合しやすいという特徴がある。
水溶性フラーレン「ラジカルスポンジ」
フラーレン自体は、もともと水にも油にも溶けにくい。そのままでは化粧品に配合しにくいため、PVP(ポリビニルピロリドン:水に溶ける合成の高分子ポリマー)でフラーレンを包み込み、水に分散できるよう加工したのが「ラジカルスポンジ」だ。
ちなみに、PVPはケミカル成分。自然派化粧品にこだわっている人には嫌われる成分だ。
油溶性フラーレン「リポフラーレン」
2005年発売のラジカルスポンジから4年後、2009年に登場したのが「リポフラーレン」。こちらはスクワラン(保湿オイルとして人気の高い成分)にフラーレンを配合し、油に溶けやすく加工されている。
スクワラン自体が美容効果のあるオイルなので、PVPを使うラジカルスポンジよりもリポフラーレンを好む人もいる。
追記:2020年以降はリポフラーレンも植物由来フラーレンに切り替わっており、環境面でもアップデートされている。
水溶性と油溶性、どっちが効くの?
水溶性と油溶性、どちらのほうが肌に効果があるのだろうか。
答えは、両方。というのも、水溶性と油溶性では、「効く場所」が違うのだ。
肌の表面には皮脂膜があるため、油溶性のリポフラーレンのほうが浸透しやすい。いっぽう、肌の内部は水分が多いため、水溶性のラジカルスポンジのほうが届きやすくなる。
片方だけでも効果は期待できるが、水溶性と油溶性を併用すれば、肌の表面と内側の両方でフラーレンの抗酸化力を発揮させられる。
水溶性と油溶性の見分け方
1%以上フラーレンを配合している化粧品には、フラーレンのロゴマークを記載することが許可されている。
それを見ると、水溶性と油溶性の区別がつく。水溶性フラーレン配合だと「R.S.」、油溶性フラーレン配合だと「L.F.」とロゴに記載されている。

なお、1%以下しかフラーレンを配合していない化粧品は、フラーレンのロゴマークを記載することができない。その場合は、全成分にPVPが配合されていれば水溶性、スクワランが配合されていれば油溶性と判断する手がかりになる。
ただし、ほかの成分の兼ね合いで、PVPもスクワランも配合されている場合、見分けがつかないので、メーカーに問い合わせるのが確実。

